1-217 名前: 電気羊は淫夢を見る?(にられば) [sage] 投稿日: 2006/03/08(水) 23:15:00 ID:ygvMyk+X

自室のベッドの上で保奈美はスカートの中に手を差し入れていた。
その白い手が下着に差し込まれようとしたその時だった。
携帯から着信音が鳴り響く。
保奈美はハッと携帯を手に取る。
彼女の携帯所持を知っているのは直樹と渋垣家の面々位だからだ。
「はい」
「あ、保奈美ちゃん?」
声の主は英理だった。
直樹からかと思っていたので内面ガッカリしたものの流石におくびにも出さない。
「今、家に理事長先生と担任の野乃原先生と後一人先生がいらっしゃってるんだけど
大事なお話があるから保奈美ちゃんにも来て欲しいって………」
「………」
「大丈夫?保奈美ちゃん」
学生結婚経験を持つ百戦錬磨の英理は保奈美と直樹との間に何かあったのではと感じていた。
「直樹君、なんだか元気ないみたいだから………」
心配する英理をよそに保奈美は教師三人について色々と考えていた。
自分が三人に対して自分一人で勝てるのだろうか?
直樹にとって自分がそれだけの価値があるのだろうかと自問していた。
「………保奈美ちゃん?」
「えぇ、は、はい、直ぐに行きます」
ぼーっとしていた為、反射的に答えてしまう。
「失礼します」
ハァと携帯を切りつつ溜息を吐く。
行くと言った以上行かねばならない。
「なおくんを中心とした三人………」
そう呟いた保奈美の頭にある事が浮かび上がった。
「なおくん(世界)の主導権を握ろうとする三人の体制………」
その時、何故か近年のニュースや世界史の授業での内容が思い出された。
「………そう、なおくんの主導権を握ろうとする枢軸体制………」
国家体制に結びつけて考える事には無理があったがある意味、直樹と自分の仲が
進展しそうな時に現れたのだからそう見えなくもない。
そして歴史は繰り返す。
枢軸には連合をもって対抗するしかない事を成績優秀な保奈美は理解していた。
自分がその盟主たるべく行動を開始する。
携帯を手に取ると早速銃を並べる戦友に連絡を入れる。
連合を組むと言ってもお互いに完全な信頼関係が形成された無二の存在が必要だった。
何より自分と近しい関係にある少女。
その名誉ある盟友は………
「もしもし、茉理ちゃん?」
そうして急遽結成された連合の面々は至急、渋垣家に向かった。
そして茉理を除く面々の中で保奈美が一足早く渋垣家の門前に到着。
早速、渋垣家に乗り込む保奈美。
何時もと変わらぬ笑顔でその玄関を開けた。
そして続々と枢軸体制を包囲するべく連合軍?の面々が渋垣家に集結しつつあった。