1-115 名前: プリンセス スクランブル 第二章〜希望編〜 [sage] 投稿日: 2006/02/10(金) 18:50:00 ID:/olbCCzU

 蓮美台学園を出て、直樹(中身達哉)、フィーナ、保奈美、文緒、ちひろの五人は蓮華寮へと向かった。
蓮華寮・委員長の部屋──
「さて、時間もあまりない事だし、これからどうするのかどんどん案出していってね」
「秋山先輩……よかったんですか?久住先輩を女子の部屋に連れ込んでしまって」
「うっ……い、いいの。今回だけは寮長権限で特例とします!」
「あ、ありがとう、秋山さん」
「……何か久住君からそう呼ばれると違和感あるわ」
「なおくんでいるうちはなおくんになりきってた方がいいんじゃないかな」
「それもそうだな……」
「頑張って、達哉」
「フィーナさんも、今は久住君の名前で統一したら?」
「そ、そうね、なるべく意識してみるわ……」
「二人とも、頑張ってください」

「そうだ、みんなお腹空いてない?」
保奈美がカバンの中から何か包みを取り出した。
「これは……スイートポテトじゃない、藤枝さんが?」
「うん。料理部のみんなで食べるつもりだったんだけど、よかったらどうぞ」
「まぁ、手作りなの?素晴しいわ」
「美味しそうです、さすが藤枝先輩」
「それじゃ私お茶淹れるわね」
「ありがとう、保奈美……それに、委員長も」
何とか呼び方だけでも慣れようと合わせて口にしてみる。

「まぁ、美味しい!これは初めて食べる味だわ」
「そっか、フィーナはスイートポテト初めてだっけ」
「本当に美味しいです」
「……焼き芋よりおいしいかも」
「満弦ヶ崎でもこんなの売ってないよ」
「みんな褒めすぎ……さ、どんどん食べて」
「料理部と言っていたけど、保奈美さんは料理が得意なのね。羨ましいわ」
「得意というか、ほとんど好きで作っているんですけどね……。
 食べてもらう人のことを考えながら……ちょっと恥ずかしいけど」
「もっと胸を張っていいことだと思うわ。自信を持って」
「そうだなあ、仁さん……いやミアより上手かな」
「まあ、達……直樹ったら」
「ミアというのは向こうにいるフィーナのお付のメイドさんでね……」
そのままお茶会と相成り、満弦ヶ崎や月のこと、蓮美台学園のことを互いに話し合った。
未来の話を三人はとても熱心に聴いてくれた。そしてこちらの学園の話も面白く聴かせてもらった。

「ん……っ」
「フィーナっ、どうした?具合でも悪いか?」
「いえ、ごめんなさい。ちょっと疲れてしまったみたいで……」
「結構話し込んじゃったわね。いいわ、私のベッド使って」
「でもそれは……」
「いいから、私のことは気にしないで。予備の布団もあるから」
「フィーナ。ここは素直に好意に甘えていいんじゃないか」
「わかったわ……それでは少し眠らせて頂きます」
「私も一度家に帰ろうかな、遅くなっちゃったし」
「そうですね、私も自分の部屋に戻ります」
「久住君はどうするつもり?」
「もう少しフィーナに付いていてやりたい……だめかな?」
「しょうがないわね、じゃあ寮の門限までなら許してあげるから」
「じゃ、私たちはこれで……」
「なおくん、また明日」

そう言って保奈美とちひろはそれぞれ帰っていった。



 部屋には俺と委員長、そして借りたパジャマに着替えて眠るフィーナ。
フィーナを起こさないように委員長といろいろ話を続けた。
「綺麗なお姫様ね、こんな人が治める国なら是非行ってみたいわ」
「はは、フィーナが聞いたら喜ぶよ」
「あ、ごめん。そろそろお風呂に行かないと」
「それじゃ俺は……」
「ううん、門限まではまだあるから一緒にいてあげて。
 寮のお風呂は早くしないと男子時間になっちゃうから」
「わかった、いってらっしゃい」
「……部屋物色しないでね」
「も、もちろん」
一言念を押した上で委員長は浴場へ出て行った。

