0-172 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 05/02/23 19:05:23 ID:nrxpo+Yw

直樹「はぁー……」
祐介と融合したことで過去の記憶を取り戻した直樹。
だが戻って来ないものもある。それは両親……。

保奈美「やっぱり寂しいんでしょ?私にだったらいくらでも甘えてくれていいんだよ?」
直樹「ありがとな、保奈美。その気持ちは嬉しいんだが、違うんだ……」
確かに保奈美は母性本能の塊とも言えよう。
しかしそれは自分の求めている色とは違う。
そう、今や彼女でもある保奈美であっても満たすことのできない部分。

英理「あらあら直樹君ったら、保奈美ちゃんに甘えちゃって」
保奈美「あっ、おばさま。お邪魔してます」
直樹「別に俺は甘えてるわけじゃ……こいつが無理矢理」
英理「まあまあいいじゃないの。私も若い頃を思い出すわ……ゆっくりしてってね」
その一言に直樹は英理の若かりし頃を想像する。
茉理とは違い、保奈美に似た柔らかさを持った綺麗な女性──

直樹「こ、これだ……!」
直樹の中で何かが弾けた。
保奈美「きゃっ!い、いきなり起きてどうしたの?」
直樹「悪いが保奈美、急用を思い出した。今日はもう帰ってくれないか」
保奈美「う、うん……なおくんがそう言うのなら……」

保奈美「おばさま、お邪魔しましたー。失礼しますね」
英理「えっ、保奈美ちゃんもう帰っちゃうの?」
保奈美「はい。何でも急用があるらしくって」
英理「それは残念ね、またいつでもいらっしゃい」
保奈美「わかりました。それでは頑張ってください……」
英理「……?」
バッタァン!
玄関のドアを閉める音にいつもより力が込められた感じがした……。