6-330 名前: 1+1≠2(にられば) [sage] 投稿日: 2007/02/14(水) 02:57:33 ID:+KhUW5g8

保奈美も帰り、直樹も自室に戻っていた。
ベッドの上で、ふと自分の将来を考える。
仕事のどうとかよりもまず最初に考えてしまうのは保奈美との事。
まず間違いなく結婚しているので子供は何人なのか等、そんな処に考えが行き着いてしまう。
(茉理にも言われたけど、確かに保奈美は俺には過ぎた彼女だ………)
そんな事を考えているうちに眠りの世界に誘われてしまう直樹だった。

それは突然の事だった。
「ねぇ、なおくん。土曜日に、うちに泊まりに来ない?」
なんでも両親が旅行で不在になるとの事。
いきなりの事だったが直樹は即答した。
無論、行くに決まっている。
そして土曜日の夕方。
藤枝家に向かう為に玄関で靴を履いている直樹。
そして何故か渋垣親子が直樹を見送ろうとしている。
特に、家主とその娘はニヤニヤといやらしい表情で直樹を見ている。
「な、なんだよ。二人ともっ」
先ずは茉理を見る。
「いやぁ、直樹もついに保奈美さんに貰ってもらえるんだなぁと思って」
「貰ってくれる男も、貰ってやる男も両方いない奴に言われてもなぁ………」
「よ、余計なお世話よっ」
そんな茉理を無視するかのように遠くを見つめる(玄関なのに?)直樹。
「茉理が未だ『お兄ちゃん』って呼んでくれてた頃の事、憶えてるか?」
「憶えてるわけ無いでしょ………」
「あの頃、俺と保奈美がまま事をしてるとよくお前が『私もお兄ちゃんの
お嫁さんになる』って言ってくれていたのに何時の間にこんなに反抗的になったのやら………」
「そ、そんな事、言ってないぃっ」
本当にそんな事を言ったのだろうかと思いつつ顔を赤らめる茉理。
「はっはっは、茉理をからかうのもここら辺にしたらどうだ?」
「むぅ、やっぱり嘘だったんじゃない」
「あら、直樹君の言った事は本当の事ですよ。昔は重度のお兄ちゃんっ子だったんだから」
幼き頃の茉理を思い出し女神の様な笑顔で微笑む英理。
「まぁ、何はともあれしっかりな。たまには保奈美ちゃんに甲斐性あるとこを見せてやれ」
そしてこの後、本当に甲斐性の見せ所がやってくるとは未だ夢にも思っていない直樹だった。

藤枝家の玄関に立つ直樹。
ピンポーン
チャイムが鳴り響く。
「はーい」
保奈美の声が返ってくる。
急いで玄関に向かっているのだろうか。
ドタドタと廊下を駆ける音が近づいてくる。
ガチャ
ドアが開く。
「保奈………」
「ヤッホー、久住君っ!!」
何故か出迎えたのは美琴だった。
保奈美と二人きりを満喫する筈だったのに、何故に藤枝家に美琴がいるのか分からない直樹。
次回から遂にプチハーレムへ突入が始まる事を現段階で直樹が知っている筈も無かった。