8_5-436 名前:「あけるり」フィーナSS 投稿日:2011/03/29(火) 12:50:06.68 ID:zo4X+w0s

「ああぁ……」
 フィーナ・ファム・アーシュライトが肉欲混じりの呻きを漏らす。素っ裸でベッド
にうつ伏せ、尻を男に向けて突き出す卑猥なポーズを自分から取ってしまった。
 股間を熱り立たせる達哉が背後に迫り、ぐっと肉房を握って左右に引いた。秘唇だ
けでなく膣の内側まで見られる恥辱にフィーナの呻き声が大きくなる。
「ひっ!? そ、そこは違う」
 鈍い呻き声が一転、とまどい混じりの高いものに変わる。濡れそぼった膣穴を貫か
れると覚悟していたのに、ペニスの先が接触してきたのはその上、排泄に使われる窄
まりだった。
「違わないよ。フィーナが感じるところだ」
 達哉は落ち着き払った声を返し、亀頭をぐいぐい押しつける。本気で侵入する勢い
はなく、菊座をじっくり丁寧に刺激し、責めたててくる。
「あ、あ、ああっ。感じる、なんて……」
 否定し、拒みたくても、口から出る声はすでに淫情を帯びていた。お尻の穴は、刺
激されれば快美が生まれるだけでなく、恥辱を煽られることで官能がどうしようもな
く昂ってしまう禁断のスポット。いけない、と思うことでいっそう感じてしまう。
 尻を抱えこまれ、アヌスを執拗に責めさいなまれているうちに、秘奥が疼いて蜜が
外へ滴りはじめた。すると達哉は陰茎をずらし、割れ目で往復させて亀頭や竿を愛液
にまみれさせ、窄まりに戻してあらためて愛撫をほどこす。恥蜜に先走りのカウパー
も混じり、ねっとりとした液が付着することでアヌスの感覚が鋭敏になる。粘っこい
刺激を受けつづけてフィーナの性感は狂おしいまでに高まり、裸身を妖しくくねらせ
てしまう。
「そろそろ、入れてほしいんじゃないか?」
 彼の優しい声には、誘い求める淫姫を揶揄する響きがある。
「い、入れて……ああ、入れるのはそこじゃなくて」
「ここじゃない? うそだろ、フィーナ。ここに入れてほしいって思ってるだろ」
 地球人の男はきっぱり言って、ペニスで尻房を撫でまわしてから穴の入口をちょん
ちょんつついた。指よりも器用に動く勃起に月の姫は翻弄され、遂に本心を吐露し、
排泄孔への挿入をねだってしまう。
「よし。入れるぞ」
 尻肉が掴みなおされた。ぴったりあてがわれた勃起から強い意志が伝わってくる。
「アッ!」
 生々しい声をあげたときにはもう、太くて硬い肉棒がお尻に埋めこまれて……。


 フィーナは目覚めた。意識がはっきりし、達哉に愛された時間が夢と悟る。
 婚約が正式に認められたものの今なおふたりは月と地球に離ればなれ、夜をともに
過ごすことなどできはしない。
 お尻がじんじんする感覚が残っている。明晰な夢の記憶に顔も体も熱くほてる。
 ふしだらな夢を見たのは偶然ではない。フィーナは昨晩、達哉への恋情が高まり、
激しくオナニーに耽った。胸を揉み、秘部をいじるに留まらず、指先でアヌスを弄ん
だ。
 これまでの数少ない交わりで、達哉はアヌスに触れてきた。ちょっとしたアクセン
ト程度だったが、愛撫されたことでそこは性感帯としてしっかり花開いている。
 だからこそ王宮の夜、寂しさを慰めるオナニーでもいじるようになった。それは皺
穴をくすぐるまでだったのが、昨日初めて、激しい昂りのまま指を腸奥まで突き入れ
てしまった。アナルをなかまで刺激して、猛烈なエクスタシーに痙攣した直後、失神
するように眠りに落ちた。
 きっかけは達哉。悪癖にのめりこんだのはフィーナ自身。アナルオナニーに耽り、
とうとう淫らな夢まで見るようになった。
(ああ、だって、達哉と会えないから)
 夢を見るのは、離ればなれだから。彼とともに暮らせるようになれば、現実にベッ
ドで乱れる。アナルをいじられて羞恥に悶えても、満たされる。
(早く、早くいっしょになりたい)
 愛しさに胸を焦がし、疼きも大きくなり、朝っぱらからフィーナはオナニーをはじ
めてしまう。夢でしてもらった通り、いきなり指をアヌスに突き刺し、めくるめく悦
びに声を抑えることなく迸らせた……。

(終)