5-655 名前: あけるり リース陵辱SS [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 14:10:06 ID:Jjhxl6qU

 リースが月から地球に密航するのは簡単だった。
 姿を消し、往還船に忍び込む。それだけだ。
 そして今、地球から月に向かう船に同じ方法で乗り込もうとしていた。
 月に帰る為ではない。
 物見の丘公園の塔―軌道重力トランスポーターで待つフィーナとタツヤを助ける為。
月側の軌道重力トランスポーターを起動させる為だ。
 その為に月に戻らなければならない。
 大使館側の宇宙港には1隻の往還船が準備してあった。駐在武官の任を解かれたカレンを送還する為のもの。
その開いたままのハッチに、姿を消して近付いていく。足音と気配も消して。
 大勢の黒服が配置され、物々しい警備だったが姿を消したリースに気付く者はいなかった。
どれだけ警備が厳重でも、気付かれなければどうということはない。
 船までもう少し、という所で。

「わうわうわう〜ん」

 唐突に聞き慣れた鳴き声がしてハッとしてしまう。
 振り向けば、三匹の犬がまっしぐらにこちらに駆けてきていた。
 朝霧家の三匹の犬―イタリアンズのような愛嬌のある犬ではない。鋭い体付きのドーベルマン。
宇宙港で使われている麻薬犬だ。もちろん人間の匂いだって嗅ぎ分ける。
それが三匹、「わう〜ん」とリースに向かって伸し掛かってきた。姿の見えないリースに。
「しまった!」と言った時にはもう遅かった。
「わふっ」「わんわん」「わうっ」
 三匹のドーベル犬は目を輝かせ、リースを上から押し倒してじゃれつく。
そう。訓練された麻薬犬がじゃれついているのだ。短い尻尾をぶんぶんと振り回している。
「は……はなせ〜っ」
 ばったりとうつ伏せに倒され、小さな体に三匹も犬に乗せられたリースはじたばたともがく。
「お、おい! 誰かいるぞ」
 その姿は黒服からも見えていた。じゃれつかれた拍子に透明化が解除されてしまったらしい。
「お、女の子!?」
 突然出現し、三匹の犬にじゃれつかれてるのはどう見ても金髪の女の子だった。それも可愛い。
いつものドレスではなく、ぴったりと体にフィットした黒い服と白いミニスカートを着ている。
こちらが彼女の本来の姿かもしれない。
 とりあえず不審者には違いない。
 犬の上からさらに黒服たちが伸し掛かり、小さな女の子を大勢で押し潰していった。
「は〜な〜せ〜!!」
 大勢の大人の男に乗られ、リースはきゅ〜と目を丸くしてしまう。
「わんわんわんわん」
 三匹の犬は甘えた様子でその可愛い顔をぺろぺろと舐めた。
「姿を消すぞ。今すぐ捕まえろ!」
 どうやらリースの情報は伝わっているらしい。
 すぐさまその手に手錠が掛けられ、脚にも掛けられる。体が小さいので脚でも大丈夫だった。
 そして犬をどかし、大勢の黒服持ち上げられた。まるで神輿のように。
「はなせ〜」
 こうしてリースは捕まった。犬のせいで。



「んんーっ!?」
 大使館内の取調室にリースは連れて来られた。
 そこで椅子に座らされ、さらに身体をがんじがらめに縄で縛り付けられる。
 両手は前に回され手錠を掛けられ、両足も手錠で繋がれ身動きできない。
 さらにその目に分厚い黒帯が巻きつけられ、視界も封じられる。姿を消すのを得意にする彼女が目が見えない状態にされていた。
 そうして真っ黒な世界でリースは椅子に座らされ、拘束されている。全裸で。
 そう。リースは全ての服を剥ぎ取られ、完全な裸体にされていた。
 今、彼女が身に着けているのは、手と足に掛けられた手錠と目を隠す黒帯と椅子に拘束する縄だけ。
 直接白い肌に触れる外気が彼女に裸にされた事を伝えてくれる。動かせるのは口だけ。
 相手は女の子とはいえ姿を消すのだ。他にどんな物を隠し持っているのか分からない。身包み剥ぐのは当然の行為だ。
多分に趣味も入ってるかもしれないが。

