5-492 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 19:20:29 ID:w1iXUbrN

 作りかけだったお味噌汁を土鍋に移して、火に掛ける。
 「はい、えっと直……じゃなくって兄が熱を出しちゃいまして……」
 そこに御飯を加え、お玉で溶かすように解してゆく。
 「はい……はい。いえ、二人とも仕事で……はい、だから私が看病してあげ
ない駄目なんで……はい……」
 程よく火が通り、御飯が軟らかく煮えた辺りで味見を。
 「……って辛っ! じゃなくって、とりあえず今日は……はい……えっと、
担任は確か……野乃原先生で、はい。はい。」
 煮詰めた所為で味が濃くなってしまったようだ。仕方がないので水を足し
て、お醤油で味を調えることにする。
 「……はい、よろしくお願い押しますっ。」
 ぴっ、と電話を切って卵を……
 「………お前、学校は………ごほ……どうしたんだよ……?」
 「ぅわぁっ!?」



 「直樹、寝てなきゃ駄目でしょー!」
 「ごほごほっ、便所だ便所。それよりお前、もしかして休むつも……」
 茉理は火を止め、身長も体重も自分を上回っている従兄を問答無用で部屋へ
と押し返してゆく。普段通り先に起きて朝食の準備をしていた彼女は、そのお
陰で直樹の異変にいち早く気付くことが出来た。
 「学校よりも直樹の方が大事に決まってるでしょ。いま、お粥作ってあげる
から大人しく寝ててよぉ!」
 「だけどお前……」
 「病人は余計なことに気を遣わなくていーのっ! 御飯食べたらお薬飲んで、
一緒にお医者さんに看てもらいに行くんだからフラフラ歩き回って余計な体力
使わないでないでったらぁ!」
 「わ、わかったわかった! わかったから押すなって……」
 「わかってないから大人しく出来ないんでしょー! 風邪は引きはじめが一
番大切なんだから無理は駄目! はいお布団、体温計。すぐに戻るから今度こ
そちゃんと待っててよ?」
 ぱふぱふ、と掛け布団まで整えた茉理が子供を叱る母親(この場合は英理?)
みたいに『めっ!』と念を押してからパタパタと忙しそうな足音と共に台所へ
と戻ってゆく。
 「ってゆーか、あれじゃ保奈美だ……」
 とは言え誰かに心配して貰えるというのは決して悪いことではない。直樹は
決してまんざらでもない表情で目を閉じた。



 「んでもって、やっぱりこういうオチか……」
 出来たての豆腐入り味噌卵粥をお約束通り『あ〜〜ん』と一サジずつ食べさ
せ、恥ずかしがってる直樹にぶら下がるようにして病院まで付き添い、寝汗を
かいた体を丁寧に拭き、直樹が寝付くまで手を握り寄り添っていた茉理は夕方
近くになって直樹が目を覚ましても尚、看病疲れで眠ったままだった。
 「ん〜ん……なおきぃ……」
 布団の上から直樹に覆い被さるようにして眠っている茉理の顔には穏やかな
笑みが浮かんでいる。
 「暢気な奴……っていうわけでもない、か……」
 考えてみれば茉理自身が不治の病から奇跡の生還を遂げたその人である。側
に誰かが居て元気づけてくれる。ただそれだけの事が病人にとってどれだけ大
きな支えになるのかをよく知っているのだろう。そして、一人で病魔と闘い続
ける辛さも……
 「おい、茉理?」眠っているとは思えないほど強い力で繋がった手を揺すっ
てみる「起きろって。今度はお前の方が風邪ひいちまうぞ?」
 「ん……ん〜〜?」
 「『ん〜ん』じゃねぇって。ほら!」
 「………あ、あれ? あれあれ?」
 「疲れてるんだったら、少し部屋で休んでこいよ。これじゃどっちが病人だ
かわからりゃしないだろ。」
 「……なお……き?」
 「おうよ。」
 「も、もう起きあがって平気なの? 熱は? 頭痛は? 吐き気とか怠さと
か我慢してない? そうだ、何か飲むもの…………きゃっ!?」
 「もう大丈夫だから落ち付けって。」従妹の小さな頭を両手で包んで持ち上
げ、額同士を触れ合わせる直樹「ほら、もう熱なんてないだろ?」