部屋にはフィーナの安らかな寝息だけが聞こえる。
そうしているうちに俺の瞼もじわじわと重くなってきた。
意識が朦朧とする中で手頃な寝床を探す……

ガチャッ
あれから何十分経ったのだろうか、部屋のドアが開く音で目が覚めた。
「……久住君?どこに行ったのかしら」
委員長が俺を探す声がする。……俺を探す?はて俺は一体どこに──
体を起こそうとするも、狭くて壁にぶつかってしまう。ここはどこなんだ?
すると委員長の足音がこちらに近づいてきた。

そしてクローゼットの扉が開かれ、目が合った。
「……何してるの?」
「や、やあ、おはよう……」
何故か俺はクローゼットの中でもたれかかって眠っていたようだ。寝ぼけていたのか。
寝巻姿で眼鏡をかけた委員長は大きく目を見開いて大きく息を吸い込む。
そして大口をあけて今にも叫ぼうと──
「待っっ!」
それより先に何とか体を起こして委員長をこちらへ引っ張り口を塞いだ。
「んーーーー!!」
(だめだ、叫んだらフィーナを起こしてしまう!)
(わ、わかったから離して、息が……苦しいっ)
(あっ、ごめ……ちょっ、暴れたら……!)
ドサッ!
バランスを崩して二人クローゼットの中で倒れてしまった。
その拍子にクローゼットの扉がバチンと閉まる。

「ん……っ、何事……」
まずい、今の衝撃でフィーナが起きてしまった!?
俺と委員長は身動きできずにじっと堪えた。

「……。……すぅ」
「よかった、また眠ってくれたみたい」
「ああ……助かったな」
息を殺してひそひそとやりとりを繰り返す。
フィーナについては良かったのだが、この状況は如何ともしがたいものがあった。
自分の腕の中にはお風呂上りの委員長がいる。
倒れた拍子に向い合わせで抱きしめてしまったのだ。
「ちょ、ちょっと、いつまでこうしてるつもり?」
抜け出そうと委員長がもがく。その度にシャンプーの香りや湯上り独特の蒸気があがりくらくらしてしまう。
「ごめん、ち、力が入らない……」
「!!なっ、ヘンなトコに力入れないでよ!」
「え?あ……ごめんっ」
指摘されて初めて自分が勃起していることに気が付いた。
委員長の股の間でそれはもう元気にビンビンしている。
寝起きの生理現象にしてはいつもより硬くなってるような……。



「……ダメだ、収まらない」
「ほ、本気で言ってるの?ちょっとー」
「委員長、頼むっ」
「たっ頼まれてもそんな、困るってば……
 やだっ、何か私から生えてるみたいだし」
委員長が太腿を擦り合わせると挟まれたペニスも程よく擦られて気持ちがいい。
思わず自分から腰を動かしてしまった。
「ひっ!!」
「あんまり大きな声出すとまたフィーナが……」
「だ、だって……何で私がこんなっ」
「そんなのこの体の主に聞いてくれよ」
冗談のつもりで言った言葉に委員長は顔を赤らめている。
「?」
(そんな……久住君の体は私を求めてるってこと?まさか……)
委員長は何かぶつぶつ言っているようだがよく聞こえなかった。

その隙に手元に落ちていたタオルで委員長の両手首を頭上で縛る。
「でも久住君には……ハッ?えっ、何これ……むぐっ!」
更にハンカチで轡をして自由を奪ってから立たせてみた。
「……エロいな」
「ーーーー!!」
誰にこんなことされたと思ってるのという表情。
「反抗的な態度はいけないなぁ」
「んッ!?」
耳元にフッと息を吹きかけるとビクッと身をよじらせる。

