1-64 名前: 翠色のバレンタイン [sage] 投稿日: 2006/02/04(土) 21:35:00 ID:eHmdC1d/

(another view 遠山翠)
「やっぱりわたし、朝霧君のことが好き──」

2月1日。クラスは受験シーズンにも拘らずもうすぐ訪れるイベントの話で盛り上がっている。
そう、14日はバレンタインデー。好きな男の子に想いを伝えられる日。
女子の間では誰に渡すかという話で持ちきり。特に彼氏持ちの子となると冷やかし対象。

「ねえねえ、菜月は朝霧君にどんなのあげるの?」
「やっぱり手作り?頑張れー」
「ちょ、ちょっと!何言ってるのよ、もう!」
早速周りの女子たちに突付かれて菜月は顔を真っ赤にしている。
夏休みが終わって、二人が付き合っていることはすぐクラス中に広まった。
もっとも、いつそうなってもおかしくない関係だっただけに周りは割りと落ち着いていた。
「そ、そうだ。翠はもうあげる人決まった?」
「えっ、あ、わたし?」
不意に菜月が話を逸らして私に振ってきた。
「翠だって真面目にやれば結構イケるはずだって」
「あ、あはは、真面目に……ね」
その場では曖昧にはぐらかすことしかできなかった。

放課後、教室の掃除をしつつ昼間のやりとりを思い出して軽く溜め息をつく。
「どうした、元気印の遠山がらしくもない」
「!?あっ、朝霧君!」
「いや、そんな驚かせたつもりはなかったんだけど」
「ごめんごめん……どうしたの?忘れ物?」
「ああ、菜月まだいないかなと思って」
(っっ!!)「菜月?いないけど、一緒に帰ったんじゃなかったの?」
「ちょっと麻衣の所に行っててさ。まぁしょうがないか」
「あはは、残念だったねー。何ならわたしと帰る?」
「手間とらせて悪かったな、掃除の週番頑張れよ。それじゃ」
まったく、冗談なんだからちょっとは乗っかんなさいよ。冗談……なんだから……。



あれから1週間が経った。わたしの心のもやもやは晴れないまま。
今日も目の前で朝霧君と菜月はいつものようにじゃれあっている。人の気も知らないで。
「ねえちょっと、翠もこっち来なよ」
「え?」
「昨日、月からコレが届いたんだ」
朝霧君が小さな袋の紐を解く。中にはチョコクッキーが入っていた。
「これフィーナさんから?」
「ああ。まだちょっと早いけどバレンタイン用だってさ」
「見てよこれ、普通に売ってそうなのに手作りなんだよ?」
「わぁ、さすがあのお姫様だね」
「まったくだ。菜月が作ったら消炭だろうしな」
「もうっ、そういうこと言うんだったら何にもあげないんだから!」
「あははははは……」
そんなノロケ話を肴に3人でクッキーをつまむ。ほんのりビターな苦味が心に染み入る。

授業も終わり、ボーっとしていると後から声を掛けられた。
「あれ、遠山。まだいたのか?」
「ん……朝霧君?あ、そっか、今週はそっちが掃除当番なんだっけ」
「まあな。もうだいたい終わったし」
「お邪魔だったね。じゃあもう帰るわ」
「まぁ待て、折角だし一緒に帰ろうよ」
「えっ?」
「菜月は?、って顔してるな。あいつなら先帰ったから。今日はバイトも休みだし」
「あ、ああ。そうなんだ。あははは……よぉし、ならこの遠山さんが一緒に帰ってあげよう」
「はいはいよろしくおねがいします」
「そうだ!どうせなら駅前の方寄ってこう」
「は?」
「いいからいいから、れっつごー!」

「わー、やっぱこの時期は人多いねー」
店のあちらこちらにバレンタインの文字が躍り、気持ちも高ぶってくる。
「で、何買うんだ?」
「えーっと、チョコレート?」
「何でお前まで疑問形なんだ」
「さあどうしてでしょう?」
「まあいいか。男の視点からどういうのがいいかみたいなことだろ」
「すごーい、よくわかったね」
「麻衣とか家族の買い物に付き合ってればね……」
「なーるほど。大変だねぇ朝霧君も」
「いいから早く選ぼうぜ……って、遠山は手作りチョコとかしないのか?」
「ええっ?!」
「あ、いや……あ、義理チョコ選びだよな。いきなり変な事聞いてごめん」
「んー……手作りかぁ、作ったことないしなー」
「そうか。まあでも手作りは普通本命だけか」
「やっぱり男の子ってそういうのに憧れたりする?」
「そりゃまあ貰えれば何だって嬉しいけどな」
「へー。あ、コレ美味しそう!」
自分の顔が火照ってくるのがわかったので適当に話を戻す。
そしていくつか"義理"名目でチョコを買った。

