7-361 名前: 兄を求める麻衣の大冒険 [sage] 投稿日: 2007/09/03(月) 20:43:21 ID:LGmC7uOa

「はぁ……」
 月。丸く輝く満月を開けっ放しの窓から見上げ、麻衣は何度目かのため息を吐いた。
切なく、熱い吐息。
「お兄ちゃん……」
 今その兄はその月にいる。フィーナ姫の婚約者の兄。留学の期間は一ヶ月。
その留学も明日で終わり。明日には帰って来る。でも麻衣にとっては長い長い一ヶ月だった。
「寂しいよう」
 ハァと甘い吐息と共に、手はより深く下半身に潜っていく。
「……んぅ」
 達哉がいない間、麻衣ははっきり思い知らされた。兄がいないのがこんなにも寂しいことだと。
いくら体を慰めても寂しさは埋まらない。ただ切なさが漏れるだけ。
「逢いたいよぉ」
 ベッドの上で身を悶えさせ、潤んだ瞳で窓の外を、月を見る。誰かに覗かれるかも、なんて心配は考えもしなかった。
 明日には逢える。けどその明日が待ち遠しい。
「お兄ちゃん……。達哉」
 そっと名を呟くだけで、きゅっと身体が熱く火照る。埋めた指に滴がこぼれ、濡れているのを実感させた。
 一ヶ月逢えなかっただけでこんなにも寂しい。でも。これがずっとだったら?
フィーナさんと結婚して、ずっと逢えなくなったら?
「そんなの……やだ」
 潤んだ瞳に涙が滲んでくる。視界の月がおぼろげに揺れた。
「やだよ……お兄ちゃん」
 ではどうするのか? 麻衣はもう決めていた。
「決めたからね……わたし」
 明日は達哉が月留学から帰って来る日。
「早く……帰って来てね、お兄ちゃん……」
 股間に埋めた指がくちゅくちゅと音を響かせ、麻衣の小さなお尻がリズミカルに揺れ……頬が赤く染まり、甘い吐息が漏れる。
 でも。まだ足りない。寂しさを埋めるには。まだまだ足りない。
「うん……いいよ。お兄ちゃん」
 幻想の中の兄に呼びかけ、そして自分に覆い被さる兄イメージし、きゅんと胸が高鳴る。
 麻衣は決めていた。
「抱いて……お兄ちゃん」
 一度でいい。兄に抱かれる事を。
「んぅ」
 ベッドの上で白い裸身がピクンと飛び跳ねる。兄のことを想う度に感じてしまう。
「お兄ちゃん……わたし、エッチな子になっちゃったよ。お兄ちゃんのせいだからね」
 開いた窓からそよぐ風が火照った肌に心地いい。でも冷やすにはまだ足りない。
この火照りを慰めてくれるのはただひとりだけだから。
「お兄ちゃん……」
 好き。大好き。
 閉じた瞳から涙がこぼれる。
 どうして妹なんだろう。ううん。どうして妹になってしまったんだろう。
 股間を慰めていた指が裸の胸を滑り、髪を結ぶリボンに触れる。
「お兄ちゃん」
 好き。大好き。
 リボンに触れながら、麻衣はベッドに沈むように眠っていった。
窓を開けたまま。全裸で。