「こうなってしまったのも委員長のせいだからね……」
スルスルと着ているものを脱がせていく。抵抗する素振りは無く顔を真っ赤にして耐えている。
Yシャツのボタンを外して肌蹴させ、下のスカートは完全に脱がせた。
「おっ、委員長もこういうの履くんだな」
「……っ」
しゃがんで縞パンの上から割れ目を愛撫する。段々と熱と湿り気を帯びてきた。
ふくらはぎあたりから上へと徐々になぞるように滑らせていく。
パンツに到達して恥丘をふにふにと指で押したり、裾を引っ張って食い込ませてみる。
次第に縦スジに沿って染みが出来始めた。
「委員長……こんなことで感じてるんだ」
「んんっ……はぁ……うっ……ふぅっ」
息が荒くなり大きく口を開けて喘ぐ委員長。だらしなく開いた口の端からは涎が流れ落ちる。

委員長の体が小刻みに震えている。パンツに手を掛けて膝のあたりまで下ろした。
無防備になった委員長のデルタを直に触れて生の感触を味わう。
薄めのヘアを撫でていると、ふと悪戯心が沸いてきた。
「ふぇっ……?っーー!!」
「大丈夫大丈夫、じっとしてて」
洗面所からカミソリとクリームを持ち出してきた。流石に察したか、委員長は抵抗しようとする。
しかしクリームを患部に塗りたぐってやると感じたのか大人しくなった。
そしてあっという間に委員長はパイパンに。彼女の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

手首を縛ったタオルを解いてやり、机に手を付かせてお尻をつき出させる。
俺はズボンとパンツを脱いで既に我慢汁で濡れている肉棒を取りだした。
「ひょっほ、ははは……」(ちょっと、まさか)
「安心して……痛い思いはさせないから」
体が違うからといっても流石に将来の妻が横で眠っているところでの本番は気が引けてしまった。
そこでまた委員長の素股に肉棒をつきたてた。陰唇と密着させた太腿の間に激しく擦りつける。
割れ目からは暖かい愛液が溢れ潤滑油のように滑りをよくする。
委員長は声を出さないよう口を結んでいる。クチュクチュと擦れ合う音だけが静かな部屋に響く。
徐々に射精感が押し寄せて、腰に力を込めてスピードを上げる。
絶頂に昇りつめた瞬間に引き抜き、そして一気に顔へめがけて白濁液を撒き散らした。



後処理をしていると、寮の門限が近くなっていることに気付いた。
「あ、あとは私がやっておくから……」
「う、うん。ありが……いやごめん」
「やっといて謝らないでよ……いいから任せて」
「……その格好で寝るの?」
「まさか。ジャージに着替えるわ。用が無いなら早く出てって」
「じゃあフィーナに明日9時に学園へ来るように伝えておいてくれ」
「了解。それじゃあね」
半ば追い出されるように委員長の部屋を出た。
確かにあれ以上一緒にいても気まずかったかも知れない。
と、部屋を出て階段を降りようとする時に後ろから声がかかった。

「久住先輩、今から帰るんですか?」
「あ、えっと、ちひろちゃん……」
橘ちひろ。2年生、園芸部部長。確認。
「それじゃ、おやすみ」
「あっ、ちょっと待ってください」
彼女は寮の出口まで付いてきた。
「どうしたの?」
「えと……その、先輩、家までちゃんと帰れるかなって」
「そんな、自分の家くらい……あ」
よく考えたらここは見知らぬ土地。体が道を覚えているわけでもない。
途方に暮れる寸前で助け舟が出たということで渋垣家まで案内されることになった。

「秋山先輩とは今後のことを話されてたんですか?」
「え、ああ、うん。明日のこととかね」
まさかナニしてましたとは言えない。最後のやりとりだけは除いて喋る。
思い出してしまうとまた股間が反応しそうだった。
「そうだ、ねえちょっとコンビニ寄ろうよ。喉渇いちゃってさ」
「はい?いいですよ」
気を紛らわすためにコンビニへ。飲料水のコーナーへ行く。
満弦ヶ崎のものと多少デザインは違えど何が何なのかわからない程ではなかった。
無難に緑茶を選んでレジへ。ちひろちゃんはまだどれにするか迷っているようだ。
「店の外で待ってるね」
「す、すいませんっ!すぐ行きますから」
焦った様子で彼女はとっさに缶を選んでレジへ持っていった。

