0-657 名前: 副作用は淫行で………(にられば) [sage] 投稿日: 2005/10/17(月) 21:32:12 ID:dMs68LXm

恭子は現れた早々、直樹に言い放つ。
「久住、あんた後ろ向いてなさい。結が喋れないから………」
テントの張ったズボンの事を指摘され、素早く背を向ける直樹。
「渋垣も、大胆ねぇ〜」
恭子は茉理を嘗めるように見渡す。
カーッと真っ赤になる茉理。
「み、見てたんですか?」
「茉理、気を付けるんだ。何しろ二十二世紀から来た人間だからな。ポケットの中に
とんでも無い道具を隠し持っているかもしれないぞ」
「久住君は私達をそんな風に見ていたんですか………、ガッカリです」
「はいはい、馬鹿な話はここまでよ!」
恭子が何時までも終わりそうに無い漫才を止めに入る。
「でも明日にしましょう………私もあんた達のを見せつけられて話す気失せたから、
放課後に研究室で説明するわ」
「わ、分かりました………じゃ、じゃあ、帰るわよ直樹」
流石にあんな所を見られて恥ずかしいのか赤面したまま直樹を引っ張ろうする。
「それから二人とも………」
思わずピタっと止まる二人。
「猿じゃないだから、程々にしときなさいよ!」
「ずっと、独り身の先生に言われたくないです」
グサっ!
その一言は二人の教師の胸に深々と突き刺さった。
それは色調が反転するくらい。
「く〜ず〜みぃ〜〜」
「言ってはいけない事を言ってしまいましたね〜〜」
直樹もハッとしたが遅かった。
「久住君、明日はなんだかプリンが食べたい気分になりそうです」
「先生、毎日四個ぐらい食べてません?」
「でも、自分で買うより奢りの方が美味しいわよ」
最早、直樹に勝機は残されていなかった。
「はぁ、しょうがないですね。明日、カフェテリアで奢りますよ」
「でも、いつものプリンなんて私達への愛が足りないんじゃない?」
「愛………とまではいかなくとも誠意を見せて欲しいですね」


翌日、昼休み
家庭科室で保奈美に教わりながらプリンを作っている直樹と茉理が居た。
「でも、どうしたの?急にプリンを作りたいなんて………」
「いやぁ、結先生には何かと世話になっているからな………はは………」
「ははは………」
茉理もつられて笑う。
乾いた笑い声が響いては居たが直樹もそんじょそこらのプリンを作る積もりは無かった。
「なおくん………」
あの料理の達人、保奈美が不安な顔付きだ。
「大丈夫かな?私も余り自信が無いけど………」
そして、そのプリンは料理部用の冷蔵庫の中で出番を待っていた。
放課後のお披露目に向けて………