「さて」
 その前に座った黒服が早速尋問を開始する。リースからは声だけで見えないが。
「キミの名前は?」
「……」
 答えない。何か言えばそれだけで相手に情報を与える事になるから。
 この状態でも特に暴れる様子もなく、リースはじっと椅子に座っていた。もう暗闇にもなれた。裸にも。
「身元照会があったよ。リース、といったね」
「……」
 朝霧家から警察に届け出が出て、大使館に身元紹介があったのだろう。
 全く動ぜず、リースは唯一自由になる口を開こうともしない。
「単刀直入に聞くが。月からの密航者だな?」
「……」
 答えない。
 一端言葉を切って黒服はリースを改めてみた。
 軽くウェーブかかった金色の長い髪。可愛い顔は目線を黒帯で隠され、それはそれでそそるものがあった。
惜し気もなく晒された肌は白磁のように白く。まだ胸はほとんどぺったんこで淡く膨らんだだけ。
きゅっと閉じられた太股の奥、たて筋は毛も生えていない。
 まるで椅子に縛られた金髪人形のようで。いや人形そのものか。
「告白しよう」
 唐突に黒服が話題を変える。
「恥ずかしながら……勃起、しちゃいました」
 確かに黒服の股間は大きく膨らんでいる。リースには見えないが。
「……」
 また沈黙。今度は呆れているかもしれない。
 
 はぁはぁ

 閉じられた視界に荒い息が近付いてくるのが分かる。発情した男の興奮した呼吸。
だが初めて聞くリースは何だかよく分からない。
「可愛い……」
 本当にそう思う。これほど愛らしい女の子は地球、月の両方を通して初めて見た。
フィーナ姫も美しいが姫とはまた違った魅力。
 まるで金髪人形が生を受けて動き出したかのような女の子。
 犯したい。その欲望のままに黒服は突き動かされる。



 こつこつ、と足音がすぐ近くまで来る。
と、胸にひんやりとした感触。男の無骨な手が触れたのだ。
「ひゃっ……」
 思わず声が出てしまう。男の手の平が小さな胸を撫で回し、すぐに熱くなった。
でもリースの胸中は気持ち悪いだけ。
 胸を撫で回す手が、ピンクの乳首に触れてコネコネと撫で回していく。
「んっ」
 リースの眉がきゅっと曲がった。目隠しの奥で。

 視覚が封じられたせいだろうか、触覚は敏感のなっている。

 乳首を手の平の中心でこね回す動きまで、はっきりと感じられた。
「はっ……あう……」
 目隠しで表情は見えないが、白い頬に赤が混じる。縛られた足はもじもじと
擦り合っていた。
「感じてるのか?」
 ハァハァと荒い息で胸を撫でながら、男が尋ねてくる。
と聞かれてもリースには何の事か分からなかった。体に走るむず痒い緊張、胸の奥から疼く心地良さがそうなのだろうか。
「んっ」
 頭のモヤモヤを振り払うようにリースは首を振る。長い金髪を振り乱して。
「可愛い」
 その頭を抱き寄せ、男はちゅっと頬にキスする。
 ほっぺたに生暖かい濡れたモノが触れ、リースはビクッと小刻みに震えた。
 だがすぐに男の気配が顔から離れる。
 すると身体を椅子に縛り付けていた縄があっさりと外される。
「?」
 動かないでいると、カチャカチャと両足から音が鳴り、足の手錠も外された。
あとは両手を後ろ手に拘束する手錠と目隠しのみ。
「そら」
 ひょいっと男がリースを抱える。軽々と。
「どうするの?」
「犯す」
 正直に告げ、男はすぐにリースを降ろした。お尻の下に柔らかいものを感じ、優しく寝かせつけられる。
ベッドだろうとリースは思った。
 取調室にある粗末なベッド。それは主に女性を調べるのに使用される。そこにリースは寝かされた。
いやそれは取り調べというよりも、ただの性欲処理にしか過ぎない。
 ベッドの横でするすると布ずれの音がして、するっと何かが落ちる音が続く。
 男が黒服を脱いだのだ。リースからは見えないがパンツまで。
 そして男はリースの白い手を取り、己の股間まで導く。

