6-212 名前: 198 [sage] 投稿日: 2007/01/07(日) 21:26:27 ID:hcgkkNtC

 すっかり葉がぬけおちてしまった木ばかりが目立つ季節を迎えたカテリ
ナ学院の放課後。菜月達三年生は実質的な学習過程も終え、放課後にもな
るとそれぞれの進路への期待と不安とを抑えきれない生徒達の熱気で教室
内が自然と沸き立つ。
 「なーつきー?」
 「うん?」
 その中でも獣医学という個性的な進路先を選択し、しかも半年も前に合
格通知も受け取り話題の輪に取り囲まれた菜月が呼ばれた方向に顔を向け
てみると、何やら扉の辺りに見たことのない顔が幾つか。
 「あ……た、鷹見沢先輩……ですか?」
 リボンの色からすると一年下の二年生らしい声の主。大きな瞳が印象的
なセミロングの少女が菜月と目を合わせた途端に何やら思い詰めたような
視線を向けてきた。どう考えても初対面の相手なのだが。
 「えっと……そうだけど……」
 「あ、あの……その……あの……」
 「突然押しかけたりしてすみません。鷹見沢先輩。」と最初の少女の横
からボブカットの少女(こちらも二年生らしいし、きっと先に話しかけて
きた子の友達か何かなのだろう)が挑むような目で菜月に何かを訴えかけ
てくる「少しお時間を頂けないでしょうか?」
 「時間って……」
 「先輩に聞いて頂きたいことがあるんです。お願いしますか?」
 こそこそと恥ずかしそうに背中に隠れた最初の少女を庇うように、もう
一人の少女が凜とした口調で喋る。
 「別に良いけど……ちょっと場所を変えた方が……」
 見たところ真剣な顔をしているし、わざわざ上級生の教室まで来るくら
いなのだから真面目な話であろうと判断した菜月は、とりあえず野次馬が
居ない所で聞いてみることにした。
 「第二音楽準備室なら、誰もいません。」喋れるのは、やはりボブカッ
トの少女の方「先に行って鍵を開けますので、お願いします。」
 一方的に言いたいことを言った二人は、ペコリと御辞儀をしてから足早
に立ち去っていった。残された菜月は、全く話が見えないまま呆然となっ
てしまう。
 「……菜月?」
 「あ……」何時の間にやら、菜月の側に達哉が「……ごめん達哉、ちょ
っと……」
 「良いって良いって、遅くなりそうだったら電話くれよな?」
 「う、うん。ありがとう。」



 菜月が到着した時には、準備室の中は充分に暖められ飲み物が入ってい
るらしい電気ポットまで用意されていた。
 「来て頂いてありがとうございます、先輩。」と頭を下げるボブカット
の少女「ボクは2−Aの涌井知子と言います。この子は同じクラスの花鳥
未久で………ほら、未久?」
 「ま、花鳥未久……です……」
 向かい合って座った二人が順番に御辞儀をする。
 「涌井さんと、花鳥さんね?」勧められた椅子に腰掛け、出された熱い
ミルクティーを味わいながら微笑む菜月「で、お話って?」
 冷静に考えてみれば、狼狽えるほどの出来事などではない。流石に他の
学年の後輩(先輩)から、というのは初めてだがクラスメートその他の相
談事や頼み事なら何度も聞いたことがあるし、その話を何処かで聞きつけ
て訪ねてきたというのが真相だろう。二人の立ち振る舞いから察するに大
人しそうな未久が悩んでいる本人で、知子は付き添いで来ているというと
ころか。菜月は慌てず騒がず、二人が話を切り出すのを辛抱強く待ってみ
ることにした。
 「実は……」先に口を開いたのは知子。短い髪と我が強そうな眉、そし
て全体的に面長な顔つきからボーイッシュな感じのする彼女は、多少の遠
慮を残しながらも正面から菜月の視線を受け止めて話す「……未久が男の
子の事で悩んでて、誰か相談できる人がいないかなって思ってた時に部の
先輩………あ、ボクはコーラス部で未久は文芸部なんですけど……部の
先輩が鷹見沢先輩のお話をされていたのを小耳に挟んので聞いてみたら、
頼りになる人だって仰ったので鷹見沢先輩に聞いて頂こうって思ってお願
いに上がったんです。相談内容が内容とは言え一方的に押しかけた上に強
引なお願いをしてしまったことは謝ります。でも、未久にとっては本当に
大切で出来るだけ他の人には知られたくない話なので……」
 「ああ、それなら全然怒ってないから心配しなくても大丈夫よ。」思っ
たよりも礼儀正しい子じゃない、と内心胸をなで下ろす菜月「恋愛の問題
って、人には知られたくない物だものね? それで、涌井さんは全部知っ
てるのかな?」
 「一応……ですけど。前から何度か相談されたことはありますし、ボク
と未久は小学校の頃からの親友なんです。」
 「じゃあ、一緒にいても大丈夫ね。えっと……花鳥さん?」



