0-599 名前: 副作用は淫行で………(にられば) [sage] 投稿日: 2005/10/04(火) 22:56:54 ID:+kg1QHBf

夕暮れの蓮見駅から出てくる直樹と茉理。
「ねぇ、直樹のバイト先でご飯食べていかない?」
「却下!」
「えー、だって今から帰って作るの疲れるじゃん」
「女連れで自分の仕事先行くなんてなぁ………」
「なら、見せつけてやればいいじゃない!」
ぐいっと直樹の腕を掴み通りのカフェに入っていく。

時間的に混み合っていたのかカウンター席に案内される二人。
カウンター越しに何気なくマスターが声を掛ける。
「彼女?」
「いや、妹で………ず」
何食わぬ顔で直樹の足をグリグリと食い込むように踏みつける茉理。
「私、このセットで」
「このメニューは高いけど大丈夫?」
直樹に問いかけるマスター。
直樹ですら見た事の無い程の笑顔で茉理が間髪入れずに言った。
「ええ、今日は御兄様が何でも好きなモノを頼んでいいって!」
グイっと一段と強く直樹の足を踏みつける。
直樹は即決した。
「………次のバイト代から引いといてください………」

カランカラン
カフェを出てくる二人。
「………なぁ、茉理………」
「何?」
「お前の性格の悪さは保奈美そっくりだなっと思って………」
手を繋いで繁華街を歩く。
「フンだ。直樹が誤魔化そうとするからでしょ!」
自分の手を包んでしまいそうな大きな手を力強く握る。
「御免なさい」
「心がこもってないなぁ………」
ハァーと溜息。
「じゃあ、今、ここでキスしたら許してあげる!」
夕暮れの駅前繁華街。
店先のウィンドウの前で唇を重ねる。
物憂げな小さな唇を塞ぐ直樹。
抱きしめあう二人。
どれくらい立ったのだろう。
どちらとも無くそっと唇が離れる。
「最後にパフェ食ってたからスィートな感じだった」
「直樹は大蒜効き過ぎ………」
「あれは店唯一の漢のメニューだからな」
「何でそんなの頼むのよー」
「冗談だって、ほら………」
抱き合ったままの体勢で茉理の尻をスカートの上から撫で回し耳元で囁く。
「こんな事になるかもしれないだろ?」
何気ない直樹流の何時ものジョーク。
だが茉理は嬉しそうに直樹を見上げる。
「えへへぇ………じゃあ、その、してく?」
「え?」
茉理は直樹を引っ張って路地裏に入り込んでいった。