 何やら生暖かいモノが手に握らされる。
 ピクピクと蠢く、棒状のモノ。

「ハァハァ。今、何を握ってるか分かるかい?」
「?」
 本気で分からない。
「お、おじさんのね、ちんこだよ」
 ぽいっと離した。
 白い手が離したちんこがプラプラと揺れる。勃起した天井を向く男根が。
「さ、さあ。ここでいいことしようね」
 そして男はガバッとリースに覆い被さっていく。
 目隠しと手錠をかけられた金髪の少女に。



「んっ」
 小柄な全身を男の臭い体臭と感触で覆われ、リースはぎっと唇を噛んだ。
目隠しで表情はよく見えないが怯えた様子は無い。
 リースの小さな体を覆うように抱きしめ、男はすりすりと白い肌に己の肌を擦り付けていく。
白い肌はすべすべで、まるで滑るようで。
 そして金色の頭を抱き、鼻を突っ込んで大きく香りを吸い込んだ。
 ほわ〜んと花の蜜のような甘い香りが漂う。少女の甘い香り。
「……」
 男の腕の中で、リースはただされるがまま、嫌な匂いと感触に耐えていた。
 諦めたわけではない。まだ。まだ動くには早い。
 無骨な手が金色の髪を撫でていく。
 汚い。あとでよく髪を洗おう。

 ハァハァ

 真っ暗闇の中、耳に聞こえるのは男の荒い息のみ。
 その息が近付いてくる。
「!?」
 不意に口がぬちょっと塞がれた。濡れた何か。汚れ、荒らしい感じ。
 男の唇が自分の唇にキスしたと気付いたのは、男が口を離してからだ。
「キスは初めてか?」
「……」
 リースは何も言わない。その口にまた汚らしいモノが押し付けられる。
 そして今度はもっとヌメッとした濡れたナニかが、小さな唇を割って口腔に押し込まれた。
「んっ……」
 舌だ。ほんの先端しか入らなかったが。それが小さなリースの中を蹂躙する。
 一瞬舌を噛み切ろうと思ったがやめておいた。口の中が血まみれになる。
 そうとは知らない男は、捻じ込んだ舌の先端でべちょべちょと前歯を舐めていく。

 ―汚い。

 あとでちゃんと歯も磨こうとリースは思った。それ以上は何も思い付かない。
「はぁはぁ」
 ぬちょっとした感触が口の中から出て行く。臭い息を残して離れていく。
 だがまだ体からは離れない。
 ちゅっ、と首筋が吸われた。ちゅくちゅくと唇を押し付け、白い首筋に赤い痕を残していく。リースからは見えないが。

 ああ、首も洗わないと。

 ふとリースは朝霧家のお風呂を思い出した。
 月とは違い、水をふんだんに使えるお風呂は珍しい。
 またあそこに戻れるだろうか。そんなことをぼんやりと考える。裸体を蹂躙されながら。

 首にキスマークを刻んだ男がさらに首を下げ、平らな胸へと口を付ける。
先端の、ピンクに輝く蕾へ。その乳首はまだへこんだままだった。
「ひゃっ!?」
 ぬるっとした唇を胸の先端に触れられ、リースはビリリッと背筋を震わせた。
 自分でもよく分からない甘い感覚で。
 やはり目隠しのせいか敏感になっているのか。それは本人にも分からない。
 そのへこんだままの乳首を口に含んでちゅうちゅうと吸いながら、男はもう一方も手の平でまさぐっていった。



