8_5-840 名前:724-730の勝手な続き 投稿日:2012/09/19(水) 00:37:02.31 ID:T02Bdom8

 「司祭様……」
 「ヒッ!」
 エステルが、彼氏に聞かれたら耳を疑われかねないほどのおかしな声をあげてしま
った。もっとも、日曜の説話を終えて礼拝堂に誰もいなくなり、一息つこうとしたと
ころに声をかけられたのだからびっくりするのはおかしくない。
 不意を突かれた記憶がよみがえる。呼ばれた声にも聞き覚えがある。
 「あ、貴女は」
 「このあいだは、ありがとうございました」
 いつから立っていたのか、月人の少女がすぐ後ろにいた。見事な気配の消しかたに
エステルは、達哉に教えられた“ニンジャ・クノイチ”なるものを思い浮かべてしま
う。
 「あのときは、彼といっしょに、お礼に来るって言ったんですけど」
 そこにいるのは、申しわけなさそうにする彼女ひとり。
 「ま、まあ忙しいのでしょう。気にすることはありません」
 ふたりでなかったことにエステルはほっとしている。彼とふたりを前にしたら過激
な行為を自重するよう言い聞かせるつもりだったが、エステルには自信がなかった。
彼女ひとりだけでもその勢いに圧倒されたのに、男女ふたりが息を合わせてなにか言
い出したら止めようがない。



 エステルの言葉に少女は表情をほぐし、一歩踏み出して真摯な瞳で見上げてくる。
 「あの、彼と来る前にもうひとつ相談があって」
 「……どのようなことでしょうか」
 ものすごく嫌な予感がする。この少女の相談といえば、やはり前回と同じような、
その手のことに決まっているだろう。
 だからといって、聞く前から断るなんて司祭たるエステルにはできない。小さく息
を吸い、しっかりと心構えを持って、言葉を待つ。
 「これ、なんですけど」
 「……きゃあっ!」
 少女がすっと差し出したのは、反りかえった棒状のアイテム。エステルは一瞬、な
にかわからなかったが、愛しい男の股間から生えているモノとイメージを重ねて思わ
ず甲高い悲鳴をあげた。
 「そんなに驚かれるなんて、やっぱり司祭様は清純なんですね。これはバイブ、人
造のペニスです」
 わざわざ言葉による説明まで付け加えたから、エステルの顔は茹で蛸なみに真っ赤
になった。
 「彼が用意してくれたこれ、電動なんです。楽しみにして、使ってもらって、すっ
ごく気持ちがよくて、気絶しちゃいました」
 「そ、そ、そ、それはいい、いいことですね」
 道具で気持ちよくなるという概念はエステルのなかにまったく形成されていない。
でもそれがこの少女と彼のプレイで、楽しんでいるのならそれでいいと混乱する頭で
考える。
 「いいでしょうか?」せっかく司祭様に認めてもらっても、少女は浮かない顔。
 「私が言うのも今更なんですけど、彼のモノじゃない、単なるオモチャで感じすぎ
るのって変じゃないかと」
 「……」
 まさに今更、真っ向から正論を言われ、その通りと口を開きかけたエステルはあわ
てて閉じる。「変」と言い切るには知識も経験も足りない。浅慮もいいところ。
 小首をかしげ、これまでの経験からそれなりのアドバイスできないかと考えて、
 「別に、彼のアレじゃなくても、いいんじゃないでしょうか」
 エステルがぱっと思いついたのは、己の指。達哉への想いが高まりすぎて、下腹の
疼きに耐えられなくて、ベッドに寝転がってまさぐることがある。孤独な指戯でイッ
てしまい、疼きを満たしてしまうときがある。
 「え? 司祭様も、本物じゃなくても感じるんですか?」
