7-145 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/05/20(日) 02:35:50 ID:a/HcSrYg

 はぁ〜、とクリフは気の抜けた溜息を漏らす。シンフォニアの中
心部に鎮座している王城の中庭の空気は昼下がりの柔らかい日差し
で程良く暖められ、綺麗に刈り揃えられた芝生も健康そのものの青
い香りを辺り一面に漂わせつつ、そよそよと微風に揺れている。
 「とりあえず、だ……」こんな昼寝日よりの午後で場所で、自分
は一体何をしているんだろうと呆れながら、クリフは気を取り直し
て目の前で木刀を構える三人の若者に向き直った「……こう見えて
も皇太子殿下ってのは色々と雑用が多いんでな。面倒だから三人纏
めてかかってきてくれないか、悪いけど?」

 「「「ッ!!」」」

 まるで自分が勝つのが分かり切っている(事実、そうなのだが)
と言わんがばかりのクリフの口調と態度で、彼と対峙している三人
の瞳に隠しきれない怒りの色が浮かび上がる。
 (だから、この程度の徴発で気色ばんで冷静さを無くしちまうか
ら駄目だって言ってるんだよ……)
 等と思わず頭の中で愚痴ってしまうクリフ。そんなクリフを囲む
でもなく、馬鹿正直に並んで正面から向かい合おうとしているのは
シンフォニアの若き騎士達。フラリと放浪の旅から戻って来るや否
や、アッと言う間に王位継承者として入城するわ、それでいて騎士
団の中でも屈指と謳われる剣士であるエレノアの師匠であったり、
その上レティシア姫にも慕われ婚約候補の筆頭にイキナリ躍り出た
りするわと理不尽極まりない速度で階段を駆け上がってきたクリフ
に懐疑的な目を向ける者は王宮内でも決して少なくないし、代々シ
ンフォニア王家に仕えてきた貴族階級でもある騎士団の内部には「
隙あらば!」とばかりにクリフの化けの皮(?)を剥ごうと虎視眈
々と機会を窺っている勢力もあると聞く。



 (まぁ、こいつらは単純に俺の実力を確かめたいだけらしいし、
猪突猛進なだけで根は悪い連中じゃないんだろうが……)
 こうして不意に手合いを申し込まれるのも殆ど日常茶飯事。それ
を軽くかわせる程器用でもなく、手を抜いて場を丸く収めることも
立場上出来ないクリフが連戦連勝記録を渋々伸ばし続けている、と
いうのが現状だったりする。
 「で、では……殿下……!」
 「おう、これも鍛錬だからな。死なない程度に本気でかかってき
てくれ。五体満足なら恨みっこ無しだ!」
 クリフの言葉を合図に、一同が一斉に木刀を構え……


 「お兄ちゃんっ!!」


 その台詞とは裏腹(?)に、まるで弟………いや、それどころか
子供を叱るような凜とした少女の気で、空気が凍った。
 「…………し……」
 「シルフィ……殿……」
 「あ、いや、フィー、これはだな?」その中でも最高権威者であ
る筈のクリフが一番動揺している様子は滑稽を通り越し、或る意味
哀れというか「ちょっとした暇つぶしっていうか、将来の部下との
コミュニケーションというか、要するに……」
 「問答無用!!」
 法衣の長い裾を揺らしながら大股で歩み寄ってきたシルフィーは
有無を言わさず素早さで兄から木刀を取り上げる。周囲の状況とい
うか世間体というか、そんな諸々にはお構いなしで『めっ!!』と
か言い出しそうな瞳で身長も体重も遙かに勝る兄を下から睨んで自
信満々に威嚇。



 「駄目でしょ、こんなことしたら!」そして可憐な唇から紡ぎ出
されるのは、予想通りの説教「お兄ちゃんは、将来王様になる人な
んだよ。それが若い兵隊さんを集めて弱い者いじめするなんて、最
低ことだと思わないの!?」
 「へ、へいたい……?」
 「……よわいもの……いぢめ……」
 何やら『ガーン!』という感じの擬音が頭の上に乗っかってそう
な呟きも聞こえるが、いまのクリフは自分の身を守るだけで精一杯。
万が一にでも火に油を注ぎ込むようなことにならぬよう、ひたすら
頭を下げて妹の非難を謙虚に受け止めるのみ。
 そんな兄の態度を真摯な反省と受け止めたらしいシルフィーは、
未だにシルフィー自身が放った言葉の刺のダメージから抜けきって
いないらしい三人の方へと向きを変え、ペコリとなんの躊躇もなく
頭を下げた。
 「ほんとうに、ごめんなさい。お兄ちゃんには、後で私から厳し
く言いつけておきますから、どうか嫌いにならいでやって下さいま
せんか?」
 シルフィ・クラウド。現皇太子のクリフとは兄妹として育てら
れた大人しめの女の子で、宮廷神官の中でも最も若く、サラサラと
揺れる栗色の髪と大きな瞳が似合う美少女。
 「いえ! めめめめっそうもないっ!」
 「お……私も、殿下自らのお手で御指南を頂けるだけでもじゅー
ぶん幸せでありますからっ!」
 「我らはっ、騎士の名誉に誓って殿下や王家に最大の忠誠をもっ
てお仕えしていく所存でありますっ!」
 清楚さの象徴のような法衣に身を包み、上目遣いでウルウル目の
シルフィお願いされて断れる男など、少なくてもシンフォニア王城
の中には一人も存在しないだろう。
 「そうですか!」胸元で祈るように手を組みながら心底嬉しそう
に破顔するシルフィ「こんなお兄ちゃんですけど、これからも仲良
くしてあげてくださいね?」
 こんな平和なシンフォニアの未来が、ちょっとだけ不安になるク
リフだった。



