8_5-823 名前:はにうられ・第7回 投稿日:2012/09/18(火) 21:43:29.17 ID:Xcj4wmPJ

 既に無人となった放課後の教室は、随分と早くなった夕焼けで赤く染まっている。
 「まったく……」
 中に入って自分の机の中を手探りで探してみると……あった。男子の物ほど大きく無いとは言え、
お弁当箱を忘れるなんて、我ながらどうかしている。確かに鞄に入れたと思っていたのに。
 「やっぱり、疲れているのかしら?」
 部活と学級委員長の両立は去年もやっていたし、慣れているはずなのにと頭の中で首を捻りなが
ら秋山文獅ヘ机の中をもう一度確認してからきびすを返す。去年と言えば、あれだけ元気いっぱい
で減らず口だけなら学年トップの久住直樹が死んだように大人しくなってしまったのが妙に気にな
って仕方がない。人目を避けるどころか逃亡中の指名手配犯のように自ら孤立して過ごしている様
子を横目で見ていると、一年の頃から同じクラスで委員長を務めている文獅ヘ安堵を通り越して不
安さえ覚えてしまう。
 「去年のままだと、それはそれで頭痛の種なんだけど」
 文試ゥ身が弓道部の部活を終えている時間。グラウンドの喧噪もとっくに消え、人気も絶え照明も消
えた校舎の廊下は、なんだか非現実的な世界を作り出している。まるでこの世界に自分だけ取り残
されてしまった様な孤独感が……
 「あ、秋山さんお疲れ〜」
 中央階段を降りた先、整然と並んだ玄関前の下駄箱に誰かが背を預け立っている。紅色の逆光で
よく見えないが、文獅ニ同じくらいの背格好か。
 「誰!?」
 今にして思えば、この時に文獅ヘ言いようのない不信感を感じ取っていたのだろう。自然と詰問
調になってしまっていた。
 「そんな恐い顔しないでよ〜。秋山さんと親しくって待ってたのにさ〜あ?」
 ゆらりゆらり、と女生徒らしいシルエットが近づいてくる。思わず半歩退いてしまう文氏B
 「あなた、菅原悦子……さん!?」
 「あれ、アタシのこと知ってたんだ? よろしくね〜?」



 底意地の悪そうな笑みで近寄ってくるのは、同じ学年の菅原悦子。直接話したことはないが、そ
の素行の悪さから何度か噂を耳にしたことがあるし遠目に顔を見たこともある。真面目な文獅ニは
正反対のタイプの女生徒で、出来れば一生関わり合いにはなりたくない相手なのだが。
 「宜しくも何も……一体なんの用ですか?」
 武道を嗜む者らしい無駄のない動きで菅原との間合いを取る文氏Bここで生来の真面目さや礼儀を
差し置いてでも逃げ出していれば助かる可能性も高かったのだが、間もなく自分の身に降りかかる
未来の悲惨さなど知る由もない彼女には出来なかった。
 「用っていうか〜、秋山さんには『郷土文化研究会』の部員になって貰おうかな〜って」
 「はぁ? あなた、何を言って……」
 突如、背後に感じた何者かの気配に慌てて振り返る文氏B

 (パシュッ)

 「………っっ!?」
 だが、それこそが罠だった。自分から視線がそれた瞬間を狙い、菅原が撃ったエアテイザー(電
極射出型スタンガン)が脇腹に突き刺さり……



 ぎし、ぎし……と簡易ベッドのきしむ音と発情した少女の甘酸っぱいフェロモン臭が狭い部室の
中を満たしている。
 「もっとお尻を高くあげて……そう。俺の動きを追いかけるようにリズムを合わせるんだ」
 指導している直樹と同じ二年生の部員、愛沢冬香は四つん這いのままユラユラと腰を揺すって快
感に溺れていた。
 「久住君、奥がぁ……ねぇ、奥までぇ!」
 「だったら自分から飲み込むようにしないと、ほら?」
 「あん! くぅ〜ん!」
 冬香の両手首はプレイ用の手錠でベッドの端に繋がれており、思うようには動けない。それが分
かっている上で直樹は少女を焦らすように浅い部分だけを指で執拗にいたぶる。例え彼女がどんな
にヒップを動かしても指は奥まで入ってこない。
 「ん〜〜っ、ん〜〜〜っ!!」
 やがて我慢の限界に達したらしい冬香が恥も外聞もかなぐり捨てて動物のように腰を突き出して
くると、直樹は揃えていた指の間を広げて、すっかり解れた膣口を更に拡張する。
 「あ……ひゃっ!?」
 開いた隙間から冷たい外気が胎内に流れ込んで冬華の体が震える。
 「どう、痛い?」
 「痛くはないけど……広がって……」
 「うん、奥の方までウネウネ動いてるのが丸見えだよ。それに興奮でネバネバになった君の汁が
涎みたいに垂れ流しだ」
 「や、やだ! やだぁ!!」
 羞恥に染まった声さえも甘く、腰の動きが止められない。下向きになったことでタポタプと揺れ
る豊満なバストは汗にまみれて光り、先端が痛いほどに張っている。
 「大丈夫みたいだね。じゃあ、この太さを体で覚えるんだ」
 ここまで広がっても痛みがないのなら、もう大抵のモノは受け入れることが出来る。開発が順調
に進んでいる事を確信した直樹は、その太さのまま冬華の一番奥まで一気に突き入れる。
 「ひっ、ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!!」
 そのまま冬華が達するまでには数分もかからなかった。



 「………あ、直樹」
 その後、数人の部員の指導とケアを終えて疲れ切った直樹が寮に戻ろうと校門を潜った所で、待
ち構えていたツインテールの従妹に呼び止められた。
 「何だよ、急いでるんだけどな」
 胸の苦しさに耐えつつも直樹は茉理を突き放す。余計な事に巻き込まないために。
 「ごめん……」一緒に暮らしていた頃には考えられなかったほどのしおらしさ。上目遣いに顔色
を伺いながらも茉理は直樹の腕に身を寄せてくる「……でも、直樹にどうしても聞いて欲しいこと
があるの。だめ……かな?」
 お願いだから逃げないで、と直樹の左手を小さな両手で包み込む茉理。ほんの十数分前まで何人
もの少女の体を弄び、愛液塗れになっていた自分の指が従妹を汚してしまう様に思えて直樹は反射
的に茉理を振り払ってしまう。
 「あっ……!!」
 「い、忙しいって言っただろ!」
 今にも泣き出しそうな声に絶えられない直樹は背を向けて足早に立ち去る。いま、振り返って
顔を見たら自分の方が号泣してしまいそうなのだ。
 「直樹、待って! 直樹!!」
 いつの間にか早足は駆け足に、そして全力疾走に。夕暮れの中、あらん限りの力を振り絞り直
樹は寮へと逃げ帰った。



 「茉理……ちゃん?」
 「うぅ、なおきぃ……」
 「茉理ちゃん、こんな所でどうしたの? ね、泣いてちゃわからないよ?」
 「……保奈美さん、直樹が……直樹が……」
 「なおくん? なおくんがどうかしたの? ほら、立てる?」
 「ぐす……ぐす……」
 「拭いてあげるあらジッとして……うん、きれいになった」
 「ぐす……ぐす……」
 「とりあえず、私の家に来る? 相談に乗ってあげるから」
 「……うん」