1-471 名前: ワールド杯 作品別三つ巴のハレーム合戦 [sage] 投稿日: 2006/07/04(火) 02:29:24 ID:HXQQ1AcJ

時計塔の結いの研究室。
そこに御馴染みの面々が集まっていた。
今日、ちひろが百年後に戻る為にみんなで見送りに来ているのだ。
茉莉は泣きたいのを抑えて笑顔でちひろと話している。
「来週には美琴も帰るんだよな………」
「寂しくなるね、なおくん………」
「裕介もいないから残ろうと思ったんだけど………お父さんとお母さんのお墓荒れてるかなって………」
直樹と保奈美は何も言えなかった。
直樹には既に保奈美がいるので彼女を無理に引き止めることが出来ない。
天涯孤独。
記憶を失ったばかりの頃、直樹はまさしくそうだった。
だがそれでも彼を支えてくれた渋垣家の叔父夫婦。
毎朝、起こしに来てくれた保奈美。
「な、なぁに暗くなっちゃっていやだなぁ」
無理に笑顔に戻った美琴が直樹を突こうと腕を伸ばすがサッと直樹は避けてしまう。
無論、美琴は前につんのめってしまうのだが………
その先には結が時空転移装置の調整を行っていた。
「結先生、危ないっっっ!!」
誰かが叫んだ。
「えっ?」
結が振り返ると美琴が勢いよく突っ込んでくる。
ガシャーン
「うぅ、ひどいよ久住君………」
「あいたたた………」
「大丈夫?結………」
相棒の保健教師が駆け寄る。
「大丈夫な訳ないじゃないですかぁ………」
何とか体を起こす結。
そしてその時、異変が始まっていたとはこの場にいる誰も気がついてはいなかった。


数百年後。
月の王宮を歩く達哉とフィーナ。
それに続く朝霧家と鷹見沢家の面々とミア。
二人の結婚式の為に月に滞在中なのだ。
因みに鷹見沢家の男二人は酔い潰れているのでこの場にはいない。
菜月しかいないじゃん、鷹見沢の人間は………という突っ込みはさて置き、物珍しげにあちこちと首を回す三人娘。
約一名ばかし、年齢的に娘と言うには厳しくはあるが………
「俺も始めて来た時は、こんなだったなぁ」
懐かしげに八年前を思い出す達哉。
「そうね、あれから八年………長かったわ、達哉」
「そうかな?近くにフィーナがいたからあっと言う間だったような気がするな」
「はいはい、ご馳走様」
「そんなに見せつけられると、この歳で一人身の私には辛いわ」
「お兄ちゃん、誰彼なく人目をはばからないんだから………」
三人が次々と口を開く。
「家族である貴方達の前なら開放的でも良いかと思ったのよ」
「でも、少しは反省してる」
「反省する事は無いのよ。達哉、貴方は私のパートナーなんですから」
結局、いつ終わるのか分からない二人のやり取り。
それは1人のドジっ娘によってもたらされた。
「きゃあっ」
その時、不注意にもミアが自分のスカートの裾を踏んずけてすっ転ぶ。
その時、彼女の手は床にある何かのスイッチを押してしまっていた。



地球に一隻の宇宙船が帰還しようとしていた。
実に数百年ぶりの帰還。
そしてその宇宙船の操縦室で自分一人しか乗っていない筈なのに密航者が居た事に操縦士は驚いていた。
それは少女だった。
「来ちゃった………」
そう言った少女はレティ。
「………………………」
何か言いたげなこの操縦士の名はクリフ。
クリフはなんと言っていいのか分からなかった。
一先ず、密航者を確認する。
お姫様で従妹の金髪ポニーテール………………………















シスターの義妹、幼馴染の女騎士、酒場の看板娘、小さな小さな魔法使い………………………
「………………………ってちょっと待てぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
クリフが叫んだ時、宇宙船「シンフォニア」号は地球の大気圏に突入しようとしていた。
その為、一先ず全員を座席に座らせてベルトの着用を促すクリフだった。



シンフォニア号は地上に着陸する。
操縦席も多少の揺れが………と思った時だった。
「キャー」
「うわぁっ」
ドタバタ
一番前の操縦席に座っていたクリフはドキッとした。
操縦が下手だったのだろうか?
急いでベルトを外して後ろに向かう。
少女達が床に放り出されている。
「あれ?」
クリフは違和感を覚えた。
気を失っている少女は確かにポニーテールだが髪が赤い。
何はともあれ呼びかける。
ペチペチ
「レティ、レティ!」
その時、
「こっちだよ、こっちだってばっ」
その声は確かにレティ。
だが目の前の少女は眠ったままだった。
「痛ぅ〜〜〜、保奈美、美琴、茉理ぃ、みんな大丈夫かぁ?」
今度は男の声だ。
まだ若そうだ。
そして二人は、クリフと直樹は出会った。
とその瞬間、今度はクリフの頭上が光ったかと思うと人が降ってきた。
月のお姫様とその一行が………
そしてクリフ、久住直樹、朝霧達哉のお互いのファーストインパクトは最悪の事態で起こった。
そしてこれが三人の主人公にとっての大淫行の幕開けとなるのである。
幸か不幸かは別として………