 一ヶ月の月留学を終えて帰ってきた達哉。
 その達也を待っていたのは、
「ごめんね……お兄ちゃん」
 カゼで寝込んだ麻衣だった。なんでも窓を開けたまま寝てしまったらしい。
「いいさ」
 ベッドで寝てる妹の熱いおでこに手を置き、達哉はよしよしと撫でてやる。
「それじゃあ、お姉ちゃんは仕事に行くから。麻衣ちゃんをよろしくね」
「ああ。あとは任せて」
「ごめんねお姉ちゃん……。お仕事大変なのに」
「いいの。麻衣ちゃんはしっかり休んでおいて。帰りにアイス買ってくるから」
 時刻は真昼。さやかは準備を済ませると、看病を達哉に引き継いでもらい月博物館に向かった。
午後からでも出勤するのは、館長代理としての責任感の強さか。
「さて……」熱で紅くなった麻衣の顔を見下ろし、達哉はホッと一息つく。やはりこの顔を見ると、
地球に帰ってきたという実感がある。
 だが達哉は気付いていなかった。麻衣の顔が紅いのは熱のせいだけではないと。
だから気軽に言ってしまう。
「何かほしいものないか?」
「ううん……」
 麻衣の手がそっとベッドの中から伸び、達也の手に触れた。
自分から触れながらビクッ、と逃れる麻衣の手を、達哉はしっかりと握る。
熱く、柔らかい妹の手を。
「どうした?」
「ここに……いて」
「ああ」
 微笑のまま、達哉はよいしょっと腰を落として座り込む。
 そんな兄を、麻衣は潤んだ瞳で見上げていた。ベッドの中では、汗がじっとりと噴き出し、パジャマに貼り付いて来る。
「……よかった。変わってない」
「ん?」
「お兄ちゃん……月に行っちゃっても、変わってなくてホッとしちゃった」
「そりゃ一ヶ月しかないからな」
 麻衣の手を握りながら、達哉はハハと笑う。
 月ではミアを抱いたり、フィーナに銃で撃たれたり、色々な経験をしたが、
麻衣に変わってないと言われると何故か安堵してしまう。
「なにかしてほしいことあるか?」
「ううん」
「遠慮しなくていいぞ」
 言いながら、手を繋いでない右手で濡れタオルを持ち、麻衣の額を拭いてやった。
汗で濡れた額を拭いてもらい、麻衣はホゥと熱い息を吐く。
「あ、あの……。それじゃ」
 体に汗が流れるのを感じ、小さな声で囁くように、
「か、体も……拭いてくれる?」
「ぐはっ」
 思わず固まってから、改めて麻衣を見下ろす。汗の浮かんだ麻衣の顔。
パジャマの下の体も汗だくだろう。握ったままの手も何だか熱くなってきた。
「わ、わかった」
 これは妹への看病。ただの看病。そう思いながら達哉は握った手を離す。
「ほら。背中出して」
 達哉の考えでは、背中を拭いてやるだけだった。だが、ベッドの上で横になったままの麻衣は、
「はい」
 パジャマのボタンを外し、いきなり左右に開く。



「ぐはっ!」
 今度こそ達哉は絶句した。麻衣はパジャマの下に何も着ていなかった。
すなわち可憐な二つの膨らみが目の前で自己主張のように揺れている。
「どうしたの? お兄ちゃん」
 慌てて目を背ける兄にくすっと意地悪な笑みを浮かべ、麻衣は手を伸ばす。
「あー。汗でべとべと。お兄ちゃん拭いて」
「いや。待て待て待て」
 タオルをぱたぱた振りながら、達哉の脳裏には小振りの乳房がしっかりと焼き付いていた。
フィーナよりは小さく、ミアよりは大きな胸。
「どうして?」
「どうしてって……」
 目を逸らしても、目に浮かぶのはさっきの胸ばかり。妹の胸。
「お兄ちゃん……」
 それ以上聞くのが怖くなって。達哉は遮るようにまくし立てる。
「分かった。拭く。拭くから」
 出来るだけ胸は見ないようにしながら、濡れタオルでまずは麻衣の首筋をなぞった。
「きゃっ」
 汗で濡れた体に冷えたタオルが心地よくて。麻衣はむずむずと身震いして。
 達哉はそのまま首を流れる汗を拭き、体を拭いていく。柔らかい胸を下げながら。
「あっ……アッ……。んぅ。ン……あん……」
 くすぐったいような甘い声が耳を打ち、胸の奥まで刺激する。
「こ、こら。変な声出すな」
「変な声って……んぅ、あっ……みたいな声?」
「だから出すなって」
「どうして?」
「どうしてって……」
「お兄ちゃん……変な気分になった?」
「おい」
「いいよ」
 ドキ、と達哉の鼓動が跳ね上がる。もしかしたら本当に跳び上がっていたのかも。
「お兄ちゃんなら……いいよ」
 麻衣の声が一層甘く響く。そして、ぎゅぅと、小さな手が達哉の裾を掴んだ。
「わっ」
 思わず達哉は後ずさって、麻衣の手を振り払ってしまう。
 見下ろせば、そこには見慣れた妹の小さな姿。
 熱に冒された赤らんだ顔、乱れたパジャマ、そして白い胸。何故か達也には、
その姿がとても怖いものに見えた。
「お兄ちゃん……」
 ハァとこぼれるような切ない声。
 ああ、と達哉は気付いた。これは女なんだ、と。妹ではなくただひとりの女としての麻衣。
「だ、駄目だろ。麻衣は妹なんだし……」
「妹じゃ……ないもん」
 するする、と髪を結ぶリボンがほどかれる。
「ほら。もうこれで妹じゃないよ」
 二つに結んでた髪をほどいて、麻衣がニコリと首を傾げる。ほどかれた髪がさらさらと流れた。
「麻衣……!」
 驚きで達哉は目を見開いてしまった。麻衣のリボンは兄妹の証。
「フィーナさんのこと気にしてるの?」
 麻衣の唇が近付いてくる。
「大丈夫だよ。誰にも言わないから」