「すいません、お待たせしてしまって……」
「こっちこそ急がせちゃったみたいでごめんね」
二人夜道を歩きながら買ったものを飲む。
「こうしてると……何だかいけない事してるみたいです」
「ま、まあ夜遅いしね……」
いきなり意表を突かれたことを言われて胸がドキッとした。
確かに夜のデートは学生身分にはちょっと生意気かも知れない。
言った本人も顔を赤らめていた。

飲み終えたところで丁度通りがかった公園のゴミ箱へ捨てる。
ちひろちゃんは依然、顔を真っ赤にしたままちびちびと飲んでいる。
「おいしい?」
「はい……何だかふわふわします……」
ふわふわって一体どんな味なんだろうか。何を飲んでいるのか気になって缶を覗く。
そこには"アルコール度数5%"の文字が。
「ちひろちゃんっ、これチューハイだよ……」
「ふぇー?なんですかぁ?」
缶を取り上げてみたが、時既に遅し。中身はもう残り4分の1くらいになっていた。
すると缶が奪い返される。
「えっ?」
誰がくれてやるかと言わんばかりに残りを一気に飲み干すちひろ。
そして空き缶をゴミ箱に向かって投げた。 カラーン!



「よっしゃあ、ストラーイク!ねえ、ちゃんと今の見てた?」
「あ、うん……すごいね」
まるで人が変わったかのような口調、さらにはその声色まで変わっていた。
何ていうかレイ姉みたいな……レイ姉って何だ?なに言ってるんだ俺は。
ベンチに座って混乱している俺に彼女が摺り寄ってくる。
「せんぱぁい……好き」
「ぶッ!!」
酔った勢いだからといっていきなり告白されるとはストレートすぎる。
何とか落ち着かせようといろいろ思考をめぐらせる。
だがここであろうことかさっきの委員長との出来事を思い出してしまう。
悲しくも股間はそれに反応してしまった。
「んー、どうしたのかなぁ?ココこんなにおっきくしちゃって」
「え?バレ……ちょ、そんなのしかかったら危な、うわっ!」
「へ……きゃあっ!」
二人でベンチごと背後の草むらの中へ転がった。

「……っ、痛たた……あれ、俺は一体……」
倒れた拍子に頭でもぶつけたか、少し気を失っていたようだ。
「そうだ、ちひろちゃ──」
「んんー?はぁひぃ?」
「っわ!!」
大声を出しそうになった寸前で留まる。
驚くのも無理はない。何故なら彼女は俺の勃起したペニスにしゃぶりついているのだから。
「な、なにしてるのかな?」
「……、見てわからないかなぁ。フェラチオよ」
ちゅぽんっと口を離してさらりと言ってのける。
妖艶に微笑んだ上目遣いの視線にドキドキしてしまう。
「ちょっ、だめ……そんな、あぅっ!」
「んふふー、あんまひおおひなほえらひひゃらめよぉ」
しゃぶりながら喋るので動く唇や舌がペニスに絡みつく。
ちょっと前に一度抜いたばかりだというのに硬さは増していく一方。
それだけちひろの舌攻めが濃厚で刺激的だということ。

「ぷはぁ……センパイのおちんぽ、臭くていい味してるわぁ」
うっとりした表情で亀頭を見つめながら独り言のように呟くちひろ。
まさか委員長の匂いまで嗅ぎ取られないだろうかと何故か心配になった。
「や、やっぱりこんなのはよそう、ね……」
「どうしてですかぁ?ココはこんなに出たい出たいって言ってるのにぃ」
小さな指でクリクリと鈴口を突付いてくる。
「センパイが正直になるまで続けちゃうから、んちゅっ」
そう言ってまた亀頭にキスをする。柔らかな唇の感触が気持ちいい。
追い討ちをかけるかのように舌でカリ首を嘗め回してくる。
「うわっ、く……だ、だめ……」
「あははっ、イカせて下さいって言ったら最後までしてあげるわぁ」
いつの間にか女王様キャラに。しかし俺の股間は痺れてもういつでもイけそうだった。

