1-376 名前: 失われた技術(テクニック)? (にられば) [sage] 投稿日: 2006/04/24(月) 00:39:06 ID:IzpjLIeZ

礼拝堂の一室。
そこでモニターをのぞき込む男。
月から送られてきた高司祭、モーリッツ・ザベル・フランツだった。
彼はリースから送られてきた報告書に目を通していた。

『初日、フィーナ姫と目標による性交渉有り。口と胸で一回、膣出し最低三回。
 帰還途中に飼い犬三匹に捕まり気絶。
 翌日、早朝に気を失っているところを目標に発見され拘束。
 フィーナ姫ともコンタクトに成功。しかし情報無し。
 住人の着せ替え人形にされる。
 当分の間、朝霧家に逗留を余儀なくされる』

「リース程の者が………………気をつけなければ………」
何事か考え込むモーリッツ。
ふと嘗てこの国にいた忍者という存在を思い出す。
彼らに飼い慣らされ訓練された特別な犬がいたという大昔の記述を思い出す。
「今更、忍者も無いだろう………」 
想像に過ぎないと頭を振って妄想を追い払おうとする。
続きに専念する事にする。
 
『後、数日で帰還の予定。
 もう暫く朝霧家に逗留予定
                 以上』

「成果はあるのだろうか………」
記録によるとその技術、というよりは一種の才能と言えなくもないそれを会得していた人物はここ数百年現れていない。
「久住直樹、そして移民船シンフォニア号で帰還したクリフ………」
お馴染みの二人が達哉と同じ何かを保持していたらしい。
「ん?」
まだ報告書に続きがある事に気付く。

 『追伸
  目標とフィーナ姫との性交渉の全てを下記に添付する。』
  
「…………………………………」
モーリッツはスクッと立ち上がると何故か自分一人しかいない室内を見回す。
そして部屋のドアに鍵を掛けると椅子に座り直して机の引き出しからヘッドホンを取り出した。