1-229 名前: 達哉×菜月(タイトル未定) [sage] 投稿日: 2006/03/11(土) 23:17:00 ID:CWxQuI/w

3月──まだ少し肌寒い日はあるが、俺の心には既に春が訪れていた。

カテリナ学院を卒業し、無事に満弦ヶ崎大学への進学も決定していた俺は、
バイトの支度中にこれから少しの間の春休みについて菜月と話し合っていた。

「なぁ、向こうに行くのっていつ頃だっけ?」
「うーん、なるべくぎりぎりまでこっちにいるつもりだけど、月末には発つつもり」
菜月は獣医になる為に遠くの大学に行くことになっている。
離れ離れになるのはやはり辛いが、以前のような焦った気持ちはない。
いざ事を目前にしてみると、意外と冷静な自分でいられた。
「達哉は、4月までどうするわけ?」
「……バイト詰め込んであるの知ってんだろ」
「あっははは、そうでした」
これから先いろいろ物要りだろうと思い、この休み中に目一杯稼ぐ予定だった。
二人で肩を落として溜め息をつく。

「なんだお前たち、前途洋々な若者らしからぬ態度だな」
厨房で仕込み中のおやっさんが声を掛けてきた。
「項垂れてるところをちょっとすまんが、お遣い頼まれてくれないか?」
「うん、いいけど。買い物?」
「おう。買うものはメモしてあるから、宜しく」
「達哉ー、一緒に行く?」
「はいはい、荷物持ちだな」
「ははっ、じゃあ二人とも頼んだぞ」

店を出て商店街を歩いていく。
「どこ行けばいいんだ?」
「えーっと、八百屋さんだけでよさそう」
「よし」
ランチタイムも過ぎた昼下がり、人がまばらな商店街の中で一際行列を作っている場所を
買い物中に発見した。
「あれ……何の行列だろ?」
「え、なに?」
「はいお待たせ。お釣りと、コレね」
「引き換え券?」
八百屋のおばさんから手渡されたのは野菜の詰まった袋と券が2枚。
「ほら、あそこで福引きやってるでしょ?」
なるほど、あの行列はそのためのものだったのか。
「景気付けに一丁当ててきなさいよ」
「あはは、そううまくいくかなぁ」
苦笑いする菜月。自他共に認める運の無さで、クジの類は当ったためしがない。
「それじゃ行っといで」
「ありがとうございました」
「行ってきまーす」

少し歩いて行列の一番後ろに並ぶ。
「時間、大丈夫だよな?」
「まあいいでしょ。たまにはちょっとくらい寄り道したって」
そう言って順番が回ってくるのをじりじりと待つ。
徐々に前に近づくにつれて、景品が視界に入ってくるようになる。
「一等は何だ?えーと、超大型テレビ?」
実物こそ置いてないが、パネルを見るだけで部屋に入りきらなさそうな大きさと分かる。
「二等はノートパソコンだって。三等は冷蔵庫」
「流石に実用的なものばっかりだな。四等はお米、五等は商店街の買物割引券か」
そしてしばらくすると自分たちの番になった。
「達哉、引いちゃっていいよ」
「え、でもお店の買い物だし、菜月が……」
「じゃあ1枚ずつ。達哉からどうぞ」
「わかったよ、しょうがないな」



役員に券を渡して適当に抽選機を回す。
こういうものは無心でやった方が良い結果に転び易いような気がする。
ガラガラガラガラガラ…………ぽてっ
「はーい白玉は残念賞だね」
淡い期待も虚しくポケットティッシュが手渡された。
「ま、こんなもんだな」
「そんなもんだね」
続いて菜月が抽選機の前に立つ。
軽く呼吸を整え気を落ち着けて取っ手を掴んで回した。
ガラガラガラガラガラ…………ころん
「あーあ、私もハズレかぁ」
「え、ちょっと待てよ、これ白じゃなくて銀だろ?」
白い台の上に転がり出た玉は光を反射して輝いていた。
景品票と照らし合わせる。一等は金、二等は赤、三等は青、四等は黄、五等は緑……
それじゃあ銀って一体?と、目を丸くしている役員が口を開く。
「お、お、お……」
「おほ?」
「おぉめでとうございまーす!特等の温泉旅行出ましたーー!!」
「「ええーっ?!」」
カランカラーンと役員が鐘を鳴らす。
俺も驚いたが、菜月本人も唖然としている。
「菜月、おいっしっかりしろ!」
肩を掴んで身体を揺らしてやっても心ここにあらずといった気の抜けた表情の菜月。
賞を受け取ってから引きずるようにして左門へと戻った。