「ほらほらぁ、我慢してても辛いだけよ」
今度はジラすようにフーッと息を吹きかけられる。
「お、おねがいします……イカせて下さい……」
あっさり観念して最後の一撃をちひろに懇願した。
それを聞いてちひろは満足そうに笑みを浮かべてまたペニスにしゃぶりつく。
頭を激しく振りながら思い切り口内で吸引されて一気に昇りつめる。
「ちひろちゃ……あ、うっ!!」
「!!ッ、んぐっ、んんん……、……っ、ぷぁ」
最後は彼女の頭を押さえつけて思い切り口内射精。
ちひろはそれを喉を鳴らして飲み込んでいく。
「……まずぅい」
率直な感想を述べるとちひろはカクンと倒れてしまった。
とりあえず俺はズボンを履いて彼女が目覚めるのを待った。



「……あれ、久住……先輩?私……」
「はい、ちひろちゃん。これ飲んで」
「あ、ありがとうございます……」
多くを語ることなくちひろに自販機で買ったコーヒー牛乳を手渡す。
それを飲むちひろの頭にはクエスチョンマークが浮かんでいる。
さっき買って飲んだのがお酒で、しばらくここで倒れていたと簡単に説明してあげた。
「そうだったんですか。どうりで記憶が……私、何かご迷惑を掛けませんでしたか?」
「ああ、うん。気にしないで、私は平気」
ふと数分前の出来事が甦るも即座にかき消す。
「それより先輩、早く帰らないと」
「そうだったな。でももう遅いしちひろちゃんも戻った方がいい。
 ここからもうすぐなんだろ?教えてくれればその通りに行くからさ」
「わかりました……そういうことなら」
ちひろはそれに納得して道を教えてくれた。もうあと歩いて5分くらいの距離らしい。
「それではおやすみなさい、久住先輩」
「おう、ちひろちゃんも気をつけて」
小走りに寮へと戻っていくちひろを見届けて俺は歩き出した。

「ここか、渋垣家は……」
しばらくしてようやく渋垣家へ到着。結局かなり遅くなってしまった。
頭の中を整理し直して門を開けて玄関を静かにくぐる。
「た、ただいまー……」
なるべく誰にも合わないよう直樹の部屋へ戻ろうとする。
「あら直樹君、おかえりなさい。遅かったのね」
「ひっ?!」
振り向くとそこにはパジャマ姿の女性が……これは叔母さん、確か英理さんだな。
保奈美に教わった家の事を思い出す。
「どうしたの?ヘンな声出しちゃって」
「いや、何でもないですよ」
「そう?まあいいわ。お風呂、直樹君が最後だから後はよろしくね」
「は、はい、おやすみなさい」
助かった、風呂が最後というのは都合がいい。朝霧家ではいつも自分は最後だったから。

英理さんが寝室へ戻ったことを確認して自分も二階へ上がった。
「ふぅ」
息をつきながら部屋のドアを開け、壁を探って明かりを付ける。
何ていうか……妙に女の子っぽい部屋だなぁ──
「ってここは!!」
部屋間違えた!?ベッドには女の子が寝息をたてている。
大急ぎで電気を消して何もなかったかのように静かに扉を閉めた。
心臓が物凄い勢いで音を立てている……あれは従妹の茉理ちゃんか。

今度こそ自分の部屋へ戻って電気もつけずにベッドへ倒れこんだ。
「あーびっくりした……」
息をついてもまだ心臓が爆音を立てている。落ち着くまで動く気になれない。
起こさずに済んだとはいえ何か悪いことをしてしまった気分になる。
麻衣の寝室に誤って入ったとしてもこんなに焦ったりはしたことはなかった。
やっぱりこういうのって育つ環境次第なのかな、と決着をつけて風呂へ向かった。

「ここで恒例の脱衣所チェーック!」
って何言ってるんだ!この体が勝手に言わせてるんだ、疲れてるんだと頭に言い聞かせる。

他人の体というのをあまり気にしないよう体を洗ってゆっくりと湯船へ浸かった。
ここ半日の出来事がぐるぐると思い出されていく。
……とても昨日は月に居たとはまるで思えない。
ともかく今は元の体に戻れることを考えよう。気を入れなおし風呂を上がる。
しかしいざ布団に入ると考える隙もなくすぐに眠りに落ちていった……。