 ちゅっ、麻衣のと唇が触れる。達哉の手に。
 咄嗟にキスを防いだ達哉は、優しい眼差しで麻衣を見下ろしていた。
「駄目だよ麻衣」
「駄目じゃ……ないもん」
「俺たちは兄弟じゃないと駄目だよ」
「え?」
 ふっ、と唇を曲げ、達哉は目の前の頭をよしよしと撫でてやった。
「麻衣は俺の妹だからな。妹ならずっと一緒にいられるだろ。だから……妹の麻衣が好きなんだよ」
「お兄ちゃん」
 好き。大好き、わたしも。
「だから……」
 達哉の手が差し出す。麻衣がほどいた白いリボンを。
「抱くなら……妹としてだ」
「うん……」
 麻衣の手が受け取る。妹の証のリボンを。
「お兄ちゃん……大好き」
「俺もだよ」
 再びリボンを結わえて元のツインテールのなる。自然に目から涙が溢れた。
 妹であることが嬉しかったから。
 こぼれる涙を舌で拭い、達哉はそのまま唇を近付けていった。紅い唇に。
「ん……」
 初めて触れた兄の唇は、とても大きくてとても優しくて。
「お兄ちゃん。大好き」
「ああ」
 口を離し、胸に顔を埋める妹の髪を優しく撫でてやる。麻衣のツインテールはやっぱり心地よかった。
「それじゃ、おやすみ」
「え?」
 布団をかけられ、麻衣はきょとんとしてしまう。
「……今しないの?」
「麻衣はカゼひいてるだろ?」
「お兄ちゃんが治してよ」
「こら」
 クスッ、と笑い今度は麻衣からちゅっとキス。
「だったら……お兄ちゃんにうつして治すから」
「それもいいかな……」
 ちゅっとまた唇を重ね、達哉は開いたままのパジャマの内に手を伸ばす。
 小振りの乳房は触れるととても柔らかで。つい、そのまま揉んでしまう。
「んっ……」
 甘い鼓動を直に感じ、達哉も汗ばんできた。
「ほら。汗でいっぱいだろ」
 胸はもう汗ですべすべだった。その上を達哉の手がなぞっていく。
「…んっ……。お兄、ちゃん……エッチな手で触るからだよ」
 熱い吐息と共に、麻衣の手がするっと股間を触ってくる。もっこりとふくらんだ達哉の股間を。
「ほら……。ここもエッチになってる……」
 エッチなのは麻衣だろう。股間をむずむずさせて達哉は思った。
「お兄ちゃんのここ……すごくあったかい」
 ベッドから手を伸ばしながら、麻衣は兄の膨らみの熱を感じ、ほうっと息を吐く。
「麻衣だって」
 負けじと達哉も、麻衣のパジャマの下に手を伸ばす。
「ここも……穿いてないのか」
 麻衣はパンツも穿いていなかった。入れると、直接肉の割れ目を感じた。
「あんっ……。やっぱり、お兄ちゃん、エッチだよぉ……」