「お帰り、遅かったな。何か福引きでいいもの当てたのか?」
「はい、実は……」
まだ魂がもどってきていない菜月の代わりに経緯を説明する。
そこへ仁さんも話に加わってきた。
「へーぇ、菜月が特等をねえ。こりゃ雪でも降るかな……くはッ!」
仁さんの頭にしゃもじが飛んだ。どうやら菜月が戻ってきたらしい。
「特等といえば確か1泊2日の有名高級旅館への宿泊券だったな」
「……ああ、ホントに私が当てたのね」
「今までなかった分一気に運がまわってきたって感じか」
「うんうん達哉君の言う通りだ。でもこんなの当てちゃってどうするんだい」
「そうだよねー……お父さん行ってくる?元はお店の買い物だし」
「気持ちはありがたいが店を空ける訳にはいかんだろ」
「じゃあ僕が行くしかない。2名様までのご案内だからさやちゃんと──むごっ」
今度は口の中にしゃもじがクリーンヒットした。
「よし、タツと菜月で行ってこい」
「「ええっ?!」」
またしても声を揃えて驚きの声をあげる。
「ちょうどいいじゃないか、卒業旅行だと思って行ってくればいい」
「でも春休み中はもうそんな時間……」
「店のことなら心配いらんぞ、その分は仁が働くからな」
菜月の方を向くと申し訳なさそうな表情の中にも目が喜んでいた。
「それじゃあ、お言葉に甘えて……」
「おう。菜月のこと頼んだぞ、タツ」
「は、はいっ!」

こうしてささやかながら二人きりで過していられる時間が与えられた。
俺も今から旅行のことが楽しみで気持ちがいっぱいだった。



そして10日後……俺と菜月はとある温泉郷に来ていた。
「へー、さすが山奥なだけあってまだ雪がこんなに残ってるよ」
「ああ、やろうと思えばスキーもできそうだな」
「でもスキーは怪我しちゃかなわないからだめよ」
そんな話をしながら旅館に辿り着く。
いかにも老舗といった香りが漂ってくる和風建築。
門をくぐって玄関に入ると女将さんや仲居さんが現れて部屋へ招待してくれる。
施設の説明などを一通り受けた後、どうぞごゆっくりと残して女将が戻っていった。
「んーっ、なんか落ち着くねぇ」
荷物を置いて思い切り背伸びする菜月。
平日に訪れただけあって、旅館内
「まずはどうする?やっぱ温泉?」
「そうだねー、美人の湯もあるらしいからたっぷり浸からなきゃ」
「はは、菜月は今のままでも十分美人じゃないか」
「も、もうっ!いきなり恥ずかしいこと言わないでよっ」
温泉に入る前から顔を真っ赤にした菜月。
それぞれ浴衣に着替えてお風呂に向かった。
「はぁ、沢山種類あるんだね」
「説明聞いてただけでも結構あったしな」
「しかも24時間いつでも入り放題、これなら人気もあってなかなか予約取れないっていうのも頷けわね」
「そういうことだな……おい菜月、ココにしないか?」
「え……ええっ?いきなりそんな!」
俺が指差したのは混浴露天の湯だった。
「だ、だって私、水着とか持ってきてないよ」
「バカ野郎!温泉に水着で入ろうだなんて邪な考えは捨ててしまえ!!」
「なにそんな熱弁振るうかなぁ……うぅ、わかったわよ」
心の中でガッツポーズしつつ脱衣所で一旦別れる。