「今日はいろいろとありがとね」
「役に立てたなら何より。送ってかなくて大丈夫か?」
「うん、ここでいいよ。それじゃまた明日!」
「じゃあな」
彼は商店街の方へ消えて行った。わたしはその後姿を人ごみに紛れるまで見つめ続けた。



2月13日 バレンタインデー前日
「ねえねえ、菜月はやっぱ手作りチョコ?」
「なっ……う、うん……まあ、一応……」
「その様子だともう作ってあるんだ?」
「うん、昨日は日曜だったし。空いてる時間でちょっとね」
「まあまあそんな顔赤らめないの」
「そ、そういう翠は?誰か意中の人いないの?」
「うーん、どうしようかねえ」
「学院生活ももうすぐ終わりなんだし、勝負してみたら?」
「えー、でもなぁ……」
「翠……そんなに思い悩むなんて、本気の人がちゃんといるんじゃない」
「あ」
「悩んだりしてるの、翠らしくないよ。ホラ元気出していつもの翠らしく!」
いつものわたし……悩みもなさそうで明るく元気な……彼も同じ事言ってたっけ。
でも本当のわたしは……わたしの気持ちは……
「私の助けが必要なら、力になるよ?」
「菜月……ありがと。わたし、がんばる。やれるだけやってみるよ」
「うんっ、その意気!」


そして次の日────
昼休み
「菜月はもう朝霧君にチョコ渡しちゃった?」
「え?ううん。まだだけど」
「なるほどねー」
「?それがどうかした?」
「あ、うん。そういえば朝霧君からの伝言で、放課後に体育館裏に来てくれって」
「へー、何で私に直接言わないんだろ」
「まあ今日という日だし、彼も何か用意しちゃってるんじゃない?」
「そっか……達哉ったら」
何も知らず菜月はその言葉を信じて顔を真っ赤にしている。
「さ、早く次の移動教室行こっ」
菜月ごめんね。朝霧君は簡単に渡さないから……。

「おう、遠山まだいたのか。遅れるぞ」
「あ、朝霧君こそ……」
「今日は食堂行ってたからな。菜月はもう行っちゃったか」
「そうそう、菜月からの伝言で、放課後に屋上で待っててくれってさ」
「菜月が?わざわざ寒い所選ぶなアイツは」
「さあチャイム鳴る前に急ご」



(another view end)
放課後。帰りのホームルームが終わると皆バラバラと帰りだす。
菜月の背中を見送りつつ、教室掃除にかかった。

「よし、こんなもんかな」
掃除を終えた俺は菜月の待つ屋上へ向かった。

ギイッ……
扉を開けると冷たい風が吹き込んでくる。
他にも同様の目的なのか、チョコを渡している風景が2,3目に入った。
が、眺めてみても菜月の姿はどこにも無い。
冷やかすつもりはないと気を遣いながら菜月を探して回る。だがやはりどこにもいない。
ふと、出入り口の扉に何か張り紙がされているのに気付いた。
『朝霧達哉様へ 音楽室でお待ちしています』
宛て名が俺の名前になっている、とすればこれは菜月が?
紙をとって音楽室へ向かう。菜月がこんな仕掛けみたいなことをするなんて珍しい。
きっと俺を驚かせるつもりなんだろうが、そうはいかないと心に決める。
だけど期待に胸が膨らみ、次第に緊張してきた。

そして音楽室の前に着た。
〜♪ 〜♪
中の方から何やら楽器の音がする。吹奏楽部が部活中か?何でまた菜月はこんな所を……
しかしよく聴くとその旋律は単音。つまり中にいる演奏者は一人だけ。
意を決して扉に手を掛けてゆっくりと開けた。

