6-306 名前: 1+1≠2(にられば) [sage] 投稿日: 2007/02/06(火) 23:27:45 ID:CHgmWX/X

「えっ、く、久住君ですかっ」
「そう、久住直樹君です」
美琴は、かぁっと赤くなる自分の顔を感じることが出来た。
「え、いや、あの、その………」
(いきなり好きかかって聞かれても………)
うまく喋ることが出来ない美琴。
ドクンドクンドクン
心臓の高鳴りが早い。
(や、やっぱり好きなのかな………久住君のこと………)
「あの、久住君とはそのっ」
「ふふっ、今の天ヶ崎さんを見れば一目瞭然ですよ」
母親のような暖かい微笑で美琴を見つめる玲。
「さっそくなんですが………」
「はっはいっ」
「久住君の恋人になって見ませんか?」
「えっ」
(私が久住君の恋人………)
ボーっと妄想の世界に入り込む美琴。
「天ヶ崎さん、天ヶ崎さん」
「は、はい」
現実世界に引き戻される美琴。
「で、でも、久住君には既に………」
そう、保奈美がいる。
「………藤枝さんですか」
沈黙に包まれる理事長室。
「この話については未だ藤枝さんにはお話していないのですが、藤枝さんから久住君
に対する相談が有ったので検討した結果、貴方にお願いしようと思った訳です」
「保奈美が………」
保奈美が直樹の事で教師に相談なんて普通の事でないのは美琴でも想像がつく。
「詳しくはまた後日、お話しする事になると思います。それまでに決断をして下さい」
「………わかりました」
(私が久住君の恋人………もしかすると保奈美公認の………)
心臓が何時に無く高鳴っているのが自分でも分かる。
(愛人みたいだけど………なんか好いかも………)
高鳴る鼓動で胸いっぱいの美琴。
立ち去ろうと理事長室の大きなドアの前に来た時だった。
「あぁ、そうそう。すっかり忘れてたのですが………久住君の恋人は貴方以外にも候補
がいるので覚えていて下さい」