6-391 名前: 1+1≠2(にられば) [sage] 投稿日: 2007/03/23(金) 04:38:46 ID:pSTLMIE+

高鳴る心臓に耐えられなくなった文緒。
「わ、私、帰るね」
そう言ってそそくさと荷物をまとめて帰っていった。
「どうしちゃったんだろうね」
と美琴。
「どうしたんだろうね………」
だが保奈美は薄々と気付いていた。
それが直樹によるものであるという事に………
「そういえば結先生も寮に住んでるんだよね」
「そうだよ。でも今はいないかもしれないよ。近頃は休日にも学園に行ってるみたい」
「じゃあ、先生の部屋に行ってみようか」
「そうだな………美琴はどうする?」
「なんだか難しい話になりそうだから止めとくよ」
「じゃあ、またね」
直樹と保奈美は美琴の部屋を後にする。

案の定、結は居なかった。
学園に居るとしたらそこは時計塔の研究室しかない。
直樹と保奈美は手を繋いだまま学園の門を通過する。
「ねぇ、なおくん………」
「どうした?」
「………なんでもない」
直樹の異常事態(性欲のみ)が悪化しなければ、していなければいいなと考える保奈美。
ギュッと直樹の手を強く握る。

そして理事長室に入ると玲と恭子がコーヒーを飲んでいた。
「あら、いらっしゃい」
「今日は久住君も一緒なんですね」
「あの、結先生は………」
「結なら研究室に籠もりっきりよ」
「行っていいですか?」
「いいわよ」
トントン
研究室のドアを叩く。
「結先生、入りますよ」
「失礼します」
ドアを開けて研究室に入る直樹と保奈美。
そして先程の文緒の一件を話す。
「そうですねぇ………それでは少し検査しますか」
という訳で直ぐに恭子が呼ばれて直樹をチェックする。
最後には検査の為、血液を抜かれた。
「検査に一週間は掛かりますから、それまでの間は無理は禁物ですよ」
「気を付けます」
「じゃあ、頼みましたよ。藤枝さん」
「わかりました」
「まあ、藤枝が居れば安心ね」
立ち去ろうとする二人。
だが、
「そう言えば久住君っ」
結が呼び止める。
ドキッとして立ち止まる直樹。
「藤枝さんと同じ大学に行くならちゃんと勉強した方がいいですよ。平均点以下
なら深野先生がみっちりと二人っきりで教えてくれるそうですから………」
こうして直樹は、帰宅後も保奈美に数学を見てもらう羽目になるのだった。
そして検査から一週間が過ぎようとしてる土曜日に遂に事件は勃発する。
茉理が遂に直樹の毒牙に掛かろうとしていた。