6-397 名前: 1+1≠2(にられば) [sage] 投稿日: 2007/03/25(日) 22:44:56 ID:psFAkhID

そして翌日。
学校が終わり、夕方に渋垣家に集合する一堂。
だが、その中に今日は呼ぶ予定の無かった美琴がいる。
どうやらお泊り会の情報をどこぞで仕入れてきたらしい。
「もう、こんな楽しいイベントがあるのに誘ってくれないなんて酷いよぉ」
「いや、今回の主催者は俺じゃないから………」
そう言って茉理を見る直樹。
「御免なさい、美琴さん。でも、美琴さんなら大歓迎ですよ」
「本当?嬉しいなぁ」
茉理に抱きつく美琴。
「み、美琴さんっ」
「美琴、罪滅ぼしによかったらそいつをやろう」
「ちょ、ちょっと何勝手に………」
「うわぁ、本当?じゃあ、遠慮無く」
「その代わり、食事と小遣いは自分で負担してくれ」
「なお………久住君、最初からそのつもりで言ったんでしょ」
「そんな冗談、間に受けるなよ………」
「ひっど〜い」
一瞬の隙を突いて直樹が美琴から茉理を取り戻す。
「コイツをそう簡単に人様にくれてやるものか」
胸元に収めている茉理の頭をポンポンと叩く。
「それにお前にはちひろちゃんがいるじゃないか」
その時、今まで会話に参加していなかったちひろが口を開いた。
「………その、あの、私も久住先輩の妹だったら良いなと………」
「美琴、お前の完敗だ」
「うるうるうる………」
お約束どおり崩れる美琴。
「ほら、馬鹿な事してないで晩御飯の準備をしよう」
実質的りーだーの保奈美に促されて皆がキッチンに向かう。
「あ、なおくんはいいよ。ここは男子禁制です」
キッチンから締め出される直樹。
「流石にこれだけの人数で入ると狭いわね」
「久住先輩はゆっくり寛いでいて下さい」
「ありがとう、ちひろちゃん。茉理にはない思いやりを感じるよ」
「お兄様、テレビでも見て寛いでいてください」
「お前に言われると皮肉にしか聞こえん」
「ムッカーッ」
茉理は思わず、その場にあった杓文字をハシッと掴む。
そして振り被って………
ハシッ
投球モーションに入りつつあった茉理の腕を掴んだのは保奈美だった。
「駄目だよ、茉理ちゃん………」
そう言って手を離す保奈美。
「そのネタはちょっと勇み足かな」
「ゴメンなさい………」
「今度、パスタでも作った時にでも機会があったら良いと思うよ」
「わかりました」
保奈美に免じて杓文字を片付ける茉理。
だが、何処に隠し持っていたのか鉄板コースターを取り出して直樹に投げつけた。
「のうっ」
これには堪らず、直樹ノックダウン。
「フン」
そしてこの後、直樹が目覚めたその時、恐怖のお泊り会が開幕する。