7-810 名前: 紅瀬ーいつか訪れる未来ー 投稿日: 2008/02/07(木) 20:39:21 ID:SZCczYae

ー私は病院の廊下を歩いている。とても静かだ。誰ともすれ違わない。窓から外を見ると雪が降っていた。ふと辺りを見るとドアが半開きの部屋があった。表札を見ると「支倉」と記されているのを見て私は背筋が凍った。恐る恐る部屋を覗いて見ると、そこには二人の男女がいた…



ー男性は患者なのだろう、ベッドの上に横たわり酸素マスクと腕に点滴をつけていた。年はまだ初老ぐらいだろうか。女性の方は流れるような黒髪のストレートで後ろ姿から察するにかなり若い。



はたから見れば祖父の見舞いに来た孫に見えるだろう。だけど…私には分かる。二人は祖父と孫の関係ではなく、夫婦だ



彼女は未来の私だ…数十年数百年経っても変わらない人外の者。何度目だろう…最期を看取るのは。自分でも分からない。この光景は私の未来なんだ…いつまでも続く愛しい人たちとの別れの…。