6-559 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/05/21(月) 15:25:40 ID:Plle71mX

 「大事な用件とはなにかしら、エステル。」
 「は、はい。フィーナ様。」
 エステルに呼び出されたフィーナが、静かに問う。
 司祭はうつむき加減で、ちらちらと月の姫を見つつ、口を開いた。
 「先日、朝霧様がひとりで礼拝にいらっしゃって、終わってから、そ
の、お茶をいっしょに。」
 「ええ。それは達哉にも聞いているわ。」
 フィーナは冷静な表情で話の先をうながす。エステルは口ごもり、し
ゃべりかけ、また口ごもってから。
 「そ、そのとき……」
 エステルがまぶたを落とす。涙の滴が流れでてから、やっとのことで
言葉が出てきた。
 「あ、朝霧様が私のことを、そ、その……ら、乱暴されたのです。や、
優しいかただと、それまでは思って、で、でもまさか――」
 我慢できずに両手で顔を覆い、すすり泣く。
 「――悩みました。私の胸だけに仕舞っておくのがいいこととも、思
いました。でも、婚約しておられるフィーナ様が知らないままというの
は……だ、だから。」
 「よくわかったわ。エステル。」
 フィーナは緑の目を吊りあげ、顔つきをこわばらせ、重々しくうなず
いた。
 ようやく手をはずし、顔をあげたエステルは泣き顔のまま心のなかで
せせら笑っていた。これから男女でどんな修羅場が起こるのか、婚約は
当然解消、それに留まらず、このことから月と地球のあいだに新たな争
いが起こるかもしれない。
 王族だけでなく月と地球の運命を自分の手のひらで転がす快感に酔っ
てしまい、喜悦を顔に出さずにいるのに苦労する。
「さて……達哉」
「うん」
「え!? な、なぜ?」
 姫が唱えたのは、もうひとりの主役の名前。ここにいるはずのない男
が、呼ばれてすっと陰から姿を現わした。愕然とするエステル。地球人
の少年は目に強い炎を浮かべ、ずんずんと迫ってくる。
 とっさに顔をフィーナへ向けると、これが月の姫の顔かと疑いそうに
なるほどの嘲笑があった。
 「おあいにくさまね、エステル。私以外の月人ならだませたかもしれ
ないけれど、私は達哉を信じているもの。達哉はちゃんと、すべてを話
してくれた。あなたは口でサービスしてから、もっと楽しんだそうね。」
 エステルは唇を噛むと同時に、臍をかんでいた。フィーナの言葉のと
おり、ふたりの関係を舐めていた。女と遊んだことを正直に話す男なん
ていないと思いこんでいたのだ。
 「それにエステル。あなたが月で、ずいぶんと乱れた生活を送ってい
たことも調査済みよ。かなり固く口どめしていたみたいだったけど、王
家の力をあなどらないで。」
 さあっと顔が青ざめる。月での淫行を過去に流し、地球で新たな性を
満喫しようと目論んでいたのが、あっけなく崩れてしまった。



 フィーナは、動揺している淫乱司祭を鼻で笑う。
 「こんなイカれた女に司祭をさせておくわけにはいかないわ。解任は
当然として、達哉、なにか言いたいことは。」
 「いい気持ちにさせてくれてありがとう、と言っておこうかな。」
 「あ、あ、あ……」
 言葉は慇懃だが、だまされた怒りに燃えている男は全身から猛烈なプ
レッシャーを発していて、エステルは怖れに震えてしまう。
 達哉はぐっと拳を握ったが、さすがに手を出すことはなく、拳を震わ
せるだけで。
 「フィーナとの仲を裂こうとするなんて、許せない」
 「私もよ。でも、こんな馬鹿な女の浅知恵くらいで裂かれるような仲
じゃないわよねぇ」
 フィーナはねっとりと絡むように達哉へ寄り添い、艶やかな唇を差し
出す。ちゅっ、ちゅっ、とキスをはじかせてから、男も女も同じ感情を
瞳に燃やす。
 「お仕置きだ。」
 「ええ。」
 「あ、ああっ、ゆ、許して……お許しを。」
 達哉の手には、縄がある。怖れおののき喚き泣く司祭の体を、法衣の
上からぐるぐる巻きに縛った。足を引っかけて転ばせると、もがく少女
のスカートをめくり、さっさと下着を剥ぎ取ってしまう。さらに縄を打
ち、股間を晒す猥雑ポーズに緊縛した。
 「う、うああぁ。」
 今までされたことのない屈辱ポーズにエステルはかっと目を見開き、
悶えている。計略が見事にひっくりかえされ、姫と地球人に弄ばれる自
分の姿が、現実とは思えない。
 「私が、先に。」
 「ああ、任せるよ。」
 フィーナはあらかじめ用意していたオモチャを手にする。超極太、女
を破壊するために作られたとしか思えない凶悪バイブを。
 「ヒッ。フィーナ様、な、なにを。」
 「あら、あなたにわからないはずないでしょう。あなたが大好きなも
のを食べさせてあげるわ。感謝しなさい。」
 嫉妬の女神は額に縦皺を浮かべ、エステルの下肢に取りついた。まった
く濡れていない秘唇に剛棒の先を当ててすぐ、ぐいぐい押しこむ。
 「ぐっ、ぎいぃ、い、痛いぃ。」
 「あら? ずいぶんとカマトトぶってるわね。もっとすごいモノを咥
えていたという報告があったわよ。ほら、正直になりなさい。」
 フィーナの冷笑が響き、握りこぶしほどもある人工亀頭がめりめりと
食いこんでいく。規定外のオモチャを呑んで陰唇がありえないほど盛り
あがる。
 秘割れごと裂けてもおかしくないサイズのモノをぶちこまれ、エステ
ルは声をにごらせて懸命に肢体をよじる。よじったところで、縄でがっ
ちり固定されていて、どうにもならない。
 必死の身悶えすらも、今の男女にとってはからかいのタネだ。
 「なに、この悦びかた。なんてイヤらしいのかしら。ねえ、達哉。」
 「ああ、まったくだ。こんな女に誘惑されてしちゃった自分が情けな
いし、汚らわしいよ。」
 姫ともども侮蔑の視線を送る達哉はカメラを持って、仕置きされるエ
ステルの姿をしっかりと撮影していた。やがてこの映像と司祭少女の過
去の暴露が、エステルだけでなく月の教団そのものを失墜させることに
なるのだが、それはもう少し先のことだった。