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名前: フィーナ・遠くの彼を想って(1/2) [sage] 投稿日: 2006/11/26(日) 17:13:19 ID:/WByPbYI
今日も王宮の一室にこもって政務に心血を注ぎ、一日が終わった。
明日も朝が早い。パジャマに着替え、大きな星、彼のいる地球を見上げてから
ベッドに入ろうとした。
でも寝る前に、しなければどうしても収まらないことがある。
机に立てていた写真立てを手に取り、ベッドに置く。
「……達哉」
写真立てでほほえんでいる彼の名を呼び、私はショーツを脱ぐ。ベッドにあがっ
てぺたりと腰を降ろし、膝を立てて開く。彼以外、誰にも見せたことのない秘唇を
写真に向けて、ゆっくりとなぞりはじめる。
「は、ふ、ふぅ……んあっ、ハアァ……」
床に就く前、達哉に見てもらいながらのオナニーが私の「日課」になってしまっ
た。いけないと思いつつも指を遣ってしまう。彼を慕う気持ち、愛する気持ち、
そして、愛してもらいたい昂りが抑えられないから。
そっと触れるだけで、ピリッと快美な電流が陰部から全身に駆けめぐる。こん
なに敏感になったのは、達哉に抱かれたせい。達哉がたっぷりと愛撫したから、
私の体は淫らになってしまった。
ううん。違うわ。きっと、私はもともと淫らだった。それを達哉が教えてくれ
ただけのこと。
でも恥じ入ることはない。女はみんな、淫ら。女は誰でも、唯一無二のパート
ナー、すべてを委ねられる、愛する男と出会って体を重ねるようになれば淫らに
なる。愛する男に抱かれる悦びを知ってしまったら、そうなるのが自然なの。
とろとろと、二枚の襞のあいだから蜜があふれている。シーツが濡れるのも、
どうでもいいこと。だってこれは私の性器が悦んでいる印。男を受け入れるため、
滑りをよくするために分泌しているのだから。
ああ、でも、今ここに達哉はいない。せっかく受け入れ準備が整っても、入って
くるモノがないのだ。
寂しさに、涙があふれてくる。
このベッドの上以外で、私は泣かない。婚約を認められたとはいえ今はまだ
達哉と離ればなれ。昼にも時折り寂しさを覚えることはあるが、それは却って私に
活を入れてくれる。寂しさを覚えるくらいなら、さっさとやるべきことをやって、
彼に対して胸を張れるようになれと。だから私が涙をこぼすことはない。
だけど夜になって、写真のなかにいる達哉を前にして、達哉本人を欲しくて
たまらなくなる今だけは、涙がとまらなくなる。
寂しさを紛らわせるべく、達哉を想う心を満たすべく、私は指を蠢かせる。準備
の整った膣穴に指を差し入れ、動かす。
「は、はっ、はあっ……ん、んあああぁ」
まるでここだけ別の生き物のように妖しく蠕動し、指を締めつける性器。そうだ。
達哉も、「よく締まる、名器だ」って言ってた。誉め言葉なのだろうけど言われる
私は恥ずかしくてたまらず、そうしたらますます締まって達哉は呻いていた。
穴に出入りしているのは、なんて細い指なんだろう。達哉が「綺麗」と誉めて
くれた、自分でも誇れる指。でも、綺麗なことが今はまったく意味をなさない。
締まってくる膣襞をこすって気持ちよくなれるけど、でも、物足りなさにまた
涙が出そうになってくる。
達哉のペニスは、太くて長い。半分ほど入っただけで、腰から下が圧迫感に
襲われて快感だけでなく苦しみまで感じた。もっと入ってくると、お腹まで突き
破られるのではないかと錯覚するくらい。
そんな偉大なモノに私の指が勝てるはずがない。何本まとめて入れたところで、
しょせんは指。私の指。
だから、膣で指を往復させながら、クリを撫でる。こ、ここも感じる。こんなに
感じる。ここならば優しい自分の愛撫でまかなえる。
ぷっくりふくれたクリトリスで私は自分を慰め、彼を想いながら、彼のいるとこ
ろへ飛んでいこうとする。
「んっ、ひゃ、アアッ! も、もうすぐ、ね、ねえ達哉、見えてるわよね。わ、
私、あなたが、あなたを愛して……だから今日も、ね、ね、んっああぁ……あふぅ」
視界が真っ白になってきた。光のなかに達哉がいる。達哉はほほえんで、私の
すべてを見守っている。
「んんんーっ、あっ、アッ、ああアアァぁーッ」
光もなにもかも吹き飛ばす鮮烈な快感がクリトリスから全身にひろがって、
私はイッた。
痙攣した全身から力が抜けて、くたりとベッドであお向けになり、彼に抱かれる
夢を運んできた睡魔に身を委ね、沈んでいく。ああ、達哉が来てくれた。抱いて、
私を。私は、あなたといっしょになれる大切な夜を過ごしたいから……。