2-527 名前: リースぐちょぐちょSS [sage] 投稿日: 2006/10/19(木) 00:10:44 ID:MXbdBQuo

「リース。なんでこんなにぐちょぐちょになったんだ」

 ぐちょぐちょというよりもドロドロの状態を見せられ、達哉は呆れ顔。

「知らない」

 蚊の鳴くような声で言うリースの顔は、紅を塗ったかのように真っ赤だ。

「この穴、ふさがないといけないな」
「だめ」

 ここまでなってなお我を張ろうとする金髪少女に、達哉はため息。

「でも、このままじゃどうしようもないだろ。うまくいかないぞ」

 じっと見つめられて、リースは目線をあさっての方向へ。

「それとも、日を改めてやりなおすか」
「……今がいい」
「じゃあ、俺に任せるんだ。いいな」

 リースが小さくうなずいたのを確認してから、達哉はぐちょぐちょのモノへ手を伸ばしていった。

 …
 ……

 まな板の上でドロドロになっていた生地を丸めて、油に落とす。
 ジュッ。
 穴のなくなった固まりが、きつね色になっていく。

「ドーナツを作るんだったら、生地をもっと固めに練らないと駄目だって。ま、これでも揚げれば食べられるものにはなるけどさ」
「知らない。初めてだし」
「もうちょっと人の言うことを聞いて作れよな」

 ぷいっと横を向いたままのリースに、達哉は胸の奥から大きなため息を吐きだした。