 潤んだ瞳で見上げ、麻衣は心持ち腰を上げた。あそこを直接触られ、恥ずかしさと官能で体が浮き上がってしまいそう。
 ふに、と達哉の股間を掴む手にも力が入る。
「んっ……麻衣」
「なに? エッチなお兄ちゃん」
「その……あんまり強くつかむと……」
「感じちゃうんだ……」
 手の中の膨らみをもみもみと揉むと、ビンビンに跳ねるのが感じられます。
「嬉しい……。感じてくれてるの?」
「麻衣もな」
 達哉の手に触れる麻衣の割れ目もじゅっと熱く潤んでいた。そのまま割れ目に指を走らせ、
「あんっ!」
 浮いた麻衣の腰から手を引き抜く。
「ほら。こんなにエッチな汁出して」
 指についたテラテラ光る愛液を見せつけ、そのままぺろっと舐めた。
「やだ……」
 赤い顔がさらに赤くなってしまう。だってだって自分の恥ずかしい汁を目の前で舐められたのです。
「うん。麻衣の汁……美味しいよ」
「もう……」
 赤い頬に汗を浮かべ、麻衣の手がじゃーと兄のチャックを降ろす。
「ま、麻衣!?」
「このままじゃ……キツイでしょ?」
 前が開くと同時、勃起したモノがぽんと飛び出し、天を向いた。根元には黒々とした陰毛。
「ほら……もうこんなに……」
 目の当たりにする男の象徴に怯えもせず、麻衣は舌を伸ばし、ちらちらと先端をなぞっていった。
「くっ……」
 がくんと揺れる達也の腰に合わせ、麻衣も舌を動かしていった。
「ふふ……」
 そしてぱくっと口に含み、分身を口いっぱいに包み込む。愛する兄を包むように。
頬に当たる陰毛の感触が心地いい。
「うぐっ……麻衣……!」
「ひゃぁにいぃ?」
 分身を入れたままモゴモゴと口を動かす麻衣。その刺激に達哉は前の前が真っ赤になる。
「も、もう……!」
 うん、いいよ。だして。
 根元を吸い取るように麻衣は口をすぼめ、達哉の分身がビクッと跳ね上がった。
「はうっ」
 ふっと気を抜いた瞬間に達哉は射精してしまう。口に入れてもらって早々に。
「きゃっ」
 思わず麻衣は口から離してしまい、ビクンっと天を向く分身からぴゅっと白濁液が漏れて、頬を汚し、胸にかかった。
白い胸を白濁液が流れ、麻衣は背中をゾクゾクと震わせる。そして妹の顔にかけた達哉も背筋を震わせ、ハァハァと熱い息を吐いていた。
「ふふ……。もう出しちゃったんだ」
 頬にかかった精液を舐めると、麻衣はぺっと舌を出し、
「にがーい」
「悪い……」
「いいよ。お兄ちゃんなら」
 何故か照れ笑いを浮かべる兄と妹。



「お兄ちゃんの……まだまだ元気だね」
 達哉の分身は麻衣の顔の前でまだまだ元気いっぱいに飛び跳ねている。
「よいしょっと」
 麻衣は脚をあげて下のパジャマを脱いで、秘所を晒す。薄い陰毛に覆われた濡れた割れ目を。
「きて……いいよ。お兄ちゃん」
 そして恥ずかしげにそっと股を開くのだった。
「麻衣……」
 上のパジャマをはだけ、股間を晒して誘う妹にごくっと生唾を飲み込み、達哉もまたカチャカチャとズボンを脱いだ。さらにシャツも脱いでこちらは全裸になる。
「寒くないか?」
 カゼをひいてる麻衣を一応は気遣う。
「大丈夫……お兄ちゃんが暖めてくれたから」
「そうか」
 そして麻衣の上に覆いかぶさり、さらに全身で暖めてやる。肌を重ねたままちゅっとキス。
さっきちんこをしゃぶった口に。
「これじゃ看病にならないな」
「そんなこと……ないよ」
 大好きな兄に包まれ……麻衣はとっても熱いのです。燃えてしまうかと思うぐらいに。そして、
「ひゃうぅ……溶けちゃうよぉ」
 切なくて、熱くて。むず痒くて。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん」
「ああ」
 潤んだ瞳からこぼれる涙をぺろっと舐め取り、達哉は下半身を麻衣の腰へと滑らせる。
「ひゃうっ!?」
 固く勃起したものを太股に感じ、麻衣はビクッと震えてしまう。その震えを感じながら、
達哉は抱き合ったまま焦点を合わせていった。
「うん……そこだよ」
 女芯にぴったりと固い肉を感じ、麻衣は腕の中で頷く。
「そこ……挿れて」
 そして受精して。
 腕の中で震えたまま固まる麻衣のリボンにそっと口を合わせ、達哉は熱く潤う秘所に腰を進めた。
「いくよ……」
「う、うん……」
 ぷるっ、と先端に固い肉の壁が遮るように立ち塞がる。それも最初だけ。
先端がむにゅっと肉の割れ目を分け入ると、愛液に導かれるようにするっと滑っていった。
「はううぅ!?」
 必死にしがみつく麻衣。達哉は懸命に抑えながら、膣の狭さにその気持ちよさに驚いていた。
これで全部入れたらどんなに気持ち良いか……。
「いい、よ……。お兄ちゃん」
 汗を浮かべながら、麻衣が涙目で見上げてくる。
「大丈夫……だから」
「ああ……」
 達哉の頬を流れる汗が麻衣に落ちる。そして繋がっている下半身がより深く埋まっていった。
「うぐうぅ……あんっ」
 兄の背中に手を伸ばし、麻衣は必死に耐える。圧迫感に。
 カゼをひいてるせいだろうか。不思議と痛みはそれほどなかった。