 「う、うん……」
 「専属の可愛い看護師さんが一生懸命頑張ってくれたからな。すっかり良く
なったよ。」
 そもそもが大騒ぎをするほどの風邪ではなく、直樹の若さと体力を以てすれ
ば半日程度大人しくしていれば勝手に治る程度の病だったのだが、ここは茉理
の努力のお陰と言うことにしておこうと思う直樹。大袈裟で一方的な介護では
あったが、こんなに尽くしてくれる女の子が居るということが嬉しいのだ。
 「そ、そっかぁ………えへへへっ♪」
 ぎゅっ、と心から幸せそうな笑顔で首に抱きつく茉理。そのままスリスリと
頬を摺り合わせて子犬みたいに喜びを表現する。
 「って、あんまりくっつくなよ。汗臭いだろ?」
 「へーき! 直樹の匂い大好きだし、後で綺麗に拭いてあげるもん。」
 とベッドの上に乗り、冬用の掛け布団越しに覆い被さって全身を押し付けて
くる年下の彼女。言葉よりも先に体で自分を表現するタイプである茉理らしい
行動である。
 「そ、そーじゃなくってだな……」
 「でも、まだお風呂は駄目だよ。それから晩ご飯も柔らかい物限定ね。鍋焼
きうどんとかどうかな?」
 反面、人の話を余り聞かない性格でもあったりする訳だが。



 「だ、だから……」
 「ご飯食べたら、もっかいお布団替えたげるね。それと……………あ。」
 「あ………………」
 「………………………………」
 「………………………………」
 「………………………………」
 「………………………………」
 「…………なおきー?」と一オクターブ低くなる声「なに、これ?」
 「な、なにって……ナニだったりしちゃったりしたりする訳んだが……」
 「………………………………」
 「その、あれだ。生命の危機に臨んだ際に発動する種の保存の本能のなせる
技っつーか、朝立ちのバリエーションモデルの一つっつーか、感謝の気持ちが
より深い愛情に昇華した結果っつーか、要するに茉理が魅力的だから……」
 「な……なんなのよその親父ギャグチックな見苦しい言い訳の羅列はぁぁぁ
ぁぁっ!?」
 「だから力一杯握るな、潰れる! 潰れるって!!」
 「もんどーむようーっ! 直樹のドスケベぇぇぇぇぇぇっ!!」
 
 (……10分経過……)

 「全然収まりそうにないじゃない! なんとかしなさいよっ!!」
 「ンなこと言われても、こればっかりはなぁ……」
 直樹にとって至高の性欲処理対象が目の前にいるのだ。その茉理の視線を感
じながら……と言われてもどだい無理な相談である。
 「じ、自分の体の一部でしょ? 気合いで何とかしなさいよ!」



 「といわれても……やっぱ一回抜くしか……」
 「却下」文字通りの問答無用「病み上がりで体力無いのに、そんなことして
良いわけないでしょ。確か男の子って、その……あれ……すると、ものすごく
疲れるって……」
 「そりゃ、まぁ、自分ですれば確かに………」
 「…………………………」
 「…………………………」
 「…………………………」
 「…………………茉理さ……」
 「却下」これまた一刀両断「いまの直樹の精………体の中に入ったりしたら
風邪がうつっちゃうもん。絶対にヤダ!」
 「じゃあ胸………は茉理には無あだだだだだっ! だから痛いって折れるっ
て潰れるってっ!!」
 「ど、どーせ保奈美さんほど立派じゃありませんよーだっ!」
 「わるかった、俺が悪かったから機嫌直してくれって! というか何処から
保奈美が出て………」と言いながら従妹にも出来そうな非挿入型プレイを頭の
中のデータベースから引っ張り出す直樹「……って言っても本番もフェラもパ
イズリ駄目だったら、あとは手コキしか………………あ!」
 「?」と怪訝そうに眉を潜める茉理。
 「茉理……さん、ちょほいとお耳を拝借できないかと?」
 「なによ!?」
 「実は茉理にも出来……じゃなくて茉理にしか頼めない方法を思いついたん
で、ちょっとお願いしてみよーかな、と。」
 「?」



 「うほっ♪」
 「って、変な声出さないでよっ!」
 以前から女性用下着の手触り良さは知っていた。が、直前まで少女の一番大
切な部分を覆っていて、汗と体温を吸収している薄くてサラサラした布地がパン
パンに膨れて敏感になっている亀頭に被さった瞬間、直樹は余りの快感に珍妙な
声を上げてしまった。
 「こ、こんなのが本当に気持ちいいの……?」
 縞々のニーソックス以外の全て脱ぎ捨て、ベッドの中に潜り込んだ茉理が掛け
布団の中から顔だけを出して恥ずかしそうに尋ねる。茉理の細い指は彼女自身が
身につけていたライトグリーンのショーツでくるまれた直樹の剛直をソフトなタ
ッチで愛撫している。
 「正直言って………想像以上だ。」
 「そ、そう?」
 「人肌で暖まったサラサラの下着が、なんともこう……うおっ!」
 「ほ〜れ、ほれほれほれ♪ 女の子の肌着は直樹が想像してるより、ずっと、
ずぅ〜っと高くて大事な物なんだからね? ありがたぁ〜く感じなさいよね?」
 自分の力加減一つで翻弄される直樹を見ていると、なんだか自分の方が偉くな
ったような気がしてくる茉理。意図的に緩急を付けて何処か楽しげに直樹を責め
立てる。
 「そりゃ茉理が履いてたって思うだけで興奮するってのに、真ん中の辺りに妙
なヌメヌメが付いてて……お前、もしかして俺の見て濡らいだだだだっ!?」
 「直樹の宝物は、この茉理ちゃんの手の内なんだからね〜? 変な事ばっかり
言ってるとどうなっても知らないよぉ〜?」