 「は、はい……」
 だが肝心要の当事者は緊張と恥じらいでカチコチの照れ照れ状態だった
りする。
 「いま聞いたお話だと、涌井さんも事情を知ってるみたいね。でも、出
来たら花鳥さんから直接教えて欲しいの。でないと、花鳥さんが本当に悩
んででいる事がちゃんと私に伝わらないかも知れないでしょ?」
 「……はい……」
 「言いにくいことや言いたくないことは言わなくて良いから、先ずは最
初から、一つずつ話してみて?」相手の目の高さに自分の視点を合わせ、
一言一言を噛んで含めるように優しく語る菜月「誰も花鳥さんを責めたり
しないし、誰にも言わないって約束するから、ね?」
 「そ、そうだよ未久? せっかく鷹見沢先輩も来て下さってるんだから
勇気を出して相談しようよ?」
 「う、うん……」小さく頷き、意を決するように喉を鳴らして息を飲み
込む未久「……あ、あの……実は……」
 「うん。」
 「………その、あの……お、お兄ちゃんが……」
 「おにいちゃん?」恋愛の相談じゃなかったのかなと思い返してみなが
らも先を促す菜月「お兄さんが、どうしたのかな?」
 「お、お兄ちゃんが……」きゅ、膝の上に添えられていた手が可愛い拳
を作る「……お兄ちゃんが、未久のこと抱いてくれなくなったんですっ!」
 「………………え゛?」
 「あ………」
 「ぐすっ……」
 
 ひゆぅぅぅぅぅ、と木枯らしが窓の外を通り過ぎる音。

 「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
 「あぁ………ちち、違うんです鷹見沢先輩!」椅子ごと退きそうになっ
てしまった菜月にアタフタとフォローを入れる知子「お兄ちゃんって言っ
ても未久のお兄ちゃんは本当はお兄さんじゃなくって赤の他人なんです人
違いなんですっ!」
 「うぅ、赤の他人じゃ……ないもん……」
 「え? え? え?」



 「でで、ですから未久の彼氏は近所に住んでるお兄さんで、幼馴染みっ
て言うかお兄さん代わりって言うか、えっと……」
 「あ……ああ、なるほどネ……」予想の遙かに上を行きかけた展開にバ
ックンバックンと驚いている心臓を宥め賺しながら座り直す菜月「そ、そ
れで、その『お兄ちゃん』って?」
 「……はい……」と周囲の騒ぎも何処吹く風と寂しそうに目を潤ませて
いる未久「……い、いままで未久が遊びに言ったらいつでもセックスしよ
うって言ってくれてたのに、夏休みが終わった頃から、急に……」
 「セッ………いや、私が聞きたいのはそこじゃなくて………」
 「お兄ちゃんとセックスすることは嫌じゃないんです。最初は強引だっ
たし未久も痛いだけだったんですけど、五回目くらいからはだんだん気持
ち良くなってきたし、未久が言うことを聞けばお兄ちゃんも優しくしてく
れるので今は全然平気です。手足を縛られるのも慣れたし、ワンちゃんの
真似をしながらだって出来るようになりました。」
 「………しし、縛っ………ワンちゃ……!?」
 ポンッ、と瞬間沸騰して頭に血が上った菜月の中で妙な妄想が広がり始
めた。


 (い、痛いよ、達哉ぁ……)」
 ベッドの上に仰向けに寝かされ、両の手首を後ろでタオルできつく縛ら
れた菜月に達哉が覆い被さってくる。
 (そんなこと言いながら実は濡らしてるんだろ、菜月は?)
 (違……あ、いやっ!)
 スルリと制服のスカートの中に忍び込んできた手が愛液で湿ったショー
ツ越しに秘所を撫で上げる。敏感な部分をベトベトの布地で擦られ、思わ
ず恥ずかしい声を上げそうになってしまう。
 (ほら、やっぱりトロトロになってるじゃないか。)
 (そそ、それは汗……)
 (汗、ねぇ?)抜き取られた達哉の指は粘着性の透明な液体で濡れ光っ
ている。その匂いを嗅ぎながら加虐的な笑みを浮かべる達哉(これが菜月
の汗なのか。なぁ菜月?)
 (な、なに……?)
 (菜月の汗とやらで指が汚れたんだ。綺麗にしてくれないかな?)
 そう言いながらテラテラと蛍光灯の明かりを反射する指を菜月の口元へ
と近づけてくる達哉。発酵しかけの乳製品にも似た甘酸っぱい匂いが菜月
の鼻をつく。
 (汗なら、平気だよな? 菜月?)



