1-196 名前: 電気羊は淫夢を見る?(にられば) [sage] 投稿日: 2006/03/03(金) 23:59:01 ID:rmTPLn0W

「………なおくん………」
年上三人組を見て保奈美は全てを察した。
自分の想いが脆くも儚かったと悟った保奈美。
人前であるのにポロポロと涙が溢れる。
「っ!!」
三人を押しのけて保奈美がリビングから飛び出していく。
そして渋垣家から駆けだしていった。

「罪な男ねぇ」
「誰の所為ですか、誰の………」
既に肉棒は仕舞われている。

「なおくんのバカ………」
保奈美は自室のベッドに泣き崩れていた。
直樹に彼女が出来たら潔く身を引こう。
そう考えていた。
しかし当の直樹は誰ともくっつく様子もない為、アタックの機会を狙っていたのだ。
そして、それは成功したかに見えた。
だがそれはあっさりと脆くも崩れ去る。
だが、今こうしているだけでも直樹への想いは強くなる一方だった。
「なおくん、なおくん………」
勝手に身体が動く。
スカートの裾に手を這わせる。
「なおくん………」
そして下着越しに縦スジに指が這う。

その頃、渋垣家の玄関前には茉理とちひろがいた。
「茉理ぃ、やっぱり………」
「昨日のことを洗いざらい喋らせるわよ」
「で、でも………」
「止めないで!こういうのは勢いが肝心なんだから」
茉理はスゥっと息を吸い込む。
そして一気に蹴破る勢いで玄関を開けるとそのまま靴を脱ぎ捨てる。
「くぉらぁぁ、バカなおきぃぃぃぃ、昨日何処行って、た……の………」
リビングのドアを開け放った瞬間、茉理の勢いは失速した。
ソファに座る三人を見て固まった。
「え、ええぇっと結先生は兎も角、仁科先生、さらには理事長先生まで………」
恭子は兎も角、玲の存在が茉理の頭を混乱させたが直ぐに一つの答えを導き出した。
「直樹ぃ!理事長先生が来るなんて今度は何をしでかしたの!!」
「えっ、あぁ、別に久住君は何も………」
あたふたとしながら直樹を庇おうとする結。
「まぁ、確かに責任を取らなきゃならない事はしたんじゃない」
わざと焚き付ける様な発言をする恭子。
ある意味、間違ってはいないのだが………
「何したのくぉのっバカ直樹ぃっ!!!!」
詰め寄る茉理。
そのまま首根っこ掴んでブンブンと揺する。
ただでさえブルーになっていた直樹は反抗する気力すら残されていなかった。
「渋垣さん、久住君は無実ですよ。ただ、彼の人生に関わる事をお話ししたくて保護者の
御帰宅を待たせていただいているんですよ」
この時、流石の茉理も直樹と三人の関係を予想しうる筈もなかった。
何しろ、保奈美のように直樹と肌と肌の接触をした訳では無いのだから………