6-407 名前: 1+1≠2(にられば) [sage] 投稿日: 2007/03/27(火) 23:51:42 ID:a9s4hipU

「ねぇ、なおくん、なおくん」
ゆさゆさと直樹を揺すって起こそうとする保奈美。
「あ………ほなみぃ………」
寝ぼけ眼の霞んだ眼に保奈美が映る。
「ご飯できたよ、なおくん」
「………わかった」
ひとまず目を覚まそうと洗面所に向かう直樹。
カチャ
洗面所のドアを開ける。
その瞬間、直樹の目は一気に覚めた。
「………………………」
「………………………」
「………………………」
そこには素っ裸の美琴、茉理、ちひろが居たのだ。
しかも、風呂から上がったばかりでほのかに朱に染まった肌が何とも健康的な色気を醸し出している。
バタン
「キャーッ」
「直樹の馬鹿っ、スケベっ変態っ」
そのまま、急いでリビングに戻る直樹。
だが、食卓の付こうとした直樹に保奈美が立ちはだかった。
「なおくんのエッチ」
非難するというよりは軽い感じ。
それだけ言うと保奈美はキッチンに向かった。
ドタドタドタ
慌ただしい足音が廊下から響いてくる。
バンっとドア開くと開口一番
「直樹ぃっ!!!!」
と怒声をあげる茉理。
「着替えのみなず、は、は、裸姿まで覗くなんてぇっ」
今、正に掴み掛からんとする茉理。
「ふ、不可抗力だ」
さらに茉理の後ろからひっそりと恨めしそうな涙目で直樹を見つめるちひろ。
「ううっ、もうお嫁に行けません」
さらに最後の被害者が現れる。
「じゃ、私は直樹の愛人になる」



「お、おい、み、美琴っ」
保奈美を見る美琴。
「ねぇ、保奈美」
「うん、いいよ」
「おい………」
既に愛人みたいなものではあるが、正妻の保奈美から正式に承諾を得た事で安心感を感じる美琴。
だが、被害者の義妹とその親友は事情を知らないので冗談にしか見えない。
「美琴さんは許しても私は許さないんだからぁ!!!!!」
「わ、わたしはっ」
叫ぶ茉理の後ろで何か言いたげなちひろ。
「じゃあ………茉理ちゃんと橘さんもなおくんの愛人になってみる?」
「わ、わたしは、愛人でも………」
「ちょ、ちょっとちひろっ」
親友の思わぬ発言に驚く茉理。
(本当に直樹の………)
とも考えてしまう。
だが保奈美の戯れだろうと考える。
しかし、目の前の現実を見てその考えも崩れてくる。
なんと直樹は両脇に保奈美と美琴を抱えてテーブルに向かっているのだ。
そんな三人を羨ましそうに眺めるちひろ。
「橘さん、私と変わってみる?」
「あ、あう、でもっ」
「いいから、いいから………」
なんと親友が恥ずかしそうに直樹に密着する。
しかも恥ずかしそうな表情の中にも幸せそうな表情も見て取れる。
(ま、まさか皆で私をからかって………)
そうであっても顔には出さないが、とても羨ましい茉理だった。