「ああぁ……お兄ちゃん……お兄ちゃん……」
「くっ……んっ」
 耐えているのは達哉も同じだった。麻衣のナカはあまりに気持ちよくて。とろけてしまいそうに。
入れたばかりだが、もう耐えられそうもない。
 ギチ、ギチ、と狭い麻衣の膣を分身が引き裂いて進み、やがて止まり、動かなくなった。
「ああぁ……ハァ……」
 麻衣は兄に抱きついたまま胎内の兄をもしっかりと感じ、達哉は妹のナカに入れながら身動きできなくなる。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……」
 耳元で熱い吐息とともにこぼれる囁きが、胸をきゅんと打ち、ゾクゾクと背筋を駆け上がる。
血の繋がりはないとはいえ、麻衣は妹。その妹と一つになっている。その背徳感が限界を後押しした。
「ま、麻衣……もう」
「えっ!?」
 考える間もなく、ドクッ、と熱いモノが胎内で爆発し、注がれていく。
「はうぅ!?」
 麻衣の腰がびくっと跳ね上がり、達哉も腰を浮かせる。その衝撃ですぽんとちんこが抜け、
麻衣のお腹に白濁液を滴らせた。
「ハァハァ……」
 熱い吐息を吐き続け、達哉はしっかりと麻衣を抱きしめる。
 麻衣も兄を抱きついたまま、息を整えていた。その股間からは血と白濁液がこぼれている。
「もう……早いよお兄ちゃん……」
 最初に口に出たのは悪態だった。何が何だか分からないうちに終わってしまった。
でも初めてならこんなものだろう。
「ごめん……」
 フィーナやミアで慣れてるつもりだったが。やはり妹との情事は一味違うものか。
 達哉は横向きになり、麻衣の頭をよしよしと撫でてやる。
「ううん。いいの。すごく嬉しい」
 兄の胸に頬を寄せ、麻衣はにぱっと笑顔になる。
 この笑顔に弱いんだよな、と達哉は改めて思い知った。胸に当たる麻衣の頬はとっても熱い。
「ねえ……」
 麻衣の潤んだ目が訴える。もっとして、と。
「駄目だ。麻衣はカゼ引いてるんだから」
「えー?」
「カゼが治ったら……な」
「うん」
 よしよし、と頭を撫でられ、麻衣は素直に頷いた。そう。これからもっとできるんだ。
同じ家に住んでるんだから。どうして今まで気付かなかったのだろう。
 今日はこれで終わりと、達哉はベッドから降りて服を着始めた。麻衣もいそいそとパジャマを着る。
「それじゃ、水代えてくるよ。ちゃんと体拭いて寝るんだぞ」」
 今更ながら照れ臭そうに達哉は洗面器を持って廊下に出て行く。
「ふふ」
 ベッドに戻った麻衣は計画が大成功し、にぱっと笑っていた。兄を誘う小悪魔の笑み。
 そう。全ては麻衣の計画通り。
「やっぱり……病気になったら優しくしてくれた」



 病気になればお兄ちゃんは優しくしてくれる。だから麻衣はカゼをひくことにした。
窓を開けっぱなしで裸のまま寝たのもカゼをひくため。
そして予想通りお兄ちゃんは優しくしてくれた。
 でもそれだけじゃ駄目。お兄ちゃんにずっと一緒にもらわないと。
 麻衣の手がお腹をなぞる。射精されたばかりのお腹を。
「ふふ。赤ちゃんできるかなー」
 赤ちゃんができたらお兄ちゃんはずっと一緒にいてくれる。そう信じて。

 一方。廊下に出た達哉はさっと蒼ざめていた。
「フィーナに知られたら……怒られるだろうな」
 今更ながら婚約者のフィーナを思い出してしまう。どんなお仕置きが待っていることか。
そう思うとぞくっと背筋が冷え、ごほっと咳が出た。
「やべっ。カゼひいたかな」

 カゼの麻衣を抱いて、達哉までカゼをひいたのは後日のことである。
 そして菜月がお見舞いにきた。

(おしまい)