 「……言い訳するわけじゃないが、さっきのは連中の方から言い
出してたことであってだな……」
 「そんなこと、言われなくったって知ってるよぉ。」
 その後『それじゃあ、これからお兄ちゃんに神の教えをシッカリ
と教えてきますね?』と笑顔で襟を掴んだ妹に引っ張られて自室
まで戻ったクリフは、これまた妹の言葉に目を丸くしていた。
 「…………………はい?」
 「だって私、隠れて一部始終を見てたんだもん。」
 「………見て、た……?」
 「でも、あの場はああして収めないと、またお兄ちゃんが全員返
り討ちにしちゃってたでしょ? お兄ちゃんはそれで良いかもしれ
ないけど、あとでフォローするレティとかエルの事も考えてあげな
いと駄目だよ?
 「う、むむ……」
 「エルが言ってたよ? 『クリフは基本的に良い奴だけど、妙な
所で融通が利かないから困る』って。もうお兄ちゃんはお兄ちゃん
だけのお兄ちゃんじゃないんだから、もうちょっと周りを見て行動
しないと駄目だよ。」
 自分は、あのエレノアに心配されるほど頭が固い男だったのかと
聞き返しそうになったクリフだが、それが自分の死刑執行書になる
こと位は理解もしていた。
 「あの……お兄ちゃん、ごめんね?」
 「…………はい?」
 などと思考している間に話題が変化していた。
 「お兄ちゃんが大変だって分かってるのに、私、側にいて慰めて
あげられない。もう妹じゃなくて恋人なんだから、こんな時こそお
兄ちゃんを支えてあげないと駄目なのに。」
 「あー……フィー?」
 「その……えっちだってあんまり出来ないし、お兄ちゃんだって
男の人だから、えっと……出来なかったらストレスが溜まってイラ
イラしたりするよね?」
 「いや、それとこれとは余り……」
 「で、でもっ! 今日は少しだけど時間を作ったから、少しだけ
だけど、おおお、お兄ちゃんを疲れを癒してあげることが出来るか
なって思って!」
 ……関係はないような、という言葉は喋らせて貰えなかった。
 「だけど、あんまり時間がなくて着替えたり体を拭いたりする事
が出来無くって、服が乱れてたり汚れたりすると変に思われちゃう
かも知れないから、その………おお、お口で……良い?」
 「っていうか、別にそこまで……」
 「……駄目、なの……?」
 「…………………お願いします。」
 ……無理しなくても、と言う言葉も最後まで言わせて貰えなかった。



 「……ん……んくん……」
 ベッドに腰掛けたクリフの足の間に跪き、まだ半勃ちの兄のイチ
モツを大事そうに口に含み、たっぷりの唾液で濡れた舌と口内粘膜
で優しく擦るシルフィ。妹の体内の熱と柔らかさは、たちまちクリ
フを臨戦状態へと導いてゆく。
 「お兄ちゃん……」いったん口を離し、自らの唾液でテラテラと
光る兄を愛おしげに見つめるシルフィ「……こんなになって……私
のお口にいっぱい出して良いからね?」
 「フィー? お前、何だか上手く……ぬぁっ!?」
 口の周りがベタベタに汚れるのも構わず、シルフィは小さな唇を
這わすようにしながら肉棒全体に唾液をまぶしてゆく。亀頭部分か
らカリへ、裏筋へ、そして側面まで、柔らかい舌がクリフの汚れを隈
無く舐め清め、唾液に溶かし込んで嚥下する。
 「んちゅ……ちょっと、しょっぱい……」
 そう呟く顔も、女の悦びで輝いて見えてしまうクリフ。
 (こいつ、こんな顔も出来たんだ……)
 性器を串刺しされ、クリフの力と快楽で翻弄され乱れるシルフィ
も艶めかしいが、こうして自らの意志で男性器を口に含み、飴玉を
味わうかのような満たされた表情で奉仕……いや、口で兄を犯す姿
は、妹が体内に隠し持っていた雌の本能の一部を垣間見せているよ
うで興奮してしまう。
 「お兄ちゃん?」あむっ、と睾丸に吸い付き舌を動かしながら、
キラキラと光る瞳で問いかけるシルフィ「ほんとは、もっとゆっく
り沢山気持ちよくしてあげたいけど、時間がないから……えと、お
口に入れても……良い?」
 喋っている間も左腕をクリフの背中に回しシッカリと抱き寄せ、
右手は先端の膨張部分を絶え間なく揉み扱いている。
 「あ、ああ……」
 イニシアチブは完璧ににシルフィが握っている。神聖な法衣を纏
った妹がフェラチオをしているというビジュアルと、右手と唇が同
時に送り込んでくる複数の快感を一緒くたに注ぎ込まれ脳がパンク
寸前のクリフは、もはや満足な言葉を話す余裕すらない。