 (あ……でも……えっと、それは……)
 汗だと言い張るつもりなら自分の愛液を舐め取らなければならない。愛
液だと白状することは、自分が拘束されて濡らしてしまうような女の子だ
と認めてしまうことになる。菜月の中で様々な思いが……
 (ほら、早くしろよ!)
 (う、うぅっ!)
 業を煮やした達哉が菜月の唇に無理矢理指を押し付けてくる。排泄器官
の直ぐ側から分泌された淫液が化粧もしていない生の唇に塗り付けられる
不快感で涙が溢れてくる。
 (汗なんだろ! だったらサッサと舐めろよっ!)
 (うぅっ、いや……ぁ、んぐぐぐぐっ!?)
 抵抗しようと開きかけた口を割って太い指が侵入してくる。たちまち嫌
な味と匂いが口の中いっぱいに広がってしまう。
 (どうだ、旨いだろ!?)
 (んーんっ、んーーーーーんっ!!)
 イヤイヤと首を振っても許しては貰えない。愛する達哉の指を噛むこと
も出来ず菜月はひたすら耐えるしかないのだ。
 (あぁ、くそっ! もう我慢できない!!)
 (え? あ、あぁっ!?)
 いきなり世界が反転した。力強い腕で持ち上げられた菜月の柔らかな体
は、有無を言わさずに引っ繰り返され今度は俯せにされてしまう。両手を
縛られ支えることが出来ない上半身の体重を一手に引き受けてしまった頭
がフカフカの枕の中に顎から沈み込む。
 (う、うわ凄ぇ……丸見えだ……)
 (うぅ………止めてよぉ、止めてよぉ………)
 臀部を引き上げ、スカートと捲り上げられると菜月の締まった下半身の
全てが露わになってしまう。逃げだそうにも顔を枕に押し付けられ太股を
掴まれた状態では芋虫のように這いずることすらままならない。
 (なんだよ。上の口で嫌だ嫌だ言ってる割には下の口はパックリ開いて
涎垂らして、ケツの穴までヒクヒクしてるぞ?)
 (い、言わないでぇ。もう許してぇ。)
 (なんだよ、もう我慢できないのか?)
 (こ、こんなのはヤだよぉ……もう許してよぉ……)



 (……ったく、しょうがないな。)
 (う、うぅぅ……)
 (わかったわかった。わかったから泣くなって、な?)
 (だって……だってぇ……!)
 (大丈夫だって。いますぐ、太くて固いの食わしてやるから。)
 (……え?)安堵しかけていた菜月の全身から血の気が引いてゆく(…
…そ、それっていったい………んああんっ!?)
 ズンッ、という擬音が聞こえてきそうな勢いと強引さで菜月の秘所が後
ろから貫かれる。本人の意志とは無関係に大量の愛液を分泌され綻んでい
た膣内は、限界まで膨張した達哉の欲望を何の苦もなく根本まで飲み込み
歓喜に震えながら締め付ける。
 (うわ、いつもよりキツくて……!)
 (うあっ、あぁっ、ああんっ!)
 キュウキュウと収縮した内壁全体が性感帯となり、その中を達哉の最も
太い部分が分け入り行き来するだけで高圧電流のような快感が全身を問答
無用で駆け抜けてゆく。私、こんな女の子じゃないのにと羞恥に震えれば
震えるほどに快楽が加速され、達哉に揺さぶられるばかりの菜月の頭の中
を真っ白に染め上げてしまう。
 (中に出すぞ、良いよな!)
 (え……あ、ちょ、ちょっと待って! 今日は駄目なの! 飲んであげ
るから中にだけは出さないで!!)
 (そ、そんなこと言ったって、もう……)
 (だめぇ! ホントに駄目! 赤ちゃん出来……あぁっ!?)
 菜月の最深部まで達した達哉の先端部が子宮口を無理矢理押し広げるよ
うに膨張する。それが男性器の射精前の最終段階を示すことを知らない菜
月ではない。
 (な………つきっ……!)
 どくん、と大きく脈打った肉棒が体内で一気に弾ける感触。
 (だめぇぇぇぇぇぇぇっ!!)
 絶叫も空しく、弾丸のように放たれた子種が次々と菜月の子宮内に注ぎ
込まれてゆく。これで取り返しの付かないことになってしまったのではな
いかという絶望感とは裏腹に、恋人に身も心も征服され染め上げられ彼の
子を宿すことが出来たかも知れないという満たされた想いが……



 「って違うでしょ! 未ぃ〜久っ!!」
 「あうっ!」
 「……………………はっ!?」
 ぺしっ、と知子が未久の頭を平手で叩く音で現実へと引き戻された菜月
の意識。僅か数十秒(数分?)の事とはいえ、目の前の下級生の生々しい
猥談に引き込まれてしまった自分が情けないというか恥ずかしい。
 (というか、この子って………?)
 仄かに嫌な予感が漂い始めていたりもするが、引き受けてしまった以上
は最後まで面倒を見てあげないと納得できないのが鷹見沢菜月という女の
子である。
 「こ、こうなったらトコトン付き合ってあげようじゃないのっ!」
 毒を食らわば皿まで……という訳でもないが、ひとり気合いを入れ直し
た菜月は、改めて目の前の下級生達に向かった。