「……遠山?」
壇上で一人クラリネットを演奏する遠山の姿が目に入った。これは一体どういうことなのか。
ふとそこでメロディが途切れた。
「朝霧君……来てくれたんだ」
「?? なあ、菜月はどこにいるんだ?」
「菜月ならいないよ。ごめんね」
「遠山……」
「はい。私からのチョコレート」
「えっ?」
突然の出来事で何が何やら頭の整理が追いつかない。遠山は俺にチョコを渡す為に嘘を……?
「……やっぱり貰ってくれないよね、そうだよね、朝霧君には菜月がいるし。私なんか」
「ありがとう、遠山」
「じゃあ……貰ってくれるの?」
「確かに俺には菜月が……でも遠山の気持ちは無駄にできない。手作りなんだろ?」
「なっ、何でわかるの?開けてもないのに」
(まあここまでされれば流石に察しもつくよ……)「開けていいか?」
「う、うん」

ラッピングされた箱の中からは大きなハート型のチョコが1つ。
「これはまたストレートだな」
「にはは、自分の気持ちに正直に作ってみました。さあ食べて食べて」
「あ、ああ」
せかされるがままにチョコを一口口に運ぶ。ちょっと甘めなミルクチョコレート。
「遠山も食べろよ」
「え?いや、私は」
「いいから、ほらっ」
「ちょっ、待っ……むぐぅ!」
少し大きめの欠片を隙をついて遠山の口に押し込んだ。その際指が柔らかな唇に触れた。
「あ、ごっごめん」
「……ゴクン。あっちゃー」
「どうした?美味しいじゃないか」
「そ、そういうイミじゃなくってね……」
「?」



チョコを口にした途端、遠山が顔を赤らめる。
「じ、実はー……このチョコ、ちょこっと細工がしてあったりー……」
「ダジャレはともかく、細工って?」
「えっと、超強力ガラナ入り……とか」
「とか?ってそれ強壮剤か!」
「うん、その他精のつきそうなものが一杯」
顔を真っ赤にした遠山が上目遣いに俺の顔を覗き込んでくる。
そうこうしているうちに自分も何だか火照ってきた。気付けば俺は遠山の両肩に手を添えていた。

お互い無言のまましばらく見つめ合う。遠山の潤んだ瞳に心が揺らぐ。
俺には菜月がいるのに……こんな事していてはいけないのに……
でも何故か、遠山をここで離すことができない。
「朝霧君……好き」
「え……っん!」
不意に遠山が首に腕を回して抱きついてきた。勢いで彼女は俺の唇を奪った。
「ん……ちゅ……くちゅ……ぁ……」
その唇の柔らかさと顔にかかる遠山の吐息が俺の理性を崩壊させていく。
「あ、朝霧く……んんぅっ!」
彼女の顎を引いて再び口付けを交わす。長く深いキスは二人の身体を温めていく……。

「はぁ、はぁ……ぁ……朝霧君……」
「今は遠山のこと、もっと感じていたい……」
後ろから抱きしめて制服の上から身体を弄っていく。耳や首元にキスをすると彼女の身体がピクンと震える。
「だめぇ……そこ、力入んない……ふぁっ」
胸元のリボンを解いて胸を揉み込む。ふにゅふにゅと制服の上からでも柔らかさが掌に伝わってくる。
「私の胸、気持ちいーい?」
「うん……すごく柔らかいよ」
「なははっ、それは良かった……んぅ!」
硬く尖った部分を軽く押してやるとビクビクと電流が走ったかのように艶かしい声をあげた。
「ごめん、ちょっと強かった?」
「違うの……その、朝霧君のアソコが……大きくなってるなぁーって」
「あ……」
俺の股間は遠山の尻部に押し当てられて密接していた。
「これは、その、なんだ……っっ?」
「悪戯する悪い子はお仕置きしちゃうぞ……」
遠山自ら腰を動かしてお尻の割れ目に擦り付けてくる。張りのある尻肉が肉棒を押し返す。
それに負けじと俺は遠山の制服と純白のブラをたくし上げて直に胸を揉んでいく。
首筋から遠山の匂いを吸い込んで、すべすべとした肌触りと乳首の感触を味わう。
「あっ、ん……やぁ……っ、そこは……」
片手で乳房を揉みながら、もう片方でへその辺りを撫で回す。
そのまま手を更に下へと滑り込ませてスカートの中を弄る。
「ん、あれ、ブルマ?」
「あ……今日体育あったし、寒いからそのままでいいかなーなんてね……」
「はは、何か遠山らしいな」
「うぅーっ、ごめん……」
「いいよ、そんな謝ることない」
「ふぇ?もしかして朝霧君ってそういう趣味とかもあったりして」
「くっ……お、男なら嫌いなヤツはいないさ」
少し見透かされた。
このまま主導権を渡すまいと素早くスカートのホックを外してファスナーを下ろして脱がす。
「……慣れた手つきだね」
「う、うるさいなぁ」
「あはは……んっ」
にんまりと不敵に微笑む遠山の口を塞ぐ。