 「ええっ!? あのその、そういうことは、あの……あ、あります」
 説得力をつけるためにあえて自分の恥を晒そうとしたエステルの前で、少女はぐっ
と強く、バイブを握った。
 「じゃあ、これでも感じるかどうか、試してください」
 「え、え、え、ええええーっ!」
 少女はにっこりと、あどけなさを残しつつも双眸に淫靡な光を帯びている。明らか
に「苛めモード」。少女に見つめられたエステルは「被虐モード」にスイッチが入っ
てしまった。
 「どうですか、司祭様。すごく感じますよね。私だけが淫乱ってこと、ないですよ
ね」
 「うあっ、ああっ、こ、こんなの強すぎ、て」
 「まだ、スイッチ入れてないですよ。司祭様、とっても敏感」
 長椅子に横たわったエステルは下着を剥ぎ取られ、秘部を指でいじられてジュクジ
ュクに濡れそぼってしまうと、間髪いれずバイブを突き立てられた。あまりの衝撃に
失神しそうになったが、達哉の一物で掘削され、開発されつつある淫穴はばっちりと
咥えこみ、襞は妖しいうねりと緊縮を開始する。硬さも太さも長さも、達哉のモノと
はまったく異なる人造ペニスに困惑しながらも性感は着実に反応し、漏れる声もしっ
とりと艶を帯びてきている。
 「ああっ、綺麗です。司祭様の彼氏もこんな姿を見て、興奮するんですね」
 「そ、そういうこと、は……あふっ、ふ、ふはあああぁ」
 少女がおもむろにバイブを抜き差しすると、腰がくねる。脚がふらつく。無意識に、
男を魅了する身じろぎを見せている。謹厳な司祭服のまま悩ましく淫らに身を揺する
のだから、少女の言う通り達哉がもしこの場にいたら沸騰した劣情に我を忘れ、バイ
ブを抜き去って勃起を猛然と突き刺すに違いない。
 「クリトリスが勃ってます。可愛い」
 「んあっ!」
 バイブを握ってないほうの手が伸び、そっと肉芽を揺らした。ヴァギナに発生して
いる快感よりも鮮烈なパルスが駆け抜け、エステルは着衣の身を跳ねあげた。
 少女は巧みにバイブを操作し、達哉のモノしか知らないエステルは惑いながらも大
いに乱れる。ここぞというときに淫核をまさぐり、快美の大波を送りこむ。
 「司祭様のなか、すごく締まって」
 感じ入った司祭少女の締まりはきつきつで、ちょっとの力では押すも引くもできな
い。ぐっと引くと粘膜ごと外へ出てきそうな感触があって、少女は驚嘆の声をあげる。
驚き誉めるだけでなく、淫らな粘膜を揶揄する響きもあった。



 少女は苛烈に責めてエステルを快楽漬けにしながらもまだ一度もイカせていない。
 「これからが本番です。電動のパワーを知ってください。それでどれくらい感じる
か、教えてください」
 「あ、あ、ああぁ……だめ、だめよ。今でももう、ああっ、これよりもすごかった
ら、私、私ダメっ。死んじゃう」
 「はい。死んじゃうくらい気持ちいいです。私もそうでしたから」
 少女は小悪魔のほほえみを浮かべると、スイッチを入れてバイブから手を放した。
 「ンヒイイィン!」
 ウインウインという淫猥な音をエステルの悲鳴が消す。
 バイブが自動で動く。抜き差しがなくても、亀頭が、竿が、根元が、独立して動く。
くねって、うねって、エステルの内部を大いに責めたてる。
 「ひうっ、う、うあっ、ん、ぐ、ひいいいぃ」
 本物のペニスは、ピクピクと蠢動するくらいであとは腰から伝わる動きで女穴を動
く。電動バイブの動きはまったく違う。本物では与えられない禁断の愉楽にエステル
はおののき、喘ぎ、悶え、蕩けていく。