妙にテンションが上がっていた俺は光速で浴衣を脱いで浴場に飛び出した。
「んーこの開放的な空気がたまらないね、my son!」
誰もいないことを確認して元気に反り返る息子に話かける。
ちょっと危ないと我に返って水を頭から被ってクールダウン。
「寒いっ!」
そのまま貸しきり状態の大きな露天風呂へ飛び込んだ。
家の何倍もある浴槽。その中心にはソレっぽく背丈くらいの大岩が鎮座している。
「……んもぅ、何やってるのよ。小さい子供じゃないんだから」
「お、菜月か?」
飛び込んだ時の水飛沫の音で入ってきた音が聞こえなかったが菜月の声がした。
湯けむりで視界は良くないが菜月の顔が確認できた。
「早く来いよー、いい湯加減だぜ」
「はいはい、ちょっと待って」
かけ湯を済ませて菜月がゆっくりとつま先から湯船に浸かっていく。
近くで見ると髪を頭の上で結っていて、いつもと違った雰囲気にドキリとしてしまう。
「ん?どうかした?顔赤いけど」
「あ、いやなんでもないよ」
何故か恥ずかしくなって視線を外してしまう。
「こら、何隠してんだ」
「きゃあっ、引っ張らないでぇ」
湯の中でなお胸を手拭いで覆っているのを引っぺがす。
「おぉぅ……これはこれは」
「むー、バカぁ」
ちょっと不満そうに両腕で胸を隠そうとする菜月。
腕を寄せることで胸の谷間がよりくっきりとして性欲を刺激する。
「ちょ、どこ見てんのよ、エッチ、変態!」
菜月はバシャバシャとお湯をかけてくるが、俺は視線を逸らさなかった。
「も、もうっ、達哉ー……」
ざぶざぶと湯をかきわけて広い風呂の中で菜月を追い回す。
「とうっ!!」
「へ……きゃああ!」
掟破りのダイビングヘッド。二人で湯の中へ倒れ込んだ。



ザバァッ!
「ぷはぁ、げほっ、けほっ……もう、何するのよ」
「だ、だって我慢できないから」
「まったく、だってじゃないでしょうに……くすっ」
「あはははは……」
少し反省して静かに湯へ浸かり直す。
心地よい風が吹きぬけて、木々がざわざわと音を立てた。
「ふぅ……こうしてるだけで疲れも飛んでっちゃうって感じだよね」
「ああ、気持ちいいもんだ」
二人並んで目を閉じてリラックスしている。
「……んっ……はぁ……」
耳を澄ませているせいで、横に居る菜月の息遣いまで鮮明に聞こえてくる。
ちらっと目をやると、呼吸に合わせてお湯に浮いた胸が上下している。
(あぁっ、やっぱり浮くものなんだ……)
雑念が収まりかけていた息子をよび起こす。
「ちょっとのぼせそうかも。あがろっかな」
菜月はゆっくりと立ち上がる。そのことで濡れた全身が視界に飛び込んでくる。
再起動のかかったエンジンは一気にフルスロットルで回りそれを行動へと移した。

「菜月っ!」
「えっ……きゃあ、んんっ!」
素早く立ち上がって口付けを交わし身体を密着させる。
すべすべした柔らかい彼女の肢体を嘗めるように撫でまわす。
菜月がもがこうとする度にむにむにと大きな胸が体に擦りつけられる。
「はぁ、ん、ちゅ……くちゅ、ちゅ……ふぁぁ」
「……菜月」
目がトロンとした菜月は力が抜け、抵抗しなくなった。
「達哉、ちょっと強引かも」
「ごめん。でも菜月が欲しくて止められなくて」
「わかったよ……それじゃあ、気持ち良く……して」
「ん……」
「ぁむ、んちゅ……っ」
お互い目を閉じて再び唇を重ねた。
しっとりとしていてプルンっと弾力のある唇を何度もついばむ。
菜月も俺を愛おしむように積極的に吸い付いてくる。
体をくねらせて身体同士を擦りつけ合う。
少しぬめった温泉と二人の汗でよくすべる。
勃起しっぱなしの聞かん坊が菜月の太腿に締めつけられる。
「達哉……ここ、元気良すぎだよ」
「だって、こんなに近くに菜月を感じていられるから」
「ッ──!あんまり恥ずかしいこと言わないでよ、もうっ」
顔を真っ赤にしてぷりぷり怒っている。恥ずかしいのか、のぼせているのか。
肉付きの良い太腿の間で擦られて怒張がその硬さを増す。
「菜月、その、俺……もう」
「わかってる……いいよ、達哉の好きにして……」
それに頷いてまた優しく口付けをする。
身体を離して菜月が縁石にもたれかかって股を開く。
間に入り片足を持ち上げ、亀頭を割れ目にあてがいズズズッと一気に体重をかけた。
「んああっ、た、達哉……!」
「ッ……、あまり大きい声出すと」
「うぅぅっ……そっか、そうだよね……んいぃっ」
ざぷざぷ音を立ててお湯の中で腰を打ちつける。
ピストンの速さが出ない分、力強く奥へ捻じ込ませていく。
「くっ、やば、もう……」
この日の為にと1週間もの間オナ禁し続けてきたせいで、早くも絶頂の波が押し寄せる。
湯に浸かったことで普段よりも暖かい肉壷が更に刺激する。
耐え切れなくなった俺はガクガク腰を震わせ膣内で思い切りぶちまけた。