「随分余裕みたいだし、もう手加減しないよ、翠」
「へ、へえ、手加減してくれてたんだ……ひあっ!ふえ?」
油断しているところで露になったままの乳房にむしゃぶりついた。
そのまま翠の胸に顔を埋めてひたすら弄り続ける。
「んあっ、は、鼻息……くすぐったいよ」
俺はわざと胸の谷間で深呼吸してやった。こうしていると彼女の鼓動が早くなっていくのもわかる。
「はぁ……ふぅ……んんっ……はぁぁ……」
徐々に息が熱くなってきた。指先で硬くなった乳首をなぞって翠の反応を確かめる。
「あ……ぁ、あ、そこ……もっと……」
「感じてる?」
「ぅん……あの、また……す、すって」
「ん」
言われるまま翠の乳首をちゅぶちゅぶとわざといやらしい音を立てて吸ってやる。
唾をねっとりとつけた舌で先端を嘗め弾いてやるとさっきより高い声で喘ぎだした。
「っ……!!ひゃああっ!」
ぞくぞくと身をよじらせて太腿を擦り合わせる翠。そこへまた手を滑り込ませる。
「っあぅっ?!」
手を近づけただけでもそこが蒸気しているのがわかるほど熱く濡れていた。
ブルマ越しに秘部をなぞってやると、じわじわと水気を帯びてきた。
「もうこんなに……」
「み、見ちゃダメ……はっ、恥ずかしいよぉ……」
「そう?ならやめようか」
「ちょっ……もぉーーー!!」
軽くからかってやると少し泣き顔の翠はプリプリと怒った。
そんな姿を眺めつつ、翠の股間に顔を近づける。むぅっとあがる匂いを鼻いっぱいに吸い込む。
「やっ、やだ……そんなとこ……臭いでしょ」
「翠の匂いがする……いい匂いだよ」
「も、もう、そんな……達哉くんのばか」
止まらない俺の指は翠の太腿を撫で、ブルマをずらし中を弄って愛液を掻き出そうとする。
「あっ……ぅ、ぬ、脱がせて……下着……染みちゃう」
翠はブルマに手をかけようとするが、それより先に俺が脱がせにかかった。
「達哉くん……ヘンタイ」
「う、うるさいなぁ……あっ」
勢い余ってブルマと一緒にうっすらと染みのついたパンティも下げてしまった。
「か、固まられても困るんだけど」
「ごめ……んぉうっ?!」
「わたしだけ脱いでたら……恥ずかしいんだもん」
おもむろに翠は俺のベルトを外してズボンの中からそそり立つ暴れん棒を取り出す。
「うっわぁ……これが……へぇ……」
俺の股間にあるものを至近距離でまじまじと眺めているかと思うと今度はニヤニヤしだした。
「?どうした」
「えっへっへー、こんなのどうでしょう」
「へ……わっ!お、おい……」
「ちょっと、動かないで、上手く挟めないよ……んしょ」
すり寄ってきた翠は俺の肉竿を両胸で優しく包んだ。
「パイズリ……って男の子、好きなんでしょ?」
「ん、ま、まぁ、そりゃ……ね」
いきり立ったモノが乳肉の中でビクンビクンと震える。翠はそれを見て目を丸くしている。
「やっぱり、気持ちいいんだ……えいっ」
「っあ!?」
乳首が陰茎からカリ首までなぞっていく。柔ら硬い感触からゾクゾクと快感が込み上げてきた。
「その……これ、舐めた方がもっといいって……」
「……どこで覚えるんだよ全く」
「あー、雑誌とか」
「答えなくていいから……」
「むーっ、いじわる」
「う……い、一緒にやるから許して」
「……うん」



二人で床に寝そべってお互いの性器を舐め合う。
「これってシックスナ──」
「言わなくていいから」
「ひゃぅ……ごめん……ちゅ」
ここまできてどうも茶化してくる翠に悪戯してやりたくなった。
俺は放置してあった翠のクラリネットを取ってそれをあそこに押し付けてやった。
「!!ッ、ぷはっ……ちょ、ちょっとそれ……」
「茶々いれられないようにお仕置きだ」
「だ、だめ……やあ、やだっ……中に入って……!」
くちゅくちゅと音を立てて先端が埋まっていく。金属部分があるのであくまで慎重に。
「やっ、出して、出してぇ……ぁうんっ!」
肉棒を咥えるのも忘れて泣きそうな翠の声に少し反省する。
「その……入れるなら、これだけにしてよ……おねがい」
「ん、わかった……」
ゆっくりと楽器を抜き取ると一緒にトロトロと中から愛液が溢れだした。
「でもこれ気持ち良かった?」
「う……」
翠は黙ったまま顔を真っ赤にして視線を逸らした。

体勢を戻して翠の頭を撫でながら唇が触れる程度にキスしてやる。
「軽く……いったかも」
「大丈夫だったか?」
「うん。それより……」
また翠の視線は俺の一物に集中している。翠の唾と我慢汁でテラテラとよりいやらしくみえる。
「欲しい……」
それ以上言葉を交わすことなくお互いに服を脱がしていく。
身につけているものがなくなったところで抱き合って肌を摺り寄せ感じ合う。
女の子の柔らかさを身体全体で感じ取る。
「じゃあ、そろそろ……」
我慢できなくなった俺はこれまでにない程息が荒くなっていた。
「あ、待って……その、こっちから、きて」
そう言って翠は壁に手をついてお尻を突き出してきた。
「後ろからでいいのか?」
「うん……初めてだと、どんな顔しちゃうかわからないし」
ここまで照れ隠しをする翠の気持ちを汲みとってやり、割れ目に亀頭をあてがう。
先端同士が触れ合うだけでくちゅっと愛液の滴る音がする。
「それじゃ、いくよ……」
「達哉くん……きて……」
ズズッと割れ目の中へゆっくりと腰を埋めていく。
膣内がぎちぎちと抵抗するが、それでも圧し拡げるように力を込めてやる。
「い……ッ!!」
「ごめ、痛かった?」
「大丈夫……だから……うん、はやく……」
中までしっかり濡れている。翠の尻肉を掴んで一気にねじ込んだ。
「ーーーーーー!!」
声にならない悲鳴をあげる翠。
「入ったよ、これで全部……」
「あ、あう、ふぁ……あぁ、ぁ……っ」
少し強引だったか、翠は突き抜ける感覚の波に呑まれているいるようだ。
またゆっくりと腰を引いてやるとずりずりと内壁が肉棒にまとわりついてくる。
途中できゅっと膣圧がかけられてそこで少し留まる。
「動かないで……ちょっと、このまま……」
息を荒げる翠のペースに合わせて身体を優しく撫でてやる。
「くっ、ふっ、んんっ、はっ、はぁ……ふぅ……」
落ち着きかけたところで耳から首筋、鎖骨、肩甲骨、腋の下、背筋とススーッと指を伝わせてやった。
「ひゃうぅんっ?!」
「もうそろそろ……」
「ん。いいよ……」



再び腰を前進させて翠の中へ。さっきの刺激で敏感になったか、まだ痛いのか、
身体がビクンと反応して膣内もきゅうきゅうと動いて肉棒をあらゆる方向から締め付けてくる。
肉と肉が擦れる度に痺れるような快感が俺の全神経を麻痺させていく。
無意識のうちに腰が動いてズンズン翠の中を突いて掻き回す。
ズプズプ、グチュグチュと身体を打ちつけ合う音が他に誰もいない音楽室内に響き渡る。
「あっ!くっ、うぅ……ひあ……んいぃっ、ふあぁぁ!」
翠も防音壁がなければ校舎中に聞こえてしまいそうな程の声で喘ぐ。
そんな音を聴いているだけで更に肉棒の硬さが増し、無心になって突きまくった。
「いっ……深……ッ、ぁ、か、かた……いぃっ!」
「翠、翠……!!」
膣肉をむさぼるように中で肉棒を動かす。翠の腰を掴んでもっと打ち込む。
「くぅっ、はぁ、はぁっ……んぅ……い、ひぅっ……ああぁっ!!」
「翠……そろそろ、俺……もう」
「んん、わ、わたしもぉ……き、きて……っ」
翠も絶頂が近いのか、艶がかった声で俺を受け入れてくれた。
俺は覆い被さるようにして翠の首筋に吸い付き、胸を揉みしだきながらピストン速度を上げる。
「ふぅあああ……だ、めぇ……っ、く……い、き……はぁあぁっ!!」
「んっ…翠っ……!!」
頭の中が真っ白になって翠から怒張を引き抜いた刹那、物凄い勢いで精液を噴射した。
翠のお尻、背中から髪にまで飛び散って白く染めた。
「はぁ、はぁ、あ、熱い……熱いよぅ……」
そう言いながら翠は呼吸を整えながらクタクタと力なく床に突っ伏してしまった。

「ごめん、拭かないとな……」
と何か拭く物を探すために離れようとしたところで翠に捕まってしまう。
「もうしばらく……このままでいいから……」
蒸気した顔に精液が滴る。妖艶に微笑むその姿を見ているだけでまた股間が反応してしまった。
「うっ、あ、これは……その、なんだ」
「わあ……絶倫だね」
「……」
あれだけの量を出したばかりだというのに、ビキビキと漲っている。自分でも言葉が出ない程。
「それじゃあ、今度はわたしが……えいっ」
「おぶっ!」
翠が立ち上がったかと思ったら倒れかかってきた。支えの抜けた状態で体重をかけられては抵抗できない。
「え、何を……」
「わたしが上になって、達哉くんを気持ちよくさせてあげるの」
「でも、そんな」
「いーからいーから、遠山さんにまっかせなさーい」
いつもの元気な彼女に戻ったようにニコニコしながら寝そべる俺の上に跨った。
「へ、騎乗位……?」
「そだよ。えへへー」
さっきまでの態度からは見違えるほど今の翠は楽しそうである。
変に抵抗するよりも好きなようにやられてあげようと身体を預けることに……
「それでは出席番号21番・遠山翠、いっきまーす!」
こっちが恥ずかしくなるのは何故だろう。失敗だったかもしれない。



翠は徐々に腰を下ろしてずぶずぶとゆっくり肉棒を飲み込んでゆく。
奥まで全部入りきったところでふと翠が顔をあげる。
「ふぅっ、んっ……ぐ……な、何かさっきよりも……お、おっきくなってない?」
「さ、さあどうだか……」
「それ……じゃあ、いく……よっ!」
ニッと白い歯を見せて翠は腰をぐいぐい動かし始めた。
中はまだグチャグチャで小さな振動が伝わるごとに肉襞がまとわりついてくる。
「ぐっ、おおぉ……」
「ほらほら……まだこれから……だよ……んっ」
翠が上下に動く度に胸がぷるぷるとふるえる。腕を伸ばしてきゅっと乳房を掴む。
「ひゃわっ!んんん、ちょっと、おっぱい反則……ぅ」
「だって、こんなに揺れてるから……かわいい」
「し、しょうがないなぁ……なら許可」
消え入りそうな声とは裏腹に翠の腰の動きが激しくなる。
一気に絞りあげられそうな感覚が押し寄せてくると、タイミングよく緩急をつけられて機を逃した。

「あっ、ふっ、く……たっ、頼む……もう、そろそろ……また」
「うんっ、っぅ……じ、じゃあ、今度は……な、中に、ちょうだ……いっ」
「ぐ……お前がそれで……いいなら……!」
俺自らも腰を突き上げて積極的に翠の奥へ奥へと打ち込んでいく。
「あうぅっ、んっ、あ、うああっ、だ、だめっ、きちゃう……!」
「いくぞ、翠っ……おおおおおおああぁっ!!」
翠を離さないように太腿を爪が食いこむくらい掴んで一気にこみ上げるものを開放した。
「ふあっ、うああっ、す、すご……出てる、びゅくびゅくいってる……!」
「ああ……いいよ、中……気持ちいい……うぅっ」
ドクンドクンと何度も波打ったところでようやく射精感がおさまった。
突き上げられた翠もへなへなとこちらへ倒れてきた。

「ありがと……朝霧君。とっても、とってもよかった」
「遠山……こっちこそごめんな。いろいろ無理させちゃって」
「ううん、元は私が仕掛けたことだから……ね」
「はは、そうだっけ」
「あとね、もう一つだけ……嘘ついちゃったことがあるんだ」
「え……何だよ、もしかして菜月に何か?!」
「そうじゃなくって、じ、実はーそのー……あのチョコ、既製品なんだ」
「へ?」
「それがねー、一緒に買いにいったやつも全部自分で食べちゃったんだ」
「な、なんだってー?!」
「いやぁ、いざ手作りに挑戦しようともしたんだけど、気付いたら溶かす分も全部いっちゃっててさ」
「そっ、それじゃあ俺がさっき食べたのは……」
「うん。今日学院に来る途中で買ったやつ」
「なら超強力ガラナとかって」
「嘘なんだ……てへ」
「……」
ということは俺は勢いで遠山とやってしまったということで……菜月に合わせる顔がない。

「それにしても、まさかここまでやっちゃうとは遠山さんも驚きだよ?バレンタインマジックだね!」
後処理をしながら満面の笑みでこちらを見る。もちろん彼女の顔も直視できない。
「ふふーん、おまけに名前で呼んでもらえて……嬉しかったよ」
「うわわーーっ!」
「あっははは、朝霧君ってば菜月みたいに瞬間沸騰してるー」
狼狽する俺を尻目に遠山はさっさと片付けを済ませてしまっている。
「大丈夫♪このことは二人だけのヒ・ミ・ツ」
「あぁ……」
「それじゃ、まったねー」
取り残された俺はその後しばらく動くことができなかった。



あれから2ヶ月が経ち、菜月は遠方の大学へ、俺は無事満弦ヶ崎大学へ進学した。
そして遠山もまた俺と同じく満弦ヶ崎大学に……。

「や、やあ朝霧君……元気してた?」
「遠山」
同じ大学とはいえ顔を合わすことはなく、卒業後はしばらく疎遠だったが今回は遠山に呼び出された。
「珍しいな、それで俺に何か用?」
「えーっとね、驚かないで聞いてほしいんだけどぉ……」
「何だよ勿体ぶっちゃって」
「できちゃった」
「はい?」
「わたしと、朝霧君の……」
「……エイプリルフールはもう過ぎたぞ」
「よく考えたら、あの日ってば危険日でさー」
「何だ、何が望みだ」
「産んでもいーい?おとーさんっ」
今になってまた自分の犯してしまったことの重大さが身に染みてきた。

「……本気?」
「やだなぁ、嘘なわけないじゃない……やっぱダメかな。朝霧君には菜月が……」
「わかった」
「へ?」
「俺が責任をとる」
「それって……どういう……」
「結婚しよう」
「はい……って、うええ?!」
「しかし学生結婚となると色々大変だよな……そっちのご両親にも話通さないと」
「ちょちょちょちょいまち!そんな簡単に、な、菜月とかどうするの?」
「う……だ、大丈夫、話せばわかってくれる……と思う」
「あー……謝りに行くならわたしも行くよ。ハメた大元はわたしだし」
「そ、そうか」
「うん。あ、うちの両親のことは気にしないでいーよ。わたしに似て軽い人だから」
「ってもう話したのか?妊娠のこと」
「えへへ。何なら大学辞めてもいいぞーとか言われちゃったりも」
ブッ飛んだ親だこと!流石にそれは口に出して言えなかった。

それにしても、菜月は元よりおやっさんに何て言ったらいいんだろう……
仁さんからは絶対何かされるし……麻衣や姉さんにも説明しなくちゃ。
「……どうしたの?やっぱり、無理しないで……」
「駆け落ち……」
「なに?ごめん聞こえなかった」
「そうだ、月へ行こう!」
「はいぃ?」
「月旅行、してみたいって言ってたろ?」
「で、でもそんなっ、どうやって……」
「大丈夫。きっと何とかなるさ!」
「……うんっ、行こう!」

春の深緑の中、二人の将来を誓い合った──


翠色(すいしょく)のバレンタイン  -fin-