 「うう、すいま……あうっ!」と年下の少女の初めての手淫で圧倒されっぱ
なしの直樹「……な、なぁ茉理?」
 「ん?」
 「その、胸を……」
 「胸って、 私の胸?」
 「ちょ、ちょっとだけ舐め………うぐぐぐっ!」
 「えー、どしよっかなー?」茉理、得意げ「さっき、直樹の言葉ですごぉ〜く
傷つけられちゃったし、いくら直樹が病み上がりだからって、あんまり素直にハ
イハイ言う事聞いてたら、ますます増長されそうだしぃ〜?」
 増長してるのはお前だろ、しかも現在進行形で! とは間違っても言えない状
態の直樹。
 「………ら、ラフレシアのケーキセットで……」
 「プラス、ケーキ四つ!」
 「プラス二個、それで充分だろ。そんなに喰ったら太………のわわわっ!?」
 「ノーノー。四つね、二足す二で、四つ。」
 「た、頼むから二つで……」
 「思ったより強情だなぁ。じゃ、紅茶のお代わりで交渉成立ね?」
 よいしょっと、と茉理が身を乗り出すと直樹の目の前に美味しそうな胸が、若
々しく綺麗なお椀型張ったBカップが差し出される。その頂点にチョンと据えら
れた苺色の突起は、これから与えられる恋人からの愛撫を期待してか、ぷっくら
と遠慮がちに膨らんでいる。
 「はぃ直樹ちゃん、ママのおっぱいでちゅよ〜?」
 そんな言葉も何処吹く風。目の前でプルプルと揺れる女性の象徴に、直樹は子
供のように吸い付いた。



 「ちょ……やん! 直樹ってば、くすぐったいよ〜♪」
 言葉と裏腹に、茉理が直樹が吸いやすいようにと体の位置を微調整して自ら大
事な器官を捧げる。彼女の中で性的な興奮と母性本能とが混ざり合い、両者の唯
一の合意点である『尽くしてあげたい』という想いが少女を献身的な性交へと駆
り立てているのだ。
 「ん、ちゅ、ちゅぅ〜!」
 「直樹、直樹っ。そんなに吸ってもオッパイなんか出ないって! ちょっと直
樹聞いてる? あんもぅ、強すぎるよぉ!」
 ムードも快感もない単純で単調な吸引。ところ構わず強引に吸い付かれている
茉理の表情は、いつの間にか大人の女性を思わせる幸せそうな微笑みに変わりつ
つあった。
 「もう直樹ってば……ホントに赤ちゃんみたい……」
 まだ発育途中の乳房を乳首を夢中になって吸い続ける従兄の頭を見下ろしなが
ら、茉理は右手の上下運度を加速して更なる快楽を流し込んでゆく。ショーツ越
しでも指に伝わる痙攣と亀頭の膨張で、直樹の限界が近いことが判るのだ。
 「いっぱい出して、良いからね?」
 優しい声に応えは無い。だが次の瞬間、茉理の手の中で直樹が跳ね上がって……
 「んぐっ! ちゅ、ちゅぅ〜〜〜!!」」
 「ふぁ……あ……!」
 どくん、どくんと脈打ちながら、直樹は体内の欲望の全てを茉理の下着の内側
へと解き放った。



 「あ……ちひろぉ〜っ♪」
 明くる日の閉門間近。待っていた直樹と腕を組んだまま、残った片手をぶんぶん
振り回し親友の背中に呼びかける茉理。
 「茉理……と久住先輩。二人とも、もうお加減は宜しいんですか?」
 「ま、なぁ、ね……」
 「そりゃあ、この茉理ちゃんの大大だぁ〜ぃサービスセラピーを受けたんだから
身も心もスッキリ全快だよね、直樹?」
 「……ついでに財布の中身もな……」
 「はい? 久住先輩、いまなんて……
 「いいのいいの、ちひろが気にするような事じゃないから。あ、そうだ! 良か
ったら、ちひろも一緒に来ない?」
 「え? でも、デートじゃ……?」
 「違う違う。今日は直樹の奢りで全快祝いなんだ♪ だから、ちひろにも喜んで
御馳走しちゃうよ………………直樹が。」
 「え? えぇ!? でも、そんな、久住先輩が………」
 「そんなこと全然ないよ、ねぇ直樹?」
 「あ、ああ………」
 「で、でも……」
 「良いから良いから。ほら、れっつごぉ〜♪」
 その日、「病欠」で体育の授業を見学した渋垣茉理嬢の胸元には、ブラで隠しき
れない絆創膏が幾つも貼ってあったそうな……