 「あ、やっぱり司祭様もそんな顔に。だらしないです。でもそれが、ああ、すごく
イヤらしい」
 アヘ顔、ビッチ顔、どう呼んでも蔑みにならないくらい、エステルの顔つきはふし
だら極まりない。聖女は淫女へ堕していた。
 見入る少女も顔をほてらせ、蕩けていく。堕ちきった司祭の姿に満足してうなずく
と、外に飛び出しているバイブの端を握りなおして、抜き差しを再開させる。
 「やめ、やめて……んぐ、んふ、んあっ、あひ、ひいいぃ」
 下手な抜き差しなら自律するバイブの動きの邪魔になるだけだが、己の身でその動
きを知り尽くしている少女はバイブの責めを数倍にも厳しくする抜き差しを繰り出す。
 「あうッ!」
 双眸の焦点を失ったエステルがかくんとあごを反らせ、下腹がひくんと跳ねたとき、
 ピュッ、ピュピュッ。
 バイブを咥えこんだまま、破廉恥にしぶかせた。
 「……すごい。司祭様が潮を」
 「あ、あ、あひぃ」
 尿道口から透明な粘液を迸らせながら膣口からも愛液がバイブとの隙間を縫ってあ
ふれだしている。少女はバイブを動かす手をとめ、淫猥すぎる放水に見入った。
 「ぐしょぐしょに濡らして、こんなにイヤらしい。でも、それなのに綺麗。ああ、
司祭様は別格です」
 潮噴きが一段落すると、双眸を爛々と輝かせ、今まで以上にバイブを出し入れする。
危険なくらいに過激に操る。
 「イッてください。私と同じように感じて、私よりも感じて、オモチャの素晴らしさ
を証明してください」
 「い、あ、あ、あ、アアッ、アッ、アウッ!」
 遂にイッてしまったエステルの目が大きく見開かれる。口も開く。でも声はない。
あまりに強烈すぎて、熱い喘ぎしかこぼせない。手も脚もピーンと伸び、ピクピク震
えあがっている。愛液をしたたかに漏らすだけでなく再び潮を派手に噴出し、粘液は
床まで飛んで小さな水たまりを作った。



 「よかった。司祭様も感じてくれて。ほっとしました」
 「……ア、ア、アアァ」
 少女が穏やかにほほえんでいるのに対し、エステルはまだエクスタシーの波に揺さ
ぶられている。
 「じゃあ、私はそろそろ」
 電動バイブをエステルのなかに突っこんだまま、少女はゆっくりと腰を上げた。
 「それ、差し上げます。最初から司祭様へのプレゼントのつもりだったんです」
 「……な、なぜ」
 かろうじて瞳を少女へ向け、消え入りそうな声で問いかけるエステル。
 「彼がもっと強力なのを用意して、そっちのほうがもっと良くて、実はもう物足り
ないんです。だから司祭様に使ってもらって、良さをわかってもらえればって」
 澄んだ瞳をきらめかせ、えへへと舌をちょこんと出し、可愛らしく笑う。
 「それ、自由に使ってください。自分でするのもいいですけど、彼氏に使ってもら
うほうが気持ちいいはずですよ。彼氏も大興奮しますし、バイブと本物でフタアナゼ
メで、あれはもっとすごくて、司祭様はひょっとしたらお尻の穴でもオモラシして――」
 淫らに浮かれる少女のマシンガントークが炸裂する。意識がおぼろなエステルにス
トップがかけられるはずなく、ひたすらしゃべり、舌の動きが鈍ってようやく。
 「――あ、すみません。ひとりでしゃべってしまって。じゃあ、また来ますね。今
度こそ彼と……そうだ、司祭様も彼氏を呼んでいっしょに、四人で会いませんか。そ
うしたらきっと、ウフフ」
 怪しげな声が消え、ちょっとしてからパタンと戸の開閉音が聞こえる。
 エステルは動けない。股間にバイブを突っこまれたまま、だらしなくあお向け。今
なお快楽の揺れ戻しで肢体が痙攣し、艶かしい喘ぎを漏らしていた。