 「じゃあ……するね?」
 久しい、という部分は確かにあったのかも知れない。
 だが、シルフィの小さな唇の内側は想像以上に熱く、蜜で満たさ
れていた。クリフが暴発しなかったのも奇跡に近い。
 「うぁっ!?」
 完全勃起したクリフの性感は鋭敏となり、先ほどとは比べものに
ならない快楽が静電気のように全身を駆けめぐってゆく。女性器の
中が『絡みつき搾り取る』ものだとしたら、口の中は『圧迫して愛
撫する』というべきか。細くて柔らかい舌が触手みたいに敏感な部
分に巻き付き、絶妙な力加減で幹を撫で上げる。根本近くまで飲み
込んだシルフィーが小刻みに頭を揺らすと、ヒダや粘膜の代わりに
大量の唾液が肉棒そのものを溶かさんとばかりに包み込み、まるで
熱い愛液の底なし沼の中を行き来しているようだ。
 「ぢゅっ……ちゅ、ちゅ、ちゅ……じゅるるっ……」
 舌で味わい、唇で締め付け、口内粘膜に擦り付けて硬度を確かめ
ながら兄のエキスが溶け出した唾液を残らずすすって胃の中へと残
さず送る。やんわりと根本を握っている小さな手は、挿入角度を固
定するだけ。シルフィは、首から上の動きのみでクリフを絶頂まで
高めてゆく。しかも、驚くべき速度で!
 「……ッ! フィー?」
 「?」
 「その……中で出して良いんだな……?」
 「♪」
 返事の代わりにシルフィーは目を細めて無邪気な笑みを作り、同
時にクリフの一番太く敏感な先端部を喉を使って一気に奥まで飲み
込んだ。そして唇と頬、更には食道までもを同時に締め上げ、あり
ったけの力で吸引し……



 「はい、お兄ちゃん。これでキレイになったよ。」
 口の中ではなく胃に向かって射精させる高等テクニックを披露し
た後、『だって、お兄ちゃんの赤ちゃんの元だから』と最後の一滴
まで残らず舐め取り、やっとのことでクリフの股間から離れ口の
周りを拭うと、彼女は少しはにかんだ静かな微笑みが似合う『いつ
もの』シルフィに戻っていた。
 「わ、悪いな……」
 「ううん、全然平気だよ?」
 感謝と謝罪が半分ずつ混ざったクリフの声に笑顔で応えながら、
シルフィーは幸せそうに法衣のお腹をさする。
 「それにほら、こうするとぉ、お腹の中にお兄ちゃんの温かいの
がいっぱい入ってるのが分かって、すごく満たされた気持ちになれ
るの。」
 「…………そういうものなか?」
 「そういうものなの!」シルフィー、笑顔で断言「でも、やっぱ
り『本当に』お腹の中に貰った方が嬉しいかな? この次はちゃん
と、その……愛し合おうね?」
 えへへ、と照れ隠しで作る笑顔すら愛らしい妹を抱き寄せようと
腕を伸ばすクリフだが……
 
 コンコン! コンコン!
 「ごめんクリフ、ちょっと良い?」

 狙ったわけでは無いのだろうが、ノックと共に彼の幼馴染みの遠
慮がちな声が秘かな蜜月の終わりを告げる。
 「……お兄ちゃん?」そして、シルフィーは素直で真面目で、ち
ょっとだけ口うるさい妹へ「きっと、さっきの事で来たんだと思う
けど……」
 「わかってるわかってるって」そして、クリフはそんな妹を見守
る駄目な兄に戻る「ちゃんとエルにも謝るって。」
 最後にもう一度、目で気持ちを伝えあってから二人は一緒に腰を
あげて扉の外へと歩き出した。