「んっ……あっ……う……」
 男の舌が、手が、乳首を転がす度に、リースは無意識に甘い喘ぎを漏らして、小刻みに震えていた。
 小さな乳首がぬちょっとした舌で舐められ、無骨な手がつねって形を変える。
暗闇の世界でリースは、胸へ与えられる刺激をはっきりと感じていた。
「……くっ……うぅ……はっ……」
 徐々に吐息が熱く甘くなっていく。すりすりと太股がすり合わされる。自身の変化も、
混濁する頭ではっきりと認識していた。
そしてぽっきりと勃起する乳首も。
 と、男が胸からぱっと顔を離す。そして両手を上から押し付けてきた。
「つっ……!」
 小さな胸がぐにゅっと潰され、今度は痛みに唇を噛む。痛覚も敏感になっているようだ。
「くっ……んっ……」
 ただでさえ小さな胸が上から圧迫され潰れ、背中がベッドに押し潰され、リースはギリリと背筋を鳴らして痛みに耐えた。
まだ幼い少女がぐっと歯を食い縛って痛みに耐える姿に、男は例えようも無い興奮を覚え、
ハァハァと荒く息を吐く口からこぼれたよだれがリースの頬にかかる。
「あが……あぁ……」
 胸が圧迫され、息が苦しくなる……。ボウッと頭が霞んだら不意に圧迫感が消えた。
「ハー。ハー」
 目隠しされた顔を赤くして、大きく息を吸うリースを、男は上から感激の眼差しで見ていた。

 こんな小さな可愛い子が、自分の愛撫で感じ、暴力で痛がる。その様子が嬉しくてたまらないのだ。

 例え勢い余って殺してしまったとしても。

 ギラギラと狂気に彩られた瞳を下半身へと向ける。
 ほっそりとした腰に小枝のような白い脚。そしてすっと一本通った筋。
 そのたて筋に指を伸ばすとアッと小さな声を漏らした。
 こんな小さな体でも身体はきちんと反応する。男はニタっと笑い、細い太股を掴んだ。
肉の全くない太股を撫で、そのまま左右に広げる。全く抵抗なく脚が開き、桃色の園が晒された。
鼻を寄せるとツンとションベン臭いアンモニアの匂いがする。
「あー……可愛い子にはやっぱり可愛いなぁ」
「……」
 体の中心に視線をしっかり感じながら、目隠しされたリースはじっと動かないでいた。
おしっこする所を見て何が楽しいんだろう? そう思いながら。
 ちゅるっ、とそのおしっこする場所に男の舌が触れる。
「ひゃっ!?」
 途端、ビリッと電気が走り、リースは小さなお尻を上げて震わせた。
 男も顔を上げ、太股からお尻に手を移してしっかり掴み、リースの股間に顔を埋めて舐めていく。
「やだっ……んぅ…………」
 びちゃ、びちゃ、と舌がたて筋を舐める度、リースのお尻がぴくっと震え、小刻みに振動していった。
「あっ……あ……ア……ダメ……」
 おしっこしたくなるようなむず痒い気持ち。それよりも何百倍も強い刺激に、小さな体がゆらゆらと揺れていく。



「ん……」
 きゅっと結んだ唇から、どうしても甘い吐息が出てしまう。

 どうしてだろう?
 どうして、あそこを舐められただけでこんなにヘンな気持ちになっちゃうのか。

 ただ分からないまま、リースは目隠しされた顔を上気して、未知の快楽に弄ばれていく。
 顔を股間に当てた男は内側からおしっこくさい液が漏れてるのを感じていた。
 おしっこではない。リースの蜜液。 それを。ちゅー、と口を広げて吸う。
「んあっ!?」
 目隠しされた顔を仰け反らせ、さらに背筋が仰け反った。体の下の後ろ手に拘束した手錠がカチャカチャなる。
「あっ……はぁ……」
 急激にお腹の奥が熱くなるのを感じ、リースの頭に初めて恐怖が浮かんだ。
 未知の快感への恐怖。これ以上されたら……
「へんに……なっちゃう……」
と、男が股間から顔を上げる。リースが快感を認識するとすぐに離れるように。
「はぁー……ああっ」
 快楽から解放されたリースが安堵の息をつく。
 その股間に男が剛棒を突き出しているとも知らず。
 限界まで勃起し天を向く男のシンボル。手で先端を幼い秘所げと向けさせる。
唾液と蜜液で濡れた淫核。だがそこはあまりに小さい。

 ゆっくりと小さな脚の間を男の腰が割り込み―
 ビシッ、とかち割るように棒の先端が少女の肉に突き刺さった。
「ひぎっ…!」
 股間に何かが突き刺さったかと思うと、脳天まで一気に激痛が駆け抜けていく。
「ひぎいいいいいいいぃぃぃぃーっ!!!」
 一瞬で股間が真っ赤に染まる。肉の凶器が幼い割れ目に突き刺さり、肉を貫いた証。
「あがぁぁぁーっ! があああああぁぁぁーっ!!!」
 それまで大人しかったリースがバタンバタンとベッドの上で飛び跳ねる。
 目隠しされた瞳からは涙が溢れていた。その悶絶する様にさらに興奮し、男は腰を強く打ちつけた。
「ひぎゃあああーっ!」
 ミシッ、と幼い秘肉が裂かれ血を噴き出し、男の欲望がずっしりと膣に埋まっていった。
痛々しいほどに割れ目が裂かれ、穴からは鮮血が白い脚とシーツを染めていき。
それでも男のモノは半分も入っていない。だがリースには何か刃物で突き刺されたかのような激痛だった。
実際、目隠しされた彼女は、何か刃物で股間を刺されたかと思った。痛みで麻痺する頭で。
「ぎゃああああーっ! アアアアーっ!!!」
 男の体の下で、可愛らしい少女がゆらゆらと身を揺らし、悶絶する。長い金髪が乱れ、ベッドに広がった。
その動きがまた突き刺さった男の分身に刺激を与えていく。
 挿入は浅いが、先端だけでもぎゅうぎゅうと締め付けられ、それなりに心地よかった。
そして何より苦痛に苦しみ悶絶するリース。あの人形のように大人しかった少女が、
ここまで痛がってくれるだけで大いに満足だった。
 もっとだ。もっと痛がっておくれ。



 ズン! とお尻を掴んだ男が腰をさらに叩きつける。
「ぎゃあああああああーーーーーーーっ!!!」
 内側からの激痛に背中を限界まで仰け反らせ、リースは目隠しされた目から滂沱を溢れさせていった。
 そして下半身は血に染まり。
「ああっ……アガァ………はぁ……」
 ガクンッと不意にリースが脱力する。同時、男はぴゅるっと膣内で果てた。

 どぴゅぴゅぴゅ

 射精の強さに勢い余って浅く挿入していた膣かたイチモツが抜けてしまう。
そのまま先端から放たれた精液がリースのお腹、そして可愛らしい顔にまで飛び散っていった……。
「あ……あうぅ……」
 顔に熱い液体を感じ、リースは意識を手放した……。

「ふー」
 リースの小さな体に射精し尽した男は、会心の笑みを浮かべ、穢した少女を見下ろす。
 目隠しされた顔は涙と精液でグチャグチャに濡れ、小さな体も汗と白濁液で汚れている。
そして股間から溢れた血が下半身を染めていた。
「……」
 ぽかんと開いた口からはもう何も聞こえない。悲鳴も鳴き声も。

 だが、まだ男の肉棒はそそり立ったまま。一度の射精では満足できず、なおもリースの幼い肢体を求めていた。
 今度はどこに射精しようか……。そう思っていると。
「ね、ねえお願い」
 不意にぐったりしていたリースが口を開く。
「もっとしてあげる。私の体全部で」
 幼くも、甘ったるい声で呼びかけてくる。
「だから、お願い。手でしたいの。自由にして」
「うん?」
 確かにリースの白い手は気持ち良さそうだ。
「ああ。いいよ」
 男は言われるまま、鍵を持ってリースの手錠を外してやる。そして目隠しも取った。
涙で濡れた瞳は赤かった。
もう抵抗しないと思ったからだ。
「ふふ……ありがとう」
 ベッドの上でリースは妖艶に笑い、精液で汚れた身で手を伸ばす。赤い瞳で。
その仕草は幼い容姿に似合わず色っぽく。
「さあ来て。あなあたのモノ、もっとちょうだい」
 ごく、と男は生唾を飲み込み、誘われるままちんこを差し出した。
「ふふ。うれしぃ……」
 勃起したちんこをリースは愛らしいように両手でそっと包み、
「えいっ」
 ぐにっと横にひねった。

 …

「ぎゃあああああああーっ!!!」
 一呼吸の後、ちんこをへし折られた男はばたっと後ろ向きに倒れる。口からぶくぶくと泡を吹き出して。
「ふん。汚らわしい」



 ぺっ、ぺっと手を払って、フィアッカはベッドから降りた。内股が痛い。
そしてリースの体を見下ろし、
「すまんのリース」
 この体はあくまで借り物。それを穢されてしまった。
 だが今は悔いている場合ではない。どうしても月に行かなければならないのだ。
「急がねば」
 取調室にあった自分の服を着て、リース=フィアッカはすぐに部屋を出る。姿を消して。

 宇宙港の一室にある犬舎。そこに繋がれた三匹の犬が不意に顔を挙げ、ワンワンと鳴きだす。
嬉しそうに。尻尾まで振って。
 だがその先には誰もいない。ただ葉っぱが舞っているだけ。
 姿は見えないが、そこにはリースがいた。その匂いに犬は嬉しそうに鳴いているのだ。
精液と血の匂いもするがリースの甘い香りは消せやしない。
 リースが手を振ると、中に舞っていた葉っぱがギュンと回転して飛んでいく。

 リースの、はっぱカッターだ!

「きゃいいーーーーーん!」
 鋭い刃のような葉っぱが、三匹の犬の首を刈り、脚を切り飛ばしていく。

 こうかは、ばつぐんだ!

「よし」
 姿を消したリースが背中を向ける。そこには犬の死骸しかなかった。

 港に戻ると幸い船は出発していなかった。
 開いたままの入り口から入ろうとすると、不意に殺気を感じる。
「何者!?」
 刀を手にしたカレンが入り口から飛び出してきた。その刀は赤く濡れている。
「ワタシ」
 姿を消したまま、リースが言う。
「そうか……」
 姿を消した相手、といえばカレンには一人しか思い当たらない。
「「これからどうするつもりだ?」
「月に行く」
 カレンの問いにリースは正直に答えた。
「何の為に?」
「フィーナと……タツヤのため」
「そうか」
 さっとカレンは道を開ける。何故かその言葉は信用できた。あの二人の為なら邪魔する理由は無い。
「フィーナ様は今どこに」
「公園の塔。その中にいる」
「感謝する」
 それだけ聞けば十分だ。
「どうするつもり?」
 今度はリースが訊ねる。
「フィーナ様をお助けする」
 そう。それが自分の使命。変わることない忠誠。
「ご武運を」
「そっちも」
 刀を手にしたカレンが船を降り、代わりに姿を消したリースが乗り込む。
 そしてカレンは大使館へと向かっていった。



 自分を辱めた職員達を皆殺しにする為に。
 それからフィーナ姫と達哉を助ける為に。

 その後、起動した軌道重力トランスポーターによりフィーナと達哉は月に行き、国王と貴族達を説得し、地球との交流を促進し、さらに婚約も認めさせる。
それが為せたのもフィーナと達哉の努力と信頼、そして二人を助ける為に尽力したカレンとリースの助けがあったっればこそだ。
 だがフィーナも達哉も知らない。自分たちを助ける為にカレンとリースがどれだけ悲惨な目に遭ったか。
それを知る必要はないとカレンもリースも思っていた。だから二人とも何も話さなかった。

 それから三ヵ月後。
 カレンとリースは自分が妊娠していることに気付いた。