1-388 名前: 失われた技術(テクニック)? (にられば) [sage] 投稿日: 2006/04/30(日) 22:26:18 ID:qs5mQKYs

「やはり………」
先程カレンがリースにただならぬ何かを感じたのは間違いではなかった。
リースに対して構えるカレン。
リースはノーガードで向き合う。
「フィーナ姫をこのまま月に連れ帰る………というか連行するのは分かってる………」
「達哉君の………姫様の味方だと………」
「どちらでもない………」
素っ気ないリース。
カレンとしては一瞬で片を付けたい。
朝霧家の住人に気付かれる事無く任務を達成しなければならない。
だがリースはどう見ても腕に覚えのあると見て取れる。
「………………………」
身構えたままじっと動かないカレン。
流石にこのままではお互い時間の無駄だ。
進展しない状況にリースが飄々と語り出す。
「大丈夫………この部屋は次元を切断しているから………」
とリースが全てを語り終える前にカレンが床を蹴る。
その爪先は床ギリギリに浮いている状態でリースに向かう。
正に目に見えない、有る意味ドラゴンボールの世界。
だが日々の戦闘でリースにとっては慣れ親しんだスピードだ。
楽々とこれを避ける。
ヒョイ、ヒョイ
カレンを小馬鹿にするように攻撃はせず、ただひたすら避けまくる。
カレンもそれを分かっているので冷静に対応しようと考えるものの、
余裕を持って回避するリースに苛立ちを感じずにはいられなかった。
攻撃が当たるかと確信に至る瞬間には、紙一重でかわされ直ぐに後ろを取られている。
「はぁ、はぁ、はぁ………」
息切れを起こし肩で息を吐くカレン。
額から汗が流れ落ちる。
だがリースは息も乱さずにカレンに向き合っている。
そんなリースに対して改めて身構えるカレン。
「………そろそろ時間………」
そうリースが言った時だった。
いきなりカレンの足が崩れ、床に跪く。
「………さっきの水の中に入れておいたナノマシンが血管を通して全身に行き渡った………」
カレンは項垂れてしまった顔を小刻みに震わせながら上げてリースを見る。
「………症状は現在体感してる筈………」
カレンは長いスカートの中で純白の下着に出来た染みが段々大きくなって行く事を感じ、
身体の奥底から涌き出るような性欲を押さえ込もうとするが